表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空想絵画@君の家で  作者: ばやたん
2/2

才能


・・・・・・・・


沈黙が続く。


じゃ、帰ります!と言おうとした


「ね、一回だけでいいから、きて」


こわい!逃げ出したい気持ちでいっぱいになった


なにされるかわからないよ


「見せたいものがあるんだ」


見せたいものって何。好奇心。


強引に手を引っ張られて家の中に入る。


やっぱりボロボロな家だから歩くときしむ。


すとん!て今にも穴があきそうな気配


彼からは爽やかな柔軟剤の香りがするのに家の中は腐った匂いがする


よく生活できるなあ



きしむ階段を上がる


青年はわくわくしてるみたいであたしまでわくわくしちゃう


「入って」


と言われて彼の部屋らしい場所に案内される


そこらじゅう描きかけの紙や絵の具が散らばり、歩く場所がないや


デッサン?


マネキン?


「そこに座って!」


椅子じゃない。小さな机に座らされる


彼はパレットに絵の具で色を混ぜ始めた


ちらちらとこっちを目で確認している


紺のジーンズ、白いキャミソール


あたしが今日着てる服の色。


黒とうすい橙色は、髪と肌の色かな。


「見せたいものって・・?」


「今、作ってるから。ちょっと待って」


彼の額には汗が滲んでいる 時々ぽたっと床に落ちる


どんな顔をすればいいのかわからない


キャミソールの皺を直そうとして動いたら、怒られた


窓が開いてるのに暑い


しばらく座っていたのだと思う


「できた!」


声が響き渡った


気まずそうに下を向くあたしがいた


声を失った。


肌の質感、唇の色、すべてがリアルに表現されている


絵の才能を持っているんだ


これを見せたかったんだ


「上手いでしょ?似てるでしょ?」


うん!と頷く。


「でも専門は空想絵画。」



ベッドの下に重なった紙をとりだす


すごい。


この人は天才だ


絵の具の使い方が違う 細かい


あーー、疲れた!と彼はベッドに倒れる。


「星中の子でしょ。部活はないの?」


部活・・・一応美術部だけどあまり行ってない


学校に行きたくない


「行ってない」


「ふーーーん。どうやら運動部ではなさそう」


「仕事は?」


・・・・・・・さあね


ごにょごにょ言って、結局さあね。


一瞬傷ついた顔したから問い詰めようとは思わなかった



外を見たらもう夕方だった。


もうこんな時間なんだ


本当は帰りたくないけど、迷惑だと思ったから帰ることにした


彼は気づいたみたいで無言で手を振った。


あ、聞きたいコトがある


「名前、なにですか」


むくっと起き上がる


「宏典。苗字は日野」


「鈴です。さよなら!」





坂を自転車で勢いよくくだった


風が心地よかった



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