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第四幕(その一)

物語の所々にオリジナルシリーズに出てきた登場人物や小ネタを含みますので、

オカ研の旗のもとを先に読んでいただきましたらより一層楽しめていただけます。

「だめーーっ!こんなんじゃバッドエンドになっちゃうぅーー!」

綾乃が前回の締めの言葉に対し大慌てで急に大声を張り上げた。

「誰に向かってカメラ目線で言っているのよ!」

沙織は慌てふためいた綾乃の行動に目を丸くした。

「ところでこの“塔”のなかはどうなっちゃっているのよっ」

翠が変幻自在のパズルのように部屋が入れ替わり変わっていく迷路に、仰天している。

「それに・・あのカウントされている数字はなんなのよぉー」

由香は随所に掲げられているタイマーが気になって仕方がない。

「それになぜ急にこの“塔”の中からスタートなのよっ」

沙織は綾乃の台詞の出だしから気に入らない。

「そんなの私に言われても分からないわっ!丘に着いた途端にいきなりだもの!」

翠ならずとも四人は何処から中に入ったかも覚えていない。

「もう一度冷静になって、私たちがこの“塔”に来た道筋を順序立てて思い出しましょう」

由香はカウントタイマーを眺めながら適切な判断をした。

「そう、私たち四人は・・。宇宙人を捕まえるため、まだ人の足も踏み入れたことのない前人未到の山の中のあぜ道をひたすら進んで・・、この丘まで辿り着いたのよ」

翠が頭を抱えながら記憶を辿り、始めに言いだした。

「えぇーー、違うわよ。私と沙織と綾乃の三人でロープウェイに乗って外の景色を眺めながら優雅なひと時を過ごしながら丘に着いたのよぉ」

次に由香があっけらかんとした顔で言い出した。

「いやっ!そんな事ないっ!私と綾乃の二人でヘリコプターで丘に着陸したのよっ」

沙織は何のこと無くすらすらと喋りだした。

「なんだか皆んな話が噛み合っていないわねー。これじゃ一人ずつ、いない事になっているじゃん!」

皆の話を聞いていた綾乃が辻褄が合わない事ばかりで呆れた。

「それじゃ私が一番最初からいないってことっ!」

翠ひとりがのけ者にされているように感じた。

「そうじゃない。確か初めはいたのよ。だけど・・、すぐさま居なくなちゃってどうしちゃったのかしら・・。思い出せないわ・・」

思い出そうとする綾乃の頭が痛くなる。

「用を足しに行ったのよ・・」

翠は、はみかみながら言った。

「いやっ!何かの拍子で消えちゃったのよっ!ガサツで下世話な品がない翠がトイレごときで、私たちに何も言わず行ってしまうなんておかしいと思わない!」

沙織の記憶が急に戻った。

「よっぽど我慢できなかったんじゃない?」

由香の気だるい声だけが響いてまるで関心がない。

「失礼ねっ!私を何だと思っているのっ!そういう時もあるじゃない」

翠の頬が赤らいだ。

「もうどうだっていいわ。話を続けると、それから誰かと出会って・・、ランチタイムをして・・、そう!私たちが食べていた缶詰はいったい何だったの!」

沙織は登山の弁当に缶詰は無いだろぉと思ったが、絶品の味だった事に舌鼓を打った。

「それにこの世のものとは思えないあの花畑に蝶の大群!鱗粉を浴びるだけ浴びたわ」

由香はそれでお腹が痛くなるほど笑い転げていた。

「だんだんと皆んなの記憶が戻ってきたようね。それに誰か私のこと“ちゃん”付けしたでしょ!」

綾乃は自分のことを“ちゃん”付けされるのを気に障っている。

「だけど私はロープウェイに乗った記憶が確かにあるわ」

由香は脳裏に残る記憶が引っ掛かっている。

「それに確か、翠が檻の中に閉じ込められていたわね」

沙織は別の記憶が浮上してきた。

「なんで私が檻の中に入ってんのよ」

翠はまったく覚えがないようだ。

「それに翠の意味不明な言葉。通訳が欲しいものだわ」

由香はため息を付きながら気だるい言葉を吐き出した。

「先っきから私を集中攻撃ねっ!」

翠はまたのけ者にされているように思った。

「でも、私は確実に綾乃と一緒にヘリコプターに乗っていたのよ。それで一本道をひたすら登って気がつけば古民家にいたのよ」

沙織は自分の記憶を優先させた。

「だけど、あれは最後には廃墟のホテルだったわ・・。ちょっとまって、私は下って行ったのよ!一本道だったのに何でこうも違うの!?」

綾乃も沙織と同じ記憶を辿った。

「私は道沿いに歩いて行ったのよ」

沙織はこう言った。

「そこで違うっ!私は道を真っ直ぐ歩いて行ったのよ。道沿いに歩くのと真っ直ぐでは大きな違いが出てくるわ」

綾乃は眉間が痛くなり指で摘んだ。

「どっちにしても、こうも皆の記憶が断片的で曖昧なのは、みんな“妖精のいたずら”ねっ」

沙織は三人の顔を見ながら人差し指を立てて言った。

「それはちょっと違うんじゃない?“妖精のいたずら”ってのは記憶を無くすんじゃなくて物が無くなるんでしょ」

翠が即座に沙織の思い込みを指摘した。

「ただ、物覚えが悪いんじゃない・・」

綾乃が由香を真似て気だるくため息と一緒に漏らした。

「ねぇねぇ、話の途中だけどカウントされている数字が早くなってきましたよぉーー」

タイマーを見つめていた由香の正真正銘の気だるい声が強ばっている。

「最初から四人とも一緒にいたのに皆んなの記憶の何かが変よぉーー!」

翠は三人にしがみついてきた。

「まったくもって!バッドエンドになっちゃうぅーー!」

出だしの綾乃の台詞がまた出た。・・つづく。

沙織「今回は出だしから斬新ね」

翠、由香「ようやく私たちも復帰よね」

綾乃「言葉の言い方で人生左右されるのよね」

全員「次回、10月26日土曜日更新!」

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