心意気。
ヤマト地区が独立して、2週間が経った。
ヤマト地区から出ていく一般人は1割にも満たなかったが、文明人は3割ほどヤマト地区から去っていったらしい。
その代わり、他の地区から一般人が詰め寄り、全世界の3割程の一般人が今ヤマトにいる。
文明人の数も徐々に増え始めているみたいだけど、ヤマトの人達を悩ませる存在。
それがこの目の前にある球体だ。
以前俺が全力を出して破壊したが、その時の映像が流出し、人々を不安に追いやった。
世界最強のハルるんが全力を出してようやく破壊出来る。
では相手がより強力になったら?
そしてその不安は的中する。
以前よりも破壊的な力をつけ、ヤマトにやってきた。
透明性を持たせるという事で、俺達の戦いは毎回全世界にライブで流れるらしい。
つまり……
いや、そんな事が無くても──
「負けらんねぇよな。俺の方が強い、負けない、負けられない。」
「ハル、気をつけなさい。いざとなったらパパに頼むからね。」
「……でも、おじいちゃんは関係ないよね。これは俺達地球の問題だし……カッコ悪い所、見せられないよ。」
「ハル……出来る限り頑張りなさい!ダメなら次を考えましょう。」
「大丈夫。母さん、俺に任せてよ。」
───
───
「おじいちゃん、おじいちゃんがくれた力って、どんな力なの?」
「ふっふっ、それはな、ワシにも分からないんだ。」
「えっ!?一家相伝なのに?」
「その力は……どうやら意思があるみたいで、人を選ぶんだよ。」
「人を選ぶ……?」
「うん。でもハルちゃんは力を貰った時、何ともなかったでしょ?つまり、ハルちゃんを受け入れたって事なんだ。あとはその力がどう作用するか、それはその力が発動しないと分からない。」
「うーん、今のところ発動した感じはないけど……」
「……その力はね、ハルちゃんの魂と呼応しているんだよ。何か……ハルちゃんの魂が震える出来事があれば発動するかもね。焦らなくても大丈夫、ハルちゃんなら出来るよ。」
「うん、ありがとうおじいちゃん!」
「いざとなったらおじいちゃんを呼びなさい。おじいちゃんが助けてあげるからね♪」
「……大丈夫、俺がやる。おじいちゃんは……この銀河で一番強かったんでしょ?」
「ふっふっ、今でも一番だよ?」
「だったら……俺は銀河一の孫だから。絶対に負けないよ。」
「ハルちゃん……」
「あれっ?今体の中で何かが……」
「……どうやらハルちゃんの意気込みに反応したいみたいだね。もしかしたら……ハルちゃんの心意気が鍵かもね。」
「心意気……」
───
───
俺の心意気。
正直、よく分からないけど……
分からないけど、これだけは分かる。
負けられない。
守りたい。
俺が弱いから、みんなを不安にさせる。
だから……
{本当にそれだけ?}
……違うよ。俺は……
{素直になれば?欲張りさん。}
……っていうか誰だよ。
人の心に……心……
そうか、お前は……
{このワタシの宿主なんだ。華々しくデビューしてくれよ。}
……頼む、力を貸してくれ。
俺はこの星を、みんなを守りたいんだ。
{違う違う。もっとカッコよく、激しく、情熱的で暴力的。声に出しな、キミの言葉で、ワタシの力は変化する。}
声……変化……
{ワタシの名前と共に、宣言するんだ。}
名前って……教えてよ。
{キミは知ってる、ワタシの名前を。ワタシはキミ、キミはワタシ。運命的だと思わない?}
…………ははっ、そうか、そういう事か。
そうだな、確かにこれは……
【かつて文明人が唯一恐れた存在それが───なんて名前で登録したの!?───アナタ様の名前を登録します───決めた!俺の名前は────】
「……っ!!!ハルッ!!??」
「俺は……」
{さぁ!轟かせよう!}
「俺は強い!この世界で誰よりも!」
{もっと情熱的に!}
「空が、海が、花が木が、生き物が織り成すこの世界が愛おしい!」
{もっと暴力的に!}
「俺の守りたいモンを、俺の世界を壊そうってんなら……俺がその前にぶっ壊す!!」
{叫べ!ワタシ達の名を!!}
「聞け!!俺は……俺達は ‘’繝上Ν‘’ !!」
{仕上げだ。}
「俺が、俺達がこの宇宙で一番だ!」
膨大なエネルギーが俺を包み込む。
情熱的で暴力的なエネルギー。
それは赤く色帯びる。
メラメラと燃え上がる炎の様に。
その証として、俺の目が赤く染まる。
「俺は銀河一の孫、世界最強の娘。さぁ、かかってこいよ。」
『きゃーーーー♡ハル様ーーーー!!!かっけーーー!!』




