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異世界召喚! 領主生活開始102日目  ワイバーン来襲

異世界に巻き込まれ領主にしてもらった俺は、だらだらしてた。

102日目

 天狗とエルフがいくつかの苗や果物を何回かに分けて持ってきてくれている。早速植えてみる。結果はしばらくしないとわからないが、育て方が分からないレベルだからどれだけ枯れてどれだけ生き延びるんだろう?


 村人たちは山に行って、なったものを採ってくればいいという発想だったようだが、それでは水やりができない。収量も安定しない。村の中で管理したい。


 エルフと天狗には世話になるなあ。お礼のしようがない。せい一杯のおもてなしとしてもエルフにはベーコン、天狗には干し肉とシャワーぐらいしかさしあげるものがないけど。


 今日もだらだらしてると、猫獣人たちが一斉に警戒態勢に入った。

「キョータ!なんか飛んできてるみタイガー!」

トラさんが叫ぶ。



 恐竜が飛んできた。空飛び火トカゲか。







「スンマセン。ンゴバさん、弓は村にあるの?」


「無い。弓コボルトを倒した時に獲得したコボルト弓しか村には無いです。コボルト弓ではワイバーンには効きません。」


 恐竜はワイバーンというらしい。


 今度エルフに弓もらえないかなあ。天狗のおっさんなら空中戦可能かも。しかし今回は間に合わない。俺には恐竜と空中戦は今のところはまだ無理だ。


 家に逃げ込み、ワイバーンが襲ってきて屋根を壊したところをやりで突くしかないそうだ。


 早速、皆で家に逃げ込み、皆が構える。


 竹のような材質の屋根がバリバリと落ちてくる。


 モブ村人が必死で槍や棒を振りまわす。


 デカいクチバシが家の中に入ってくる。モブ村人たちが槍や棒を振りまわす。モブ村人が弾き飛ばされる。


 俺は机の下にもぐり、一応の安全地帯から脳を狙った。モブ村人たちは槍や棒を振りまわしている。


 脳を狙ってもうまくいかない。相手がめちゃくちゃに動いているし、脳が小さくて狙えないので、今度はクチバシから肺へ熱湯を流し込む。


 しばらく熱湯を流したらやっとワイバーンがもがき始めた。手負いの竜は、かえって危ない。動きがむしろ激しくなった。


 猫獣人たちが家の外に逃げ出したと思ったら、壁伝いに屋根に駆け上り、スコップ突き刺してとどめを刺した。逃げ出したんじゃなかった、スンマセン。


 俺も早く石つぶての秘法を習得したい。


 ワイバーンは、食えるらしい。村人たちがうまく解体していく。


 前の燻製が片つかないうちに肉だらけになってきた。焼いたの食ってみたが魔豚と違って淡白な感じだ。これはこれでいいかも。あんまし来てほしくないけど。


 市で売ってもいいが、干物肉は安いんだよな。燻製ならいけるかもしれない。


 難民家族が5人逃げ込んできた。魔獣に追われて命からがらという毎度のパターンだ。逃げそこなったら村に到達できないだけで、村に到達できたってことは逃げ切ったってことなんだろう。


 今度の人たちは、ここいらの黒色人種ではないので目立つ。もうちょっと中央に多い南米系でもない黄色人種だ。アメリカインデアンか南米のインディオ風というべきか。


 茶色いくたびれた初老夫婦、年齢を聞いたら40代だそうだ。あとは顔色悪い10代の息子3人、あわせて5人。


 おっさんが懇願、といった形で口を開く。


「奴隷でも何でもします。

 一食の飯をください。


 門の外にでもつないどいてくだされば、言われたことをします。

 

 子供たちだけでも飯を食わせてやってください。


 お願いします。お願いします。飯をください。持っているものは全て差し上げます。」


 たいしたもんは持って無さそうだし、奴隷の件と飯の件は置いといて、若手が来たのは助かる。


 とりあえず、麦がゆの残りがまだあったので出す。餓死寸前らしいので薄めて出す。急に食べると死んでしまう例があるそうで、だんだん濃くしてやるから今回はこれで我慢しろと。それは相手も知っていて承知した。


 長旅で調子崩しているかもしれないから、治癒魔法少しかけておいてやる。


 空き家で家族で食べてもらってる間に、ンゴバさんちに移動して、ンゴバさん、助役ニコアさん、サラばあさんと相談する。あんまり変な人だと村に居てほしくないなあ。彼らの飯が終わったんで長老たちが面接した。サラばあさんが聞いている。


「難儀だったねえ。ここら辺じゃあ見かけない人だが、いったい、どこから来なすった?」


「かなり北の〇〇村から、砂漠横断して逃げてきました。」

固有名詞聞き取れなかった。翻訳のバグだろうか?どっから来たって、どうでもいいから黙ってた。


「おやおや、どうしなすったんだい?」


「中部は大飢饉で餓死者続出しています。雨が降らず井戸も枯れ、畑も稔りませんでした。ロバにわずかばかりの荷物を積んで、当てのない旅に出ました。


 道中、どこも飢饉でしたし、荷物もロバも奪われ、娘はさらわれ、それでも、ここまで逃げてきました。


 一家で働きますので、なんとかお願いします。お願いします。本当にお願いします。」


「それは頼もしいけど、ここらもあまり食べ物はじゅうぶんには無いんだよ。麦しかできない土地で、魔獣も出る。見ての通り若い者は出て行った。で、何ができるんだい?


