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第二編 第五章 その2 成金を論破

ルージンはつまらないこと、書くに足らないことをべらべらと喋った。

「いや、陳腐なことではない! もし私が『愛せ』と言われて愛した。それで何か生まれるのか?」


ルージンは続けた。


「私が服を半分に引き裂き、恋人と分け合ったとしよう。二人とも半分は裸だ。『数匹の兎を同時に追うと一匹も得られない』。科学は言った。まず第一に自分を愛せとな。何故かって? 世界の全ては個人的利益に基づくからだ」


ラズミーヒンは鋭く遮った。


「もうやめにしないか? 全部自己満足だろ? 自分の知識で自己紹介したいだけだろ? もう十分だ」


極めて尊厳の傷ついたルージンは虚栄心が慎重さを圧倒しつつ話題を変えようとした。賢い言葉を残したかったのだろう。


「……なるほど、実務的な議論ができないのは残念だ。だが、最近この近所で起きたあの『質入れ婆さんの殺人事件』をご存知かい?  最近は低級階級だけでなく、上級階級……インテリの犯罪も平行して増えている。もしあの婆さんを殺したのも文明人だとしたら、一体どう説明する? 一体、道徳や規則はどうしたのかね?」


僕は無意識に口を動かしたらしい。


「でもあんた。あんたは何を心配してるんだ? あんたの理論に従ったら、人を殺すことができる……」


僕は顔を青くして、上唇をピクピクさせ、苦しそうに息をしていた。


「全てには限度があるのだよ。殺人の招待をしたわけじゃないんだ」


「本当にそうか? あんたは花嫁、僕の妹に言ったんじゃないか? 彼女の同意を得たその時に。妹が貧乏で嬉しいと……なぜなら貧乏な妻を持つことは君が権威を振りかざせて有利。そして妹を支配し、そして恩を売ることが恩恵だとね」


「兄貴!」


ルージンは叫んだ。憎しみと苛立ちを隠せない彼は全身まっかっかで錯乱している。


「なんであなたはここまで思想を歪曲するんだ。あなたについての噂は耳にしていた。あなたのお母さんは立派な人だ。熱狂的でロマンチックな色合いを思想にもってると思ってたのに。でもそれは幻想だった! あの女がこんなに歪んだ形で理解していたとは。とても残念だ」


「聞けよ」


枕から身を起こし、鋭い輝いた目で睨みつけた。


「何、何を聞けと?」


「もしもあんたが、あんたがもう一度、そうもう一度だ。僕の母について言うなら、僕はあんたを階段から転がり落としてやる!」


ルージンは鯖のように青ざめ、唇と秒針を噛んだ。

ラズミーヒンはなだめるように叫んだ。


「どうしちまったんだよ! 落ち着けよ!」

「聞いてくれ兄貴、最初にここに入ったときから兄弟、あなたの敵意は察していた。なのにここに残った。あなたを知りたかったんだ。ただの病人なら許せたんだけどな…… 」

「私は病気じゃない!」

「じゃあなおさらだ……」

「悪魔のとこへ逝っちまえ!」


だがルージンはとっくに逃げ出してた。

ラズミーヒンは頭を抱えながら当惑していた。


「放っておけ、すべて僕を放っておけ! 僕をついに放っておくか、拷問者ども! 僕はあんたを恐れない! 誰も恐れない! 僕から去れ! 僕は1人でいたい、1人、1人、1人!」



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