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魔王種  作者: のんびりMUCC
ギガントマキア編
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第46話 魔物達の変化 其ノ壱

森に帰った俺達は、早速対応を検討する事にした。


相手は航空機。

海だの陸だの関係無いのだ、この世界には偵察衛星は勿論レーダーも無い。

何処から攻めてくるか検討も付かないのだ。


《ご主人様?私が各地に散らばろうか?》


確かに俺はムックの視界を共有出来る。

しかし、ムックが分裂出来る限界は100体、森の国だけならまだしも北の連邦国が侵攻を開始した場合、何処をどの程度の規模の部隊が移動して何処に向かっているのかという広域な情報が欲しいのだ。

なのでムックには戦争が勃発した際、攻撃を受けている国の状況を伝える役目をお願いした。

本体が消滅しない限り死ぬ事が無い分裂体ムックは臆する事無く戦場を駆けるのだ。


《グルナ様、私は監視得意ですよ!》


カラは偵察や監視も得意分野だ。

問題はどの程度の範囲をカバー出来るかだろう。

連邦国から出陣した部隊は分散して行動すると予想している、輸送艦100隻以上だから当然だが。


カラは十数個の小さな赤色の結晶体を創り出し、空へ放った。

そして、会議室の壁に映像を映し出したのだ。

かなり上空から地上を写している…


「カラ、これはさっきの結晶体から送られているのか?」

《そうです、拡大したりも出来ますよ!》


地上3m…程だろうか?かなりの解像度だ…

ヴィエン王国の城下町を騎士団長が巡回しているのが分かる。顔が判別出来る程の高解像度なのだ。

カラの話では結晶体は30km上空…つまり成層圏を浮遊しているらしい。


「夜だとどうなるんだ?」


夜は真っ暗で何も見えない。

と思ったら、映像が暗視カメラの様なやや薄暗いものに切り替わった。

薄暗いと言っても全く支障は無い画質なのだ。


「カラ!凄いな!俺も操作する権限貰えないか?」

《私はグルナ様の直轄。心の絆が有るのです!なので勿論グルナ様は操作する権限を持っています…触られると少しくすぐったいですが…//》


俺も操作出来る様だ。

最後に何か言ってたが聞こえなかった事にしておいた方がいいだろう。

操作に関しては念じるだけでいいみたいだ。

気になるのは結晶体と映像を映し出すコストだが…


《魔力は消費しますけど…自然回復以下です!》


だそうだ。

しかし、カラはいつこんな高度な監視能力を手に入れたのだろうか?

話を聞くと、1年程前かららしい。


《ピュトンやオピオタウロスを退治した後、森のみんなで宴をしましたよね?その時ピュトンの串焼き肉が振る舞われて…美味しいので沢山食べてしまい、それが原因かは分かりませんが、その夜高熱に襲われました》


ん?


《朝起きたら熱は下がっていて、むしろ身体が以前よりも軽くなったような気がしたんです!》


それは俺も覚えがあるぞ…転生してすぐの頃に、そんな経験をしたんだ。

一体何時間苦しんだのだろうか…その時は死ぬかと思う程の苦痛を味わった。ピュトンの肉を食べた日は死ぬ程の熱と痛みでは無かったが、転生初期を思い出したのだ。


《熱が出た日から幾つか新しい能力が現れまして》


転生初期に世界の意思(超絶美人さん)が言っていた。

熱と激痛の正体は”身体の再構築”だと

あの日は森の全種族を集めて宴をしたのだ。

もし、ピュトンの肉が新たな能力の発現に関係しているとしたら…

森の魔物に聞き取り調査をした方がいいかも知れない。

俺はアネーシャと各種族の族長に聞き取り調査を依頼した。


調査の結果、森の魔物達のほぼ全員が身体能力が上昇したり特殊能力が発現していた。

暗黒騎士が森の外までウロウロする様になったのも、これが原因かも知れない。

最近、暗黒騎士は要人が訪れる時、森の外まで迎えに行っているのだ。


これは良い意味で大変だ。

早速、カラ、セレネ、上杉、刹那を呼び調査結果を見てもらう。

この街の部隊を再編してもらうのだ。

個体数も増えているので丁度いいタイミングかも知れない。


そこで気になったのは俺とディーテの変化だ。


その日の夜


俺はこっそり鑑定眼でディーテの変化を確認する事にした。

決して起こさない様に…慎重にステータスを拝む…


『!?グルナ?何してるんだ?』


起きてしまいました。


『グルナ…前にも言ったと思うけどな。

私は処女(おとめ)だから結婚するまでは、お前を思う気持ちに変わりはないという想いを伝える為に同じ部屋で寝るけど、別々のベッドと言ったハズだぞ?気持ちは嬉しいが夜這いはいかんよ?』


こっそりステータスを見ようとした俺が間違っていたようだ。

日を改めて事情を説明した上でステータスを確認させてもらうとしよう。


ちなみに俺自身、身体能力は確かに上がっているのを感じていた。ステータスは【イコル】という欄が以前は不明だったが今は【雷霆】となっている。

鑑定眼の説明ではオピオタウロスの内臓を燃やした結果発現と出ている。

試してみたいが、純ビトラスの武器+闘神化だけでも使用禁止レベルの破壊力だったのだ…試し打ちも危険だろう。

一体どんな能力なのだろう…しかし、出来ることなら使うことなく過ごしたいものだ。


側近として…そう!あくまでも側近としてディーテの変化が気になるが、今日は寝るしよう。

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