 おや、失礼、お名前もうかがってなかったねえ、私はサラ。あなたたちは?」


「サラさんですか、よろしくお願いします。申し遅れてすみません、わたしはイワン、妻はマーサです。息子はバーソ、タダイ、トーマス。よろしくお願いします。」



「ああ、わたしは年寄りで名前憶えらんないかもしれないけどイワンさんマーサさん、息子さんたち、よろしくお願いね。


 ほんだら、今夜は村の外で泊ってください。これからのことは村で相談してから決めます。居てもらえないかもしれない、っていうのは、あり得るから知っといてね。ごめんねえ。


 あー、このひと村長ンゴバさん、村の井戸と門案内してあげて。何ができるかは明日にでもゆっくり聞きましょう。


 さっきのごはんと晩ごはんは無料にします。あとのことは、さっきもいったけど寄り合い次第。今は何とも約束できない。でも、できたら、だけど、よろしくね。」


 かなりしつこく、暫定的にだよ、と念入りにくぎを刺しておいて村への滞在を許可する。



 え?


 村には用心して、すぐにいれないのか、やっぱすげえな。ムラ社会。

 みんなが出て行くとサラさんが俺に言う。


「あのね、悪い人たちじゃなさそうだけど、一人ひとり別々に話聞いて、つじつま合ってるかどうかとか、ちょっと時間かけて聞きましょう。あと、領主さまを紹介しなかったのも用心のため。刺客だったらもう息絶えてたわよあなたは。」


 えええ?マジ?


 イワンさんたちは中年と若い人なので労働力という点では助かる。潜入した忍者でもなんでもいいや。


 難民には一晩野宿したあと、新郷の長屋に入ってもらおうと思った。しかし、サラばあさんから又も意見が出た。


「ちょうどええ。これを機会にウチのむらのもんは新郷へ引っ越そう。


 新郷のほうが防備が強いし便利だ。こんだけ近いんだから、だめだったら戻ってくればええ。


あと、領主さま、イワンさんたちが野宿してる逆側に小屋建てられます?」


「できるとは思うけど、一体なんで?」


「引っ越し中に村の中に人入れるのはちょっと、、、、」


「あー。(用心深いなあ)」


 泥飛ばして小屋作る。犬獣人たちも最近すっかり大工仕事が板についてきた。新郷の家は規格化しておんなじもん量産したからなあ。今回もほぼ規格品と同じ。手際よく細かい部分を仕上げてくれた。


 便利な新郷に今までの獣人の一部と村人が行く。


 獣人の一部と難民(一家族)が本郷にいったん入る。本郷の畑は、今、生えているものは村民のものだが、今後は土地は俺のものになる約束だ。村人は倍以上の面積の新郷の畑と、俺の水が得られる。


 収穫が終わるまで、難民には猫草を食わせ、色々働いてもらう。次のシーズンから本郷の俺の畑を貸す形にする。


 

 村人のよそ者への警戒心凄いな、俺なら安易に住まわせてたとこだ。次の収穫期まで面接が続く形だから、その方が安心だ。


 水魔法もだんだん能力が上がってきて、かなり遠くまで飛ばせるようになった。


 指から直線の他に 曲げることもできる。


 魔力は2のはずだったんだが増えたかもしれん。魔法のレベルは計ってないが、たぶん変わらないだろう。水が出る魔法に、水を乾かす魔法、そのふたつぐらいしかできない。


 俺の畑には夕方に、以前アドバイス受けたように、家の中からシャワーというかじょうろ状態でまく

 他の人の畑もそれで行く。

ただ何が起こるかわからないから俺の水をまかない畑も念のため保存してある。この間大雨の前に水まいた畑も説得して、またまかなくしてる。



 シャワー場は毎日営業になった。5日に一度って言ってたがいろんな意見が出た。どうせ俺は毎日浴びてるわけだし、お湯まく日と、まかない日があると俺が混乱する。ならば毎日出して入りたい奴が入ればいい、ってことに押し切られた。


 まあいいや。



 シャワーあびてシャワー場にお湯まいて畑に水まいて寝る。今日は激動の一日だったな。




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