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第四幕(その三)・終

物語の所々にオリジナルシリーズに出てきた登場人物や小ネタを含みますので、

オカ研の旗のもとを先に読んでいただきましたらより一層楽しめていただけます。

翠を囲んで後の三人は少し落ち着きを取り戻した。

「皆の者よ、よく聞け。お主たちは第六の世代じゃ」

少し経ってから翠がまた翻訳なしの言葉で語りだしてきた。

「翠が何かに取り憑かれちゃったわぁ~」

綾乃が心配そうに窺った。

「どこかで聞いたような言葉のフレーズねぇ」

由香がどこか思い出深そうに翠の顔を眺めた。

「あのカウントはクイズでも何でもなかったのねっ。綾乃の推理が外れちゃったじゃない」

沙織は不服そうな顔をした。

「ごめんなさいねっ!それより翠が豹変するタイマーだったのよ!翠に取り憑いた化け物がとうとう本性を現したわ!」

綾乃の思い込みは止まらない。

「それよりこんな時どうするんだったっけ!取り憑いた奴を取り除く方法は何が効くんだったっけ!」

沙織はポケットに入ったあらゆる御札を溢れるように出した。

「確か・・あぁ~して、こおぉ~して」

綾乃は学生手帳になぐり書きした呪文のマニュアルを見ている。

「誰が最初にそんな都市伝説めいたルールを決めたんでしょ?」

由香が言うように最初の誰かが言い出しっぺだ。

「話を聞けぃ!わらわは化け物でも取り憑かれてもおらぬっ!もうこれからのお主たちには器である体というものに必要はいらぬ。これからは精神生命として生まれ変わるのじゃ」

翠は痺れを切らしたらしい。

「言いたい事がわからぬぅ~」

沙織も同じ様な口調で言った。

「体を無くすってどういうことなのよっ」

綾乃が真っ向から問い詰めた。

「その前に第六世代ってなに?」

由香もそうだが後の二人も分かってはいない。

「人類の転換期じゃ。知らずのうちに人は踏み入ってはならぬ神の領域を超えた。その第六の周期が巡った時、生まれいづる新たな生命に設計図が書き換えられたのじゃ」

翠がより一層小難しい事を言い出した。

「ほとんど言っていることが意味不明なんですけど!」

由香はその話に蕁麻疹が湧いた。

「早い話が、私たちは新人類ってことでしょっ」

綾乃はその小難しい話に一喝入れた。

「じゃ、新人類の私たちには動ける体が必要無いってことっ!そんなのひどいようぉ。好きなとこも行けないし、美味しいものも食べられないじゃないぃ!」

沙織の意見もごもっともだ。

「もう、おまえたちは、うちゅうじん。あたらしい、いきかたが、まっている」

今度の翠は機械じみた声で話しかけてきた。

「急に口調が変わりましたねっ!」

由香の驚きの構えが変わった。

「だけど、どっかの誰かさんが言っていたわよ。オカルトなんてありゃしない、この世の中はお金に支配され、お金で動いている寂しく悲しい世界だって」

沙織は先っき聞いた話を早速持ち込んできた。

「もうその様な時代は終わりを告げた。お前たちの世代からは自我となる感情、欲求、妄想、えごを排除して地球の自然と共存し、宇宙エネルギーと交わり超越した生命体へと進化せよ」

