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双子、フィーバー。
そろそろ、定期更新を…と。
「エリック、マーク。いつも言ってはいるが、気配もなく近づくなとあれほど言ったはずだぞ。」
吹き出した紅茶をさっさと拭きながら、ウォルヘルムは深いため息をつくと双子に苦言する。
「ああ、またソレ?それはもう諦めたほうがイイって言ったじゃない。」
「そうそう、もう習慣になっちゃってるからね。ムリムリ!」
頭を抱えたウォルヘルムは、自分の体調が悪くなるのを感じていた。
双子と関わると、頭痛が起きる。
実しやかに囁かれる、リツァーデン家の家人の中の暗黙ルール。
ウォルヘルムだって伊達にこの二人の兄をやっているわけではないし、この数年で幾度となくこの双子に言ってきたことか、とウォルヘルムは思った。
言い聞かせたって聞くわけもないことは分かっているが、彼の性格からして放っておけるはずもなくて、こうして毎回のように注意をしているのだ。しかし、いつもこのような立石に水、暖簾に腕押しとばかりの無駄さ加減。流石の彼でも、疲れてきているようだった。
「それに、こういう僕らにしたのはもともとドコのダレだったっけなぁ~?」
「そうそう、自業自得ってヤツ??」
「………」
「…ま、僕らはボクらで楽しんでいるけどね。」
「そうそう、楽しいタノシイ!!」
「………」
そう、彼らをそういう風に育てたのは、その当時何かと忙しくて子育てどころではなかった両親に変わって面倒を見ていた、彼ら双子の上の兄達であるウォルヘルムとグレイシスの二人だった。
勿論、当時まだ十代の中程だった彼らだけで出来る訳もなく、侍従長オグマットや年嵩の侍女たちの手助けもあった。しかし、彼らは双子の将来のことも考えて物心つく前から武術にまつわる様々な事を体に教え込ませながら、彼らは最愛の弟たちの成長を見守っていた。
そうしたことの積み重ねが有り、今では屋敷内で人の気配を探ったり消したりすることに関しては抜きん出ていた。それはもう、優秀の域を超える程に。
だが、悪知恵の働く歳になった彼らは、兄の懸念していた事件を起こしたのだった。
それは、ある年の暮れであった。
一時期の双子は悪戯三昧の日々。その延長線だったのだろう。自分の限界も知らない子供の悪戯は、時に大きな事件を巻き起こすことがある。そんなことは、子供である時期には必ず通る道だ。
しかし、彼らは悪戯の域を超えてしまっていた事に気づかなかった。
突然、双子の気配を辿ることなどできなくなって、一週間見つからなくなってしまったのだ。気配に聡い父親の友人も数人掛りで探したのだが、見つからなかった。まさにお手上げ状態。両親ですら手に負えない最悪なものであった。しかし、これに手を差し伸べたのが姉のレベティアナだった。
この娘も気配を消すことはできないが、自然と人より気配には敏感になっていたので、双子を何とか捕まえることができた。体調が心配された双子の方は、何故か元気だった…。
それに激怒した彼女が懇懇と説教をしたら、双子に気に入られたらしく、それからベッタリ。
兄二人は、その光景に唖然としたらしい。
あれだけ早すぎる反抗期真っ只中の双子を、どうやって手懐けたのだろうかと。しかし彼女曰く、腹が立ったので叱っただけだのと至極もっともなことしか言わなかったので、この件は未だ御蔵入りになってしまっている。
*
いつも通りの双子の攻撃に、ウォルヘルムはため息を吐き出す。今回もお手上げだ。
こうなったらレベティアナしか止められる者はいなかった。しかしその頼みの綱は先程屋敷に入っていったばかり。早々の助けはあまり期待できそうになかった。
もう、どうしようもないとウォルヘルムは諦めかけた…その時、双子がいっせいに庭園の入口に向かってばっと音がするほどの勢いで振り向いた。ウォルヘルムも数秒遅れて一つの気配がこちらに向かっていることに気がつき、そちらを見る。すると、思っていた人物がひょっこりと姿を表したのだった。
「ウォル兄様ー!そういえば、お飲み物をどうするか―…あっ!」
「「姉様!!!!」」
「ぎゃッッッ!!」
レベティアナは、カエルが潰れたような悲鳴をあげて、双子のタックルを受けて背から地面に倒れてしまった。
幼児の頃からやられたこの抱擁タックルだが、最近ぐんぐんと育ってきている双子にやられてしまうと昔のように受け止めることは出来なくて、こうして押し倒されてしまう。たぶん、兄のウォルヘルムでも既に難しのではないだろうか。まあ、彼らがこうしてタックルを繰り出すのは、決まって彼女とすぐ上の兄シュベルトの二人だけなのだが…。
しかし確信犯である彼らは、受け止められないとわかっていてなお本気で彼女らに突撃してくるのだ。それもこれも、双子なりの甘え方であると分かっているのだが、それにしてもベティは毎度思わずにはいられない。
たんこぶを作るこっちの身にもなってほしいと。見ている周囲の者たちも、彼女らに同情していることなど双子は知る由もないだろうが…。
19:了
双子ちゃんは、私の中では必須の登場人物。
なぜ、まわりにイケメソ双生児がいねぇ?誰か、私の周りに連れてこい!!




