笑顔。
「父母参観?」
「うん、来週の頭にやるんだって。ヤマトだけじゃなくて学校も色々と変わってきたから、どんな感じかを父母に見せたいって先生が言ってたよ?ハルちゃん聞いてた?」
「へー。」
父母参観か……
……
……
「父母参観?私はいいよ、母さんがいるだろ?リアー、聞いたかー?」
「そうやって子供に向き合わないとろくな死に方しないのよ?一人寂しく朽ちてくんだから。」
「私みたいな年寄が行っても仕方ないだろう?」
「そうね、そんなハゲ散らかした父親殆どいないわよ。みっともない。いっそ全部剃れば?」
「私の財産だぞ!?」
「ふん。もういいわ、他に頼むから。」
「他って……大体君がいるだろう?」
「私は一応教師として学校にいるんですから。公私を分けなさい。」
いや、それ母さんの言える台詞か?
「ハルもそう思わよね?」
「ソ、ソダネ……」
「とにかく、あなたには頼みません!」
シュンッ
「やれやれ……」
……
……
『という訳で父母参観日ですね!』
母さんは結局誰に頼んだのかな。
「あ、私のパパとママ来たよ!ハルちゃん、あそこ。」
「おー、ママはルイそっくりで可愛いな。」
「ふふっ、そうかな?」
「おーいハルちゃーん!!」
「おっ、おじいちゃん!?」
「ハルちゃんの家族代表で来たよ!いやー、地球とか久しぶり!この地に足が着く感じが慣れないね。」
ピンク色の髪の毛、2メートル超えの身体。
巷で噂の宇宙の民。
教室内がざわめく。
「今日はハルちゃんの生活、バッチリ見ちゃうからねー。あ、皆さんハルちゃんのおじいちゃんでーす!ヨロシク♪」
うん、紛れもなく母さんの父親だな。
マクシルは大丈夫かな……
「私は平気。ハルがいればいい。」
「マクシル……」
「マクシルー!母さん来たわよー!マクシルママのリアでーす♪」
「なっ……母さん?何してるの!?」
「何って、今日はマクシルのMammy役よ?マクシル頑張ってねー!」
「Mammy……」
「……って事はラウラには誰が来てるの?」
「それは勿論───」
……
……
「……」
「なっ、なんでアナタがいるのよ!?」
「仕方ないだろ!リアさんから頼まれたんだ!」
……
……
「はーい、じゃあこの作者がどんな思いを込めて書いたのか、勿論想像で構いません。誰か答えてくれる人ー?」
みんな気まずいからか手を挙げない。
父母参観ってのはどこも似たようなものだ。
「ハルちゃーん!‘’殺めたい程愛している‘’だよ!ラブロマンスの定番だよ!」
「何言ってるのパパ!‘’愛は不平等‘’よ!マクシル!答えなさい!」
嗚呼、恥ずかしい。
っていうかこれラブロマンスなのか?
クスクスと笑い声が聞こえる。
「お父さん、お母さん、ちょっと静かに……」
「ワシはアンタのお父さんじゃない!この愛するリアちゃんのお父さんだ!」
「パパ……」
面倒くさい親子だ……
まぁ俺もその内の一人である。
……
……
「それでは、親子で制作活動をして下さい。高校生活最後の年なので思い出ある物を───」
「……」
「……」
……
……
「それじゃあイクス訓練を始めます……まずは───」
担任の姉ちゃん先生は、二人を相手に疲労困憊の様子だ。
「ハルちゃーん!この前のアレでブッちぎっちゃって!!」
「マクシル!隕石くらい落としちゃいなさい!」
「あの二人手がつけられないな……」
「なんだか凄いね。でもハルちゃんのおじいちゃん楽しそう。」
「ワシなんか星の一つくらい簡単に落とせるよ!ぬおぉぉぉお!!!」
「リア先生のお父さーん、星は落とす物ではありませーん、やめてくださーい!」
「私だって負けないんだから!他の星で契約してあるドラゴン呼んじゃうよ!いくよーー!!」
「リア先生ー、ドラゴンを呼ばないで下さい!キャーーー!?」
カオスだな……
仕方ない。
気持ちを落ち着かせる。
あれから分かった事がある。
おじいちゃんから貰った力、あれは俺の心とリンクしている。
