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魔王種  作者: のんびりMUCC
ギガントマキア編
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第47話 魔物達の変化 其ノ二

翌朝、ディーテに昨晩の事を謝りつつ、ピュトンの肉を食べた魔物達に変化が起こっている事を伝え、ステータスを見せてもらう事に。


結果は特に変化は無かった…


本人は”何でだ!!”と怒っていたが、何事にも例外はあるのだ。


カラは偵察・監視・索敵能力の向上だけではなく、大規模殲滅魔法の緻密な制御を身に付けていた。

今までも指定した範囲のみを攻撃する事は出来ていたが、今回発現した能力は圧縮だ。

広範囲を攻撃する魔法の威力を圧縮する…つまり今までは面でしか攻撃出来なかったのが点で攻撃出来る様になったのだ。

分りやすく言うと、平手打ちとアイスピック。どちらが殺傷力があるかは言うまでもない。


セレネは防御特化だが、今回の変化は少し違う方向の様だ。

本人曰く、嫌な予感がするから使いたくないとの事。

俺も同感なのだ。ここぞと言う時しか使ってはいけない。そう本能で理解しているのかも知れない。


勿論ファムも変化していた。

【イコル】の欄が”神々の伝令(ケリュケイオン)”となっていたのだ。

好奇心旺盛なファムは森の中で試して見たそうだが何も起きなかったらしい。

《何でなん!?》

もしかしたら攻撃系の能力では無いのかも知れない。しかし、森の国の幹部が戦闘特化のオラオラ系ばかりでも困るのだよファムファム。

不発に終わった本人は、どうでもいいといった感じになっている。


刹那はというと

森羅万象(パントモルフォス)”となっていた。

よく分からんが凄そうだ。たがそれだけでは無かった。固有スキルに蝙蝠化が追加されていたのだ。

なんでやねん…本気でなんでやねんと思ってしまった。

よく見ると犬歯が伸びていて、ある意味非常に可愛いのだが…吸血鬼という事なのだろうか?それとも冥界の暗闇でも快適に過ごせる様に蝙蝠化してしまったのだろうか?

特に血を欲する事は無いとの事なので忘れる事にしよう。


オーガ、キマイラ、ラミア、ハーピーは一部かなり戦闘特化型に変化している者がいる。

だが、各種族の中で1番変化していたのはメデューサだ。


まず見た目が変化していた。

以前は、美形だが前世のイメージ通り髪が細い蛇で残念な感じだったが、普通の落ち着いた茶色の髪になり残念美人から眼力の強い美人さんになった。

戦闘中や驚いた時などは蛇になる様だ。

エキドナ曰く、メデューサは目が合った者を無差別に石化させてしまうから自らは目を合わせて来ないと言っていた。

しかし、再構築が完了してからは石化もコントロール出来る様になったらしい。

無差別石化と恥ずかしがり屋な性格で今までは呼ばないと街に来てくれなかったが、今後は訪れてくれるだろう。

戦闘技術も優れており、魔法剣士として活躍してくれそうだ。


ドワーフの3人も、再現力や完成度が上がっていた。

中でも1番変化したのはフェレットだ。

素晴らしい武具を創る職人は、固有スキルに目覚めていた。

恐怖(ドロモス)”これは敵に恐怖心を植え付ける効果を武具に付与するのだ。

対峙した相手は、得体の知れない恐怖を感じずにはいられない。

早速、恐怖を付与した鎧を地上部隊用に準備してもらう事にした。


他にも色々な能力を手に入れた者がいるが、それは都度紹介する事にする。

後はオルフェも宴に参加していたので変化があったかも知れない。強力な力を持つ魔王が更に強力になるのだ、敵じゃなくて本当に良かった。


昼頃、上杉と打ち合わせをしたり忙しくしていると、オルフェが来た。

丁度いい、宴の後、何か変化が無かったか聞いてみよと思う。

オルフェは赤の他人なので鑑定眼を使っても危険物という事しか分からないのだ。


《グルナよ!来てやったぞ!》

「俺じゃなくて刹那に会いに来たんだろ?刹那に会いに行く前に聞きたいんだが、最近体調はどうだ?」

《ん?特に変わりはないぞ!体調まで気にかけてくれるとはナイスガイめ》

「……」

「最近、刹那の顔をまじまじと見たか?」

《痴れ者め!まじまじと見れる訳がなかろうがッ!あの瞳を1秒も見れば1週間は心が満たされるのだぞッ!!》

「だったら今日はな、瞳じゃなくて口元を見てみろ。今回は神様からのサプライズだ」

《!?》


その日の夕方、オルフェが戻って来た。

どうでもいい話だが、オルフェは日没までには必ず帰って来るようになったのだ。紳士の誕生である。


《グルナ!ちょっといいか!》

「ん?何だ?」

(刹那の口元を観察したぞ…何なのだ?あのクッソ可愛い牙は!可愛さ200%増ではないか!)

(牙って言うなよ…アレは、お前が始末したピュトンの肉を食べてから変化したみたいだ。神に感謝だな)

(いや、俺は見せ場を用意してくれたお前に感謝するぞ!)


まだ勘違いしてるが…まぁいいだろう。


《俺はお前が羨ましい…》

「は?何が?」

《この街に居れば毎日刹那に会えるではないか》

「……………」


そうかも知れないがオルフェはヘルモス王国の王なのだ。森の国に住み着くなんて無理な話だ。

ヘルモス国の王座を俺に譲るとか言い出したので、問答無用でオルフェ国王様(馬鹿野郎)にはお引き取り頂いたのであった。


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