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異世界召喚! 領主生活開始120日目  領民契約

 その後も、ほぼ毎日のように難民が逃げてくる。多様な人種だ。皆はじまりの村の本郷の難民ハウスへ行ってもらう。聞いた話を総合すると、どこの領も飢饉の上にますます重税がかかって、とても持ちこたえきれず大規模に逃散が始まっているらしい。


 残念なことに、俺が期待していたポンコツ美人の魔法使い女とか、美少女剣士とかは来ない。まだ。

 ただ、元からいた爺さん婆さんおっさんに、よっれよれにくたびれたおじさんおばさんと、おっさんの家族が増えただけ。女児はさらわれたりいろいろあって、こどもも男のほうが多い・


 ただただ、くたびれ果てた流浪の元農民ばかりが、命からがらといった風情で転がり込んでくる。本郷のほうは、ほぼ難民キャンプというか、そんな感じだ。


 せめて鍛冶屋か商人といった農民以外の技能のひとが来るともう少し楽になる気もするんだけど。そうはご都合展開にはなってくれない。

 前職を聞いてまわってるんだがほぼ農民。ただ、この世界の農民は色々こなせる人が多いのでそれは助かってる。大工仕事、簡単な細工は誰かしら得意な人がいる。そして、所有する土地を失った農民は、そういった簡単な仕事にありつくしか生きるすべがない。


 それでも領民の人数の増加が、できることを増やしているのはたしかだ。朝飯学校は続ける。新住民との交流の場にもなっている。


 異種族も、猫獣人と犬獣人しか来ないな。特殊技能を持った異種族がきて、突然この村がチート展開で発展するということもない。天狗に会ったけど、別に森に住む普通のおっさんだったし、秘法を教わるが誰でも習得できるというわけでもない。最近はほぼ毎日来てるので干物肉と酒をやってる。


 チートといえば水やりと猫草。あと鳥のえさから出てきた雑穀。これのおかげで生きていける。


 天狗とエルフがくれた種や苗もそれぞれだんだん伸びてきているがまだまだ収穫期ではないそうだ。。


 なんだかんだで、とりあえず村が存続できていることも確かだ。


 当初は狡猾むきだしだった村人たちも、穏やかになってきた。だいたい、俺が難民に飯を施しても、別に村人の食べる分が減るわけではない。


 そもそも畑はまだまだ余っている。漠然とした不安不満はあるが文句を言うほどではないらしい。むしろ俺には水やりとか包丁とか、開拓とか、借りばかりが大きいので、「言えない」というのが近いかも。そういえば手持ちの包丁は全部貸し出しに回ってしまった。あとからきたひとは同じものを難民同士で使いまわしてもらうしかないな。スコップの残量も見えてきた。


 話を戻せば生活に余裕が出てきて心にも余裕ができたか。そりゃあ餓死寸前のところに乗り込んでこんちわ領主になりましたって言ったって、まともに取り合う余裕なかったんだろうなあ。

 

 とうの難民は、今のところは動ける人だけが来る。


 村の将来考えてどんどん受け入れまくる。考えてみたら働け無さそうなまでに衰弱したら、移動の途中で力尽きるわけだから、即戦力しか来ない。


 過酷な現実のおかげで、村は逆に助かってる。衰弱してるぶんには俺の治癒魔法と肉入り麦がゆで回復するから、すぐに解決する。


 それと現金をもって逃げてきた人が多く、貨幣経済が村の中で回るようになった。

 今までは狭い村の中での金銭を介さない貸し借りというかマウントというかでややこしかった。


 新しい人のために荒れ地を耕して水をまき続ける。開墾と治水、というほど大げさではないが、個人でできる範疇でもないのは確か。



 まず、大雨を降らして、表面の土の塩抜きをする。俺の水魔法は、離宮の町で少し習ったけど、あとは我流だから、何ができるのか自分でもわからない。村人の助言というよりおちょくりが結構役に立ってる。


 泥で土塀建てる。乾いたらさらに上に泥乗せる。昔の左官屋さんのやり方だ。枝とか材木で芯にすると強くなるとニコアさんが教えてくれた。それは獣人の指導のもと難民がやる。「難民」というがもとは農民だったわけで当然、出来る。家の骨格もそれで作る。村を囲む土塀と堀もそれで作る。

細かいやり方が違うだけなので、芯になる木と泥さえ提供すれば、自分のうちくらいならすぐに作れる。


「スンマセン、今後は難民とは契約結ぼうかと思ってるんですが、どんなもんでしょうかねえ?」


毎度の恒例になった魔肉パーティーでンゴバさんたちに相談してみた。あえて人前で。


「それはご領主のお考えだけど、またどうしてですか?」


「すんません、まだ考えがまとまってないんだけど。


んん-、新しく来た人のほうが増えただろ?もう覚えきれないレベルで。


これから先は、いままでの三軒の寄り合いだけで全部決めるというのも難しくなるだろう?