翠の小難しい話が硬苦しい話と移ってきた。

「う~ん・・、なるほど分からん・・」

沙織が頭をひねっても答えが出るはずもない。

「ひとの形じゃなければ、新・人・類でも何でも無いじゃないじゃない」

綾乃は考え方の違う次世代の新・人・類と思っていた。

「そうよ、もう私たちは人じゃないの・・」

由香が急に突然そう言って、由香の体がまるでしぼむように床に頭からもろとも脱げ落ちた。

「わぁぁーー!由香の体がしぼんだ風船のようになっちゃたぁぁーー!」

沙織は飛び上がってビックリした。

「みてぇぇーー!しぼんだ由香の体から無数のオーヴが出てきているわよぉぉーー!」

綾乃も沙織に飛びついた。

「あなた達も同じよ・・」

翠もそう言って由香と同じように体が剥いで床に落ち、多くの小さな光る白い粒となって空中に浮遊した。

「あぁーー!翠まであんな姿になっちゃたぁぁーー!」

沙織は床に膝を付き泣き出した。

「沙織・・。カウントが0になったとき、やっぱり何かが起こったんだ・・。ほら、この、まあぁーるい窓の外を見て・・、私たちの故郷の地球が綺麗よ・・」

急に綾乃が黄昏れ付いてきた。

「綾乃まで何を訳の分からない事を言い出しているのっ・・」

そう言って窓を覗いた沙織の目に飛び込んできたのは、遠く離れて行く青く美しい地球の姿だった。

「グリーングラス・・」

無意識で呟いた沙織と綾乃の周りに翠と由香の体から生まれた白く光る小さな“グリーングラス”が漂っていた・・。

“グリーングラス”・・・、それは宇宙人?妖精?天使?・・。まだこの世の中には解明されていない生物が数多く存在する。いずれ“グリーングラス”も発見される日が来ることがあるのだろうか・・?・・第四幕おわり・・・・



「まてぃいっーー!!そんなじゃれごとより早く私たちを月ごと火星に引っ張り込めぃいっー!!」

ところ変わってこちらは月面ドーム基地。隊長らしき人物が一つの画面に向かって怒鳴り散らしていた。

「隊長!早く忙ないと、このままだと我々も太陽に呑み込まれてしまいます!」

小佐井和哉隊員が頭に血が上った隊長を止めに入ってきた。

「ホント段々と熱くなってきたわね。もうすぐ地球の寿命が終わるというのに本当にあいつらは何をしているの!」

冷静になった人類移動計画の鍵を握るのは西園寺公佳隊長である。

「あいつらと交信はまだ取れないのっ!」

西園寺隊長は我慢していられない性格である。

「吸引信号が途絶えたまま、まったく応答がありません!どうやら火星で何かしらのバグが起こっているようです」

通信員の藪下真紀が焦った表情で言ってきた。

「すべてAI四人組のアバターの所為よ!火星移住誘導作戦をあいつらに頼んだのが失敗だったわ!」

西園寺隊長は頭を抑えた。

「言いたいことだけ言って!隊長の所為ですよ!若い感性で自由な個性と発想を取り持てば、突拍子もない有意義なアイデアを生み出してくれるんじゃないかとプログラムを組んだのはあなたでしょ!」

横から副隊長である和中妙子が野次を入れてきた。

「そうですよ。年齢設定に問題がありました。隊長の選んだ中学生は危険な年頃なんですからっ。愛情のない悪魔みたいなものなんですっ。それであの頃の年齢は良い子じゃいられなくなる時期なんですよ!」

藪下通信員も分かったような口調だ。

「皆でよってかかって!今更そんなこと言ったって遅いわよ!それより今はこの状況を何とかしなくちゃ、助けられる者は月面ドーム満たんに詰め込んだから酸素もあっという間に残り少なくなってきちゃっているわ・・。誰でもいいから早く私達を火星まで引っ張っててちょうだい!」

西園寺隊長は神にもすがる思いで天に願った。

「前方より不明物体接近中!」

小佐井隊員がレーダーに写る正体不明の物体を確認した。

「あれはなにっ・・」

そこにいる全員が、まあぁーるい窓の外を見た。・・それからまもなく、


「これを持って月は地球の周回軌道より離脱成功!そして今を持って火星へ軌道をとります。なんとかギリちょんセーフですよ!」

小佐井隊員が安堵の表情になった。

「これで私達も火星にヤドガエが出来るぅ」

和中副隊長も藪下通信員も大喜びである。

「こんどこそ火星に着いたらあいつらを突っ詰てやるぅ~」

しかし西園寺隊長だけは複雑な心境だった。


絶体絶命を救ったのは“グリーングラス”・・人類の救世主?・・か、どうかはわからないが・・。さて置きこの世に生命を宿し生きとし生けるものは全て寿命がある。生命の根源、我がこの世のもの達の源の母である生きた惑星ほし、地球も同じこと。いずれ地球の寿命が尽きるとき、我々は何をして何をすればよいのだろうか・・。 完。

綾乃「結局!私たちは何者なの!」

沙織「私はわたしよっ!」

翠 「私たちこそグリーングラスよっ!」

由香「さぁ、どちらなんでしょ?」

西園寺「どっちでもいいからバグらないでよ!」

翠 「あんたどこから出てきたのよ!?」

全員「最後まで読んでくれてありがとうございました」

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