伝説のリング
先王の子ハンソンは、今まだ8歳であるが王宮に仕える執事どもの信頼も厚く、おまけに院舎(貴族の通う学校)の15あるクラスのトップのクラスを毎回首席で終えており、院舎の女共からもモテモテなのだ。どんだけ勉強してもくそクラと呼ばれていたドベのクラスから抜けれなかったサムギョパソロと比べると、自分で自分が情けなくなってくる。執事のアルバレスもことある事にハンソンの行動を先王そっくりと言っては褒めるのだ。
(10歳で即位だと、あと2年しかないではないか)
やっと声が出るようになった気がしたので、すぐ取り下げるよう要求しようと思ったが、その時には大臣共はもう誰もいなくなっていた。
(くそー、やられた)と思い、近くにいたアルバレスを睨みつける。素知らぬ顔である。
(こいつも知っていたのではないか)と考えると無性に腹が立ち、会議室の壁に八つ当たりした。その様子を地方長官や執事共が哀れむような顔で見てくる。どうしようもない怒りをまた壁にぶつけていた。
今日はちょうど月に1回慣習で決められている歴代の王の墓参りの日である。
正直、気持ち的にはそれどころではないのだが、反抗する気力も湧かず、大人しく馬車に乗った。
馬車に揺られながらふと目をあげると、禍々しげな祠がポツンと居所悪そうにあり、そこから何かまばゆい光がする。
「おい、アルバレスあの光はなんだ?」
「はぁ、光なんてものは見えませぬが」
案外、とぼけているわけでもなさそうである。馬車を急遽停めさせ、祠に近づいてみる。近づけば近づくほど、光は強くなっているようだ。祠に着く頃には、まぶしすぎて何も見えないほどの光になっていた。
その時、突然大きな声で何かが話し始めた。
「国王、サムギョパソロよ、そなたにこのリングを授けよう。そなたの好きなように使うがいい」
「おい、どういうことだよ!」
こちらも負けじと聞き返したが、何も反応はなく、あの光も無くなっていた。
いや、それだけではない。大きな木の箱が突如出現し、そこから動物のようなうめき声がするのだ。そのうめき声はどんどん大きくなっていき、とても苦しそうなのだ。
尋常じゃない雰囲気を感じたサムギョパソロは急いで木箱を開けようとしたが、開かない。どうやら鍵がかかっているようだ。




