母親。
「ハル、ハル起きなさい。今日はモデルの仕事があるんでしょ?」
「んー……もうちょっと寝かせてよ……」
「ご飯出来てるから顔洗って来なさい。いいわね?」
バタン!
「……ん?今の……誰だ?」
……
「みんなおはよー……zzz」
「ハルちゃんおはよー!」
「おはよう、寝癖ついてるわよ?もう、しっかりしなさい。」
「ハル寝坊助。」
「……そうだよな、3人だよな……」
さっき起こしてきた人は……誰だ?
なんか可愛かったな……
「ほら、椅子に座って。みんなご飯食べ終わったのに……何?顔になにか付いてる?」
「……いや……っていうか……え?誰?」
なんか見覚えがあるような、ないような。
こんな美人なお姉さん、いたっけかな?
「失礼ね、あなたの母親ですけど?」
「……な、え……えぇぇえ!?」
……
……
「そんなに驚く事ないでしょう?ピンク色の髪、緑色の瞳、ねっ?あなたの母親でしょ?」
「いやいやいやいや……えっ!?おかしいだろ……だって昨日まで……ばっ、婆さんだったじゃん!!」
「もう、失礼ね。若返りしないとって言ったじゃない。」
「そういうレベルか!?」
「なんだね朝っぱらから……!?誰だ!?」
「ホラな。」
「妻の顔すら忘れたか、このハゲめ。」
「失礼な!私の妻はこんなに若く無い!もうババアだ!」
シュンッ
「動くな、動くと残った髪の毛を根こそぎ引き抜く。」
「……我が妻リアよ、今日も美しいな……」
「一体どうなってんだ?」
……
……
「リアはな、昔からよく分からない物を色々持っていて……例えばルイ君がつけている指輪、それなんかもリアから貰った奴だろう?」
「そうです。」
「それはね、この星の物ではないの。宇宙の民が作った物。そして今回もそうなんだけど……企業秘密よっ♪」
「お義母様、喋り方まで若返ってる……」
「だって……じゃろ?とか、でな?とかこの顔で言っても変でしょ?」
「しかしリアよ、中身はババアなんだから──」
シュンッ
ブチッ!ブチブチッ!!
「ぎゃぁーーーぁーあー!!?!!?」
「ふん、このハゲめ。」
『ハル様、そろそろお仕事に行かないと……』
「そうだな、ご馳走様でした。母さん、美味しかったよ。」
「……」
「母さん?どうした?────!?」
母さんは急に俺に抱きつきキスをしてきた。
「かっ、母さん!?」
「娘に美味しかったよ、なんて言われて……母さん感激!……決めた!今日はハルのお仕事に付いていくわ!」
「ま、まじで?」
「大マジよ!さーて仕度しなきゃ♪」
「……昔からこんな感じなの?」
「あぁ、振り落とされないようにするだけで精一杯だったよ。」
『ハル様、我々も仕度を!』
「そうだな。」
……
……
「ハルチャーン、今日は何時もヨリ色気がアルネー!!オッパイもオッキイヨ!」
「ジョロさん、それ俺の母さんなんだ。」
「ふふっ、娘がお世話になってまーす。」
「イイヨイイヨー!二人で撮ろッカ!!」
……
「ハルるーん、あれ?なんだか背が伸びたかしら?それにおっぱいも!あらあら。」
「シェーナ、それ俺の母さん。」
「ハルるんの母、リアりんでーす!」
「あらあら!ふーん、使えそうね。今度お母様もお仕事ご一緒にどう?」
「モウ撮ったヨ!最高ネ!」
「そう、じゃあお疲れ様。ハルるん、明日も宜しくね。」
「おう!じゃあな、シェーナ、ジョロさん!」
シュンッ
「今後とも娘を宜しくお願いします!」
シュンッ
「あらっ、二人してそれ使えるのね。いいわね、親子って。」
……
……
予定より早く終わり、せっかくなので母さんと街をブラブラする事にした。
「母さん、どこか行きたい所ある?」
「そうね……小腹が空いたかな。」
「ははっ、俺も。あっ、あそこのベーグル屋、美味しいんだよ。俺並んでくるね!」
「……元気ね、ハルは。」
『嬉しいんですよ、ハル様にとって初めての母親とのお出掛けですから。あんなに子供みたいな顔をするハル様は初めてです。』
「……私も嬉しいわ。私の事もヒロの事も、そしてあの子の事も、全て受け入れてくれて……ううん、そんなんじゃない。ハルが娘で良かった。」
『いいですね、親子って。』
「ふふっ、いいでしょ?」
「母さーん、どれにするー!?」
「はいはーい、今行くよー!」
……
……
誰もいない森の中に来て親子水入らずの時間を過ごす。
「ほら、口についてるよ……はい、取れた。喉渇いてない?そこ日向よ、こっち来なさい。」
「か、母さん……」
「ごっ、ごめんなさい、年頃の子の接し方とか分からなくって……」
「いや、俺もはしゃぎすぎちゃったかな……ごめん……」
「ハル……」
「でも、すっごく嬉しいよ。ありがとう、母さん。」
「……」
「母さん?」
力強く抱きしめられる。
テレパシーなんか使わなくても伝わってくる思い、感情。
俺も同じように抱きしめる。
「……もう少しだけこうさせて。」
「……大丈夫だよ、俺……どこにもいかないから。ずっと一緒にいるよ。だからさ……」
「ん?なぁに?」
「母さんも……どこにもいかないでね。」
「!……うん……うん。大丈夫。ずっと、ずーっと一緒よ。」
「母さん……」
「可愛いわね、ハルは。食べちゃいたいくらい。キスしちゃおっかな。」
「何言ってるの、親子でしょ?」
「いいじゃないちょっとくらい。ね?」
「いやいや!ちょっと!?母さん!?っ──。」
『いいぞいいぞー!やれやれぇ!』
「ふふ、なんかいけない事、してるみたい。」
「いけない事だけど!?」
お互いに、足りないものが満たされて。
寂しかった期間の分だけ、溢れ出て止まらないのは分かるんだけど……
それでも、その行き過ぎた愛情も嬉しくて。
「母さん……駄目だって……」
「あら、身体はそうは言ってないけど?」
『んほぉ〜堪んねぇ……』
どうして俺の周りにはエッチな人しかいないんだろう……
「あなたがそうさせてるのよ。いただきまーす♪」
「ちょっと母さん……っ────」
親子ってみんなこんな感じなのかな。
考えるのも面倒なくらい愛されて……
「ハル、大好きよ。あなたが娘で良かった。」
「ハァハァ……それ……今言う台詞?」
「あら、嫌だった?」
「……俺も母さんが母さんで良かったよ。ありがとう。」
「キャー嬉しい!よーしもう一回戦!」
『絶頂!!』
「誰か止めてくれ……」