 これから先どんな人が来るかわかんないし、本当に難民かどうかわかんない人も来るだろうし。

何か決まりみたいなの作ったほうがいいかなあと。


スンマセン、なんとなくなんですけど。


 そりゃあさあ、みんなが怒って一揆になるのは仕方がないよ。

 領主にも落ち度ある。俺が悪いんだったら仕方ないさ。


 でも暗殺とか怖いからさあ。


 奴隷契約して 俺を殴ったり刺したりするな とか契約しとけばいいんでは?」


「うーん。暗殺者なら契約結ぶ前に事を起こしそうですなあ。ただ契約することは賛成です。今はうやむやになってしまいましたが、前の領主時代はそりゃあたくさんの契約がありました。」


「えっ?そういえば、いままでどうしてたの?領民契約でどう?っていうか法か。」



「ここはもともとは王領でしたから、その当時の王様と先祖が契約を結びました。


 時代が経つ間に、納税の義務、一揆の禁止、労役の提出など、ありとあらゆる契約ができていきました。


 先代の王様は、こう言ってはなんですがまあ良かったんですが、今の王様は契約を拡大解釈していままでより多めに持ってく、さらに代官が勝手に持ってく、でも一揆禁止、一揆しようにもそもそも勝ち目がないといった状態になりました。


 村は、作高をちょっとごまかす程度でしたが、そのくらいではどうにもならず、領主さまがお見えになったころの状態に落ちぶれ果てました。」



ああーそうなるわなー。


「スンマセン、今んとこ細かいこと決めてもあれだし、先のことはわかんないから、とりあえずこうしない?


 領主が俺の間の一代限りだが、可能な限り水やりする。全家庭に酒とポーション配布をする。


領民は暴力と盗みは禁止 可能な限り領主に協力し可能なら領主を守る。で、どうかなあ?」


「税金はいかがいたしましょう?」


「あー今んとこ要らないけどこの先要るかあ。いままでは取り決め自体はどのくらいだったの?」


「取り決め自体は半々のお約束でした。」

五公五民か、それでやっていけたのね。


「じゃあ法というより契約にしよう。

1.領主に暴力と盗みは禁止。


2.可能な限り領主に協力し、自分たちが安全な範囲で可能なら領主を守る。


3.村人間の暴力と盗みも禁止。


4.今年は無税、来年は原則収穫の3割を税とし、再来年以降および臨時の増税の場合は改めて決める。


5.緊急臨時の自衛戦の兵役以外は、労役の義務は無し。希望者は領主の仕事に従事するが、日当が払われる。拒絶もできる。


 今思いつくのはそのくらいかな?あとなんだろう?」


 今まで学校も何もボランテイア運営だったので、今後外部の人材招へいした時のために三公七民とした。


「スンマセーン!聞いてただろ?今すぐでなくていい。三日考えてから、領民契約結びたいと思う人は言ってくれ。」


「信用しよう!だけど、領民契約を結ばない場合はどうなる?」

すかさず新参モブが聞く。あ、考えてなかった。



「新しく来た人には必ず契約結んでもらう。


 今までの村人は領民契約を結ばなくっても村にいていいよ。俺より前からいた人のほうが多いんだし。


 俺のほうから何か意地悪もしないと思う。


 これからも、畑には水まくし、貸した包丁は今後も使っていい。あ、暴力と盗みは禁止ね。特に俺には暴力なしで。


うーん。


そうだなあ、ただ、なんかおきた時は領民契約した人が優先でそうじゃない人は後回しになるかもしれないな。

何が、かはわかんないけど? いい?それで?」



「わかった、俺は領民契約を結ぶぞ!」



「ごめん、事務的なこと全く考えてなかった。スジからいけば、個人で契約なんだろうけど、事務手続きの都合で、家単位で集めてくれる?」


「スンマセン、ンゴバさん、そういえば、そもそも領主と領民の契約ってどうするんです?」


「契約って大昔に結んだんで、わしらはそういうもんだとしか知らされてないです。はるかなご先祖様がその時の王様と結んだようです。」


「弱ったなあ。とりあえず木の板に書いといて、掲げとくかあ。でもそれじゃあお互いにに強制力ないよなあ、それって。」


「何をおっしゃいますか。現状、殿様が『じゃあ明日から水やらん』て言ったら数日でその家絶えますよ?圧倒的に殿様の力が強いです。」


「水やりやめるぞなんていう脅しはしないけど、まあ、そういわれればそうだよねえ。じゃあそれで。」




 はぐれ獣人も増えてきた。犬族猫族は仲間呼ぶ 猫獣人も犬獣人も増えてきた。

 まともな獣人しか声をかけてないそうだ。こいつらでもまともな方なんだ。。。。

 

 食えるようになったら繁殖ブームでもある。

 天狗は独身らしく、山に住んでるから客人。最近はほぼ毎日来て、酒飲んで風呂浴びてるけど、村の外へ帰っていく。エルフも同様に客人。


 獣人も増えてきたんで、シシトウさんとシエパードさんをそれぞれのリーダーにしてもらう。

 村人は家ごとになってるから連絡簡単なんだけど、獣人はそうでもなかったから。


 犬獣人は妊娠して家から出てこれなくなったのもいる。もっと増えるだろう。多頭崩壊にならなければよいが。猫獣人は10人しかいないが犬獣人は30まで増えた。



で 村総数が人が新郷20本郷40で合計60にまで膨れ上がった。新しく移住者が40人もおるのか!






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