卵かけご飯。
「ハルるーん今日は一段と良い顔してたじゃない!何か良い事でもあったのかしら?」
仕事終わりにシェーナが聞いてきた。
「ちょっとね。じゃあ先に帰らせてもらうよ。」
「1杯どう?良いお店あるのよ?」
「俺14歳なんだけど……」
「そうかしら?ハルるんの中身は30くらいだと思ってるけど。」
鋭い……
「冗談よ!またシュンッて帰るんでしょ?あれどういう理屈?」
「俺にも分かんない。ほら、理屈じゃない事ってあるでしょ?」
「うふふ、ハルるんのそういう所大好きよ。じゃあね。」
「ありがとう。俺もシェーナの事好きだよ!じゃーな!」
シュンッ
「そうそう、理屈じゃないのよね。」
……
……
「ただいまー。」
朝いたルイの部屋に戻ってきた。
「ハルちゃん!待ってたよ、お疲れ様。」
「お待たせ。」
ルイとゆっくりしたかったのだがヒロから連絡が入る。
「どうした?」
「どこにいるの!明日は学校があるでしょ?泊まるなら早めに言ってよね!下着持ってる?迷惑かけちゃダメだよ!」
……子供か。
するとルイがモニターの前に来た。
「はっ、初めまして!私ハルちゃんと、その……仲良くしてますルイです!ハルちゃんが迷惑とかそんなの思った事もないので……」
「キミがルイ君か。よくキミの話を聞いてるよ。うちの子、普通じゃないから大変でしょ。」
人をなんだと思ってるんだ……
「……ハルちゃんは……よく笑って喜んで、たまに泣いて、もし私が普通なら……ふふっ、私と同じ普通の女の子ですよ?」
(ナルホド、流石にサクラが選んだだけの事はあるという事か。)
「そうか、色々あると思うけどうちの子を宜しく頼むよ。キミの料理が美味しいって聞くから今度はこちらに来て是非作って貰いたいね。」
「ふふっ、いつでも呼んでください。」
「お邪魔虫はとっとと消えようかな。じゃ、サクラ二人を頼んだよ。」
『はいはーい…………まったく、喧しい爺ですね。』
「まぁまぁ、ヒロがいるから俺はこうしてここにいる訳だし。」
『しかしハル様を選んだのはこの私!そう!この私!!』
「感謝してるよ。ありがとう、サクラ。」
『ふっふー♪』
そう、俺がここにいられるのはみんなのおかげ。
何か一つでも欠けたら叶わなかった事。
そうしてみんなに出会えた。
「よし、今日は俺がご飯作るよ。」
「ホントに?わーい、楽しみ♪」
「あんまり期待しないでよ?」
サクラが俺を選んでくれた事。
俺が禁止された言葉で名前を登録した事。
遅刻したおかげでたまたまルイに出会えた事。
幾つにも折り重なった偶然で今が出来ている。
……偶然にしては出来すぎているな。
となると……
「んー♪ハルちゃん!この卵かけご飯っていうの美味しいね!」
「そういう運命なのかな……」
「ん?どうしたの?」
「いや……どうして卵かけご飯は美味しいのかなって思ってさ。」
「ふふっ。理屈じゃない事もあるよね。」
「……そうだな、俺もそう思う。」




