『元孤児院の同期』
まぁ、こんにちは。若い人とお話できて嬉しいわ。
ええ、ええ。カレンのことはよく覚えておりますとも。この歳になって彼女の話をする機会が来るなんて思わなかったわ。
こう見えて私と彼女は友達だったのよ。よく一緒に孤児院の庭を駆け回って泥まみれになっていたわ。
彼女は明るくて孤児にしては頭の回転も速くて、孤児院の子ども達のリーダーみたいな存在だった。
突然、貴族の方に見初められて出ていくことになった時は驚いたけど、まぁ彼女ならあり得るかもって納得したわね。
堂々と孤児院を旅立っていった日のことは今でもはっきりと覚えているの。ちょうど祝花祭の後で、まだ街には彼女の髪や目と同じ赤い花がたくさん飾られていたわ。まるで街中がカレンの門出をお祝いしているみたいだったの。
孤児院を出た後? そうねぇ……もう時効だろうし少しくらい話して良いかしら。
これ、他の人には内緒なのだけれど彼女とはこっそり手紙でやり取りしていたの。と言っても、頭の良かった彼女と違って私はろくに読み書きができなかったから、絵葉書ってやつを送り合っていたんですけどね。
わたしは基本的に自分で絵を描いて送っていたけど、カレンは色んな土地の絵葉書を送ってくれたわ。
それでわかったの。あの子、ちゃんと夢を叶えたんだって。
夢が何なのかですって? ふふっ、申し訳ないけれどそれは教えられないわ。プライベートに関わることですもの。
気になるなら調べてみて頂戴。あの子の正体を聞いたら、きっとびっくりするわよ。




