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皇国の野望  作者: 自宅防衛隊
開戦
12/22

太平洋の波は静かなり

合衆国が再起をはかります。

皇国からの帰途、英吉利親善艦隊は交戦も無く、無事、本国に帰国出来た。


チャーチルは皇国から贈られたセンチュリーを艦から下ろすと、

早速バッキンガム宮殿へと向かう。


ロールスロイスよりも風格もあり、なおかつ静かで滑る様に走る。

チャーチルの乗るセンチュリーを見た時の国王、ジョージ6世は・・。


「こんな車は始めてだ。何とかロールスロイスも・・。」と、技師を呼び、

早速コピーに掛った。

もちろん歴史あるロールスロイスが丸ごとコピーするなんて恥ずかしい事はしない。

だが流用可能な技術は頂く。

皇国はモチロン承知で英吉利に譲渡したのだ。

何せ千年後の車もあるのだから。

今更900年前の技術に拘る必要も無い。


(歯がゆいと感じる読者も居ると思いますが、技術を時代に合う様に小出しにしないと、歴史の暴走も有得ます。ジェット機も存在しますが、メッサーMe210が出るまでは出現させません。)


戦闘機も陸揚げされ、早速スピットやハリケーンと訓練を開始。


彼等は日本から来た戦闘機をZEROと呼ぶ事にした。


ZEROは素早い横転性能、いくら突っ込んでも分解の危険の少ない頑健な機体。

そして充分なパワーと膨大な航続性能。

強大な20mm砲。

全てが満足出来る。

独逸のメッサーBF109やFW190にも対抗出来る。


特に膨大な航続性能は驚いた。

落下タンクを併用すれば3000kmも飛行可能なのだ。

今まで迎撃以外出来なかった戦闘が敵地の上空まで可能になるのだ。


「ZEROは我々の国を守るために来てくれたのだ・・。」と、RAF義足の英雄、ダグラス・バーターは言った。


事実、今までは敵地上空での戦闘はスピットファイヤーでは5分が限界だった。

だがZEROが飛ぶ様になってからは、

Bf109が燃料切れで着陸するまで延々と上空を制圧し、ZEROが居る限り、Bf109は頭を抑えられたニワトリと言われたのだ。


後にアメリカ空軍のP51が救援に来るまで欧州の空はZEROに制圧されてたのである。

>もっともP51が来た時は烈風も参戦して亜細亜と欧州を抑えて居たが・・。


英吉利首脳部は早速、皇国日本に製造権の売却を打診。

皇国も英吉利が全ての条件を呑んだ事で、零戦の設計図を譲渡。

(最重要部のカーボンの素材と脱出装置は秘匿。)

なを、飛燕の様に機体と主翼にレールを取りつけ、重心の移動も容易に設計してあり、

英吉利の誇るマリーンエンジンも搭載可能であった。

後に英吉利本国防衛にのみスピットファイヤーは使用され、ZEROが主力戦闘機の地位を掴むのだ。



東洋の権益を英吉利が手放す事に依り、阿蘭陀も手放すしかなく、東洋は皇国日本が一括で管理。

(だが特別な亜細亜だけは戦後も放置。)

何せロクな艦艇も無い海軍が皇国に逆らえる訳がありません。


陸軍を持たない日本軍は統治に現地軍を編成。

教練と武器物資の売却。

代金は現地の産出資源や特産品を輸出して貰う事で賄う。

日本は技師も派遣し、現地での産業活性化も促進。

特に現金も文字も知らない原住民に学校の建設や文化を伝承。

与えられるだけの人間では無くなるのだ。

後に彼等の中から政治や軍事のトップも現れる事になる。


・・が、それは後の話。



「陛下、英吉利、阿蘭陀が全てを呑み、皇国が亜細亜の全てを握れました。」


山本、可部の両人から外交の勝利報告を聞くと陛下は満足そうに頷く。


「御苦労であった。元近隣国家は関わるで無いぞ。もうヤツラには一切の

付き合いを絶ち、自立してもらおう。」


「モチロンです。

前世で散々な目に遭い、日本を滅ぼす寸前までされたのです。

関わらず、与えずで今後も特亜として亜細亜の汚物として扱います。」


「悪しき友は愚友以下でしか無い。」


可部は千年も日本を痛め、搾取を続けて来た某国を徹底的に嫌ってた。


山本はソコまでは嫌ってないが、何となく理解はしてた。


皇国は英吉利、阿蘭陀、両国と国交を結び、

兵器輸出並びに大使の交換を行う。

そして亜細亜の権益を全て放棄する代わりに皇国から自動車産業技術、並びに農業技術を提案。

欧州での自動車技術は当時としては最先端だったが、皇国は千年分の技術があるのだ。

勿論、行きすぎた技術は渡さない。

せいぜい1960年代の技術だ。

それでも当時の車と比較出来ない安全性と快適性を合わせ持つ優秀な車ばかりだ。

特にカローラ、サニーと言った大衆向けは独逸のVWビートルを上回る欧州の足として戦中、戦後もヒットするのだ。


海軍艦艇が壊滅したアメリカ合衆国は独逸のヒットラー総統にホットラインを要請。

W・Hとベルリンの総統官邸にホットラインが繋がれ、伊太利、独逸、合衆国の米独伊三国同盟が結ばれる。

だが資源の尽きた合衆国には余裕も無く、独逸から資源を購入するしかなく、国民からは悪魔と交流するのかとユダヤ民族から不満も発生。

合衆国は大衆の不満を抑えつけるため、合衆国版ゲシュタポを結成。

民間人の銃器保持使用を禁止し、デモも禁止。

政府に不満を言う人間は矯正収容所に収監し、徹底的に洗脳する。

まさに合衆国最悪の暗黒時代の始まりだった。





「陛下、亜米利加は独逸、伊太利と同盟を結んだそうです。」


「合衆国の民には悪いが、千年の恨みもある。

我慢して貰おう。」


陛下も気持ちでは世界の民、全てを愛してあげたい。

だが現在は戦争だ。

優先するのは皇国のみ。

神となった陛下も万能では無いのだ。


「朕も出来る事に限界を感じる・・。」


「陛下!!いくら神となった陛下でも出来ない事は出来ないのです。

切り捨てる時は我々でもバッサリと切り捨てて結構です。

どうか国のためにも悩みだけは捨てて下さい。」


山本、可部の両人は陛下の側近として陛下の愚痴を聞き、悩みを解放しようと必死だった。


亜米利加は戦艦モンタナの量産に成功し、やがて太平洋に巨体を浮かべる事になる。


皇国は大和を主力と・・偽りつつ、深海の艦隊を増殖。

交戦も少ないまま太平洋の波は静かに一年を送り・・・。



「ワハハハハ・・。ニミッツ、ハルゼー。

見よ!!遂にモンタナが完成したぞ!!」


独裁者大統領となったルーズベルトは完成したモンタナに自信満々だった。

皇国海軍の主力戦艦ヤマトを軽く上回る10万トンの巨体。

30ノットの速力と50cm口径の四連層主砲。

強靭なアーマー。

全てが人間の作れる限界に達してた。

量産さえ無視すればいかなる巨体も可能だが、ドックの大きさの限界もあり、

モンタナクラスが人類の到達した最大の巨艦戦艦となるのだ。


「ヤマトよ、モンタナが貴様を海底に案内してヤル!!」


ルーズベルトは最大出力の短波放送で皇国艦隊に挑発を繰り返していた。






ようやく戦闘再開です。

欧州戦は経過で表現するのみです。

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