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ブッチギリ。


「おっはよーヒロ。」


「おはよう、やけに機嫌がいいじゃない。何かあった?」


「明日から文化祭なんだよ、いやー楽しみでさ。」


「へぇ、何かやるの?」


「喫茶店、俺はウェイター。ほら、この服どう?」


 ピンクのスカーフに茶色いエプロン。

 桜の木をイメージした。


『ダーリン……』


 まさにウェイターという感じだ。


「可愛いじゃない、頑張ってね。」


「おう、遅刻だ遅刻。行ってきまーす。」


 ……


「平和な子だなぁ……あれくらいが丁度いいのかもね。」


 ……


 ……


「みんなおはよー。」


「ハルさん、おはようございます!」


 俺たちの部室小屋は現在外にデッキを作って改装中だ。

 なにせ人手が増えたからな。


 オルシェイン派だった20人はそのまま俺の所で預かる事になり、せっかくなので同好会に入れた。


「いいかお前達、笑顔が大切だからな。ニコニコして接するんだぞ?」


「うす!!」


 すると小屋の横から黒い煙が上がった。


「ハルさーん、いるんすかー?ちょっときてくださいっすー!」


 何事かと思い向かってみる。


「なんだ、どうした?」


「ハルさんまた真っ黒っす……これどうやったらいいんすか?」


 先日外にピザ窯を作った。

 明日のメニューにいれようと思いゲスに焼かせている。


「こんな原始的なやり方……これで美味くなるんすか?」


「なる。ちょっと俺がやるから見てろ。」


 ゲスにやり方を指導する。

 明日までに間に合えばいいが…… 


「ハルさん今日の服可愛いっすね。」


「いいだろコレ。」


「うーんなんか足りないんすよねー……」  


「なになに?」 


「あっ……なんでもないっす……」


 ゲスが目をそらす。

 その前にチラッと俺の胸の方を見ていた。


「……悪いな、ぺったんこで。」


「そんなつもりじゃ……あーハルさん焦げちゃうっす!」


「ハルちゃーん!」


 小屋の中からルイの声が聞こえる。


「どうした?」


「ケーキ作ってみたんだけどどうかな?」


「わー美味そう。無理言ってごめんね、ルイ。」


「ううん、お菓子作るの好きだし……それに……」


「ん?」


「はい甘いのはケーキだけで充分。ハル、掃除する。」


 そう言ってマクシルは箒を渡してきた。


「いや、機械でやれば……」


「ハル原始的なの好き、だからコレ。」


 原始的……


「ハルさーん!火が収まんないっすー!」


「ハルさんちょっと見てほしいんですけど……」


「ハル掃除する。」


「良かったら食べてみて?」


『ダーリン……』


 ……とりあえず一つずつ片付けよう。


 ……


 ……


 作業も落ち着き始めみんなで一服する。


「ハルさんなんでこんなにやる気マンマンなんすか?」


「良くぞ聞いてくれた!この文化祭で満足度No.1になったらその団体に第6地域の宿泊券が貰えるんだ。」


「えっマジっすか!?第6地域ってヤマト地区最大の観光地じゃないっすか。」


「な、だからみんな頑張るぞー!」


 男20人余りの雄叫びが周囲に響き渡った。


「なんだかワクワクしちゃうね、頑張ろうね。」


「あ、そうだマクシル、その宿泊先も古代風呂があるっていうから今度こそ一緒に入ろうな。」


「ハル……ありがとう。」


 照れながらもお礼を言う。


 すると男達はヒソヒソと話し始めた。


(今日のハルさんの服可愛いよな。)


(俺はルイさん派だな。)


(いやマクシルさんの神秘的な所も捨て難いぞ?)


(あの3人距離感が近いよな、どんな関係なんだろう。)


(そりゃお前……3Pだろ?)


(やっぱりそう思う?だよなー……やっぱハルさんが攻めるのかな?)


(いや、ああ見えてベッドの上じゃルイさんが……)


(しかしハルさん強さも可愛さもブッチギリだけどなんか物足りないよな。)


(胸と尻がなぁ……)


(おう、何話してんの?)


(ハルさんの胸と尻が寂しいって話だよ。げっ!?ハルさん!?)


「お前達、炭になりたいの?」


「いえ……その……今日も可愛いですね!」


「当り前だろこんにゃろう!俺だってな、あと何年かすればボンキュッボンだからな!」



「みんな楽しそう、凄いなハルちゃんは。」


「……自分昔はオルシェイン派にいたんすけど、そのトップがまぁ偉そうな態度してたんす。普通に話すなんて無理でした。部下を道具としか見てなかったんすよね、きっと。」


「そうなんだ……嫌だったね。」


「ハルさんはなんていうか根本的に違うんすよね。強い弱いとか関係なく同じ目線で接してくれるんすよ。それが嬉しくて……アイツらもきっと同じっすよ。みんな自然と好きになっちゃうんすよね、ウチのボスを。」


「……」


「あの人の為なら頑張れるんすよね、頑張るなんてカッコ悪いって思ってたのに。あの人の作る世界を一緒に見てたいんすよね……ハルさんに言っちゃダメっすよ?照れくさいっすから。」


「うん、言わないよ。約束。」


「おーいゲスも来いよ、ゲームやってるからさ。」


「やるっすー!ハルさんゲーム弱いっすからねー。」


「今日は勝つ!」


「ゲス負けろ。」


「ちょっとマクシル、物理的な攻撃はなしっすよ!?」


「みんなでハルさんを応援するぞ!かかれー!」


「ちょっと!そんな大勢で──」



「……ふふっ、私も好き。」

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