そしてその心の様子で色が変わる事。
「あの二人を止める。出てこい!」
{よしキタ。言霊を響かせな。}
そして俺の言葉がエネルギー、言霊となり力を発揮するらしい。
言葉選びで変化するユニークな力。
その場のノリで行動する俺にはピッタリだ。
「俺の楽しいJCライフを邪魔しないでくれ。みんなと仲良くしたいんだ。みんなの笑顔を近くで見ていたい。」
{いいね、いい色だ。}
「俺は普通のJCハルちゃん。平和的にいこうぜ。」
俺を纏うエネルギーが大きく揺らめく。
それは次第に緑色へと変化する。
{緑は平和の色。キミの一族のシンボルカラーだ。}
「そっか、だから瞳の色が……」
{さあ、牧歌的な技名でいこうよ。}
「牧歌的……」
『ハル様、アル○スの少女です!』
{いや、ムー○ンだね。}
〜5分後〜
「やっと決まったか。ドラゴンが暴れまわってるんだから早くしてくれよな。」
『ではハル様、お願いします!』
「アルプスの谷でアライグマとブービエ・デ・フラン○ースが出稼ぎに出ていった母を尋ねるために赤毛の少女と共に銀河鉄道に乗る、だな。……無理だろ!?なんでそんなに詰め込むんだよ!引き算してくれ!」
{文句を言うな。早くしろ。}
「ったく……行くぞ!‘’口笛吹けば喚び出されるはR&P!千里の道も9○9BUSTER!!!」
{残念、そっちの鉄道じゃない。67点。}
『ハル様!谷と赤毛が抜けてますよ!82点!』
「善処した方だろ!!文句言うな!」
緑色のエネルギーは巨大な植物のように動き出し、母さんが召喚したドラゴンを抑え込んだ。
「母さん!何やってんの!早くこのドラゴン送り返して!!」
「この子が自分の意思で帰ろうとしない限り無理なのー。」
「なっ……どうすりゃいい?」
{手をかざし、祈るんだ。そしてあの竜へとキミの気持ちを伝えな。この力なら可能だ。}
言われた通り、手をかざす。
巨大なエネルギーがドラゴンを優しく包み込む。
(急に喚びだしてごめんね、ここは暴れる所じゃないんだ。みんなで仲良くする場所。君が強いのは伝わったよ。来てくれてありがとう。それから、これはお詫び。)
ドラゴンに近づき翼にキスをする。
(ね、また今度遊ぼう。いいかな?)
ドラゴンがこちらを見つめてくる。
「……!帰る意志があるみたい!ハル、送り返すから離れて!」
(またね。)
お辞儀するとドラゴンも律儀にお辞儀をし、消えていった。
……
……
「いやはや、面目無い。おじいちゃん、ハルちゃんの学校生活が見れて興奮しちゃって。」
「ごめんねハル、母さん楽しくなっちゃって……てへ♪」
「まぁなんとも無かったから良かったよ。おじいちゃん、来てくれてありがと。」
「こんなおじいちゃん、許してくれる!?」
「許すも何も……大好きなおじいちゃんだよ。」
「ピョーーーーー!リアちゃん!聞いた!?聞いた!?」
「よかったねパパ。」
「みんなで写真撮るんだってさ。おじいちゃんも母さんも一緒にね。」
「リアちゃん、ワシどう?かっこいい?写真なんて久方ぶりだよ。」
「パパはいつでも格好いいよ。」
「……父さんもいればよかったのにな。」
「ハル……あ!ハル、教室の入り口見てご覧。」
「えっ?……あっ!」
そこには慣れないスーツを来た父さんが立っていた。
「父さん!来てくれたの?」
「ん、まぁね。その……子供の行事だし。」
「父さん……」
「お主また禿げたか?リアちゃんには似つかわしくないぞ。」
「無いものは仕方ないんですよ、お父さん。」
「じゃあ撮りまーす!みんな笑ってねー!」
家族がこんなに増えて。
父さんのぎこちない笑顔も、母さんの眩しい笑顔も、おじいちゃんの優しい笑顔も。
みんな大好きだ。
家族っていいな。
……
……
「ラウラさんのお父さーん、もっと笑って下さーい!」
「……ニッ」
クスクス……( ´,_ゝ`)プッ
「ほら、お父様笑われてるわよ?……プッ」
「くっ……なんでこんな目に……」




