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SAKURA・LOVELOVE・BUSTER

挿絵(By みてみん)


 昨日の爆発事件で遠足の夜は散々だった。

 そのままバスに乗り学校まで帰る事になり、学校の敷地内で夜を過ごした。


 おかけで3日間休みになったけど……もっと楽しみたかったな。


「くそーつまんねー……」


 そういいながら家でゴロゴロする。


「まぁ仕方ないでしょ、はいこれ新しいの。」


 そう言ってヒロはリストバンドを渡してきた。


「何これ。」


「手袋の代わり。特製スーパージャマー付だから今度は察知されないと思うよ。」


「おーありがとう、これで普通の女の子だな。」


「君が力を使う時だけジャマーが切れるようになっている。優れものだろう?」


「じゃあ力の制御はこっちでしなくちゃいけないのか……ちょっと試してくるよ。サクラ、行くぞ。」


『サクラ、いきまーす!』


 シュンッ!


「全然普通の女の子じゃないよね。」


 ……


 ……


『という訳で奥深い山の中に来ました。』


「よーし色々試すぞ。まずは力の制御だな。」


 上空に向かって飛礫を放つ。

 が、とんでもない量だ。


「……かるーくやらないと駄目か……」


 徐々に力を落としていく。


「ふんふん、こんな感じか。よし次は……」


 バトル漫画であるような手から巨大なエネルギー波を出す。


「うーん、どんなイメージがいいかな。」


『ハル様、ここは一つ技名を叫ぶなんてどうでしょう。』


「お、いいな。技名か……」


『“SAKURA・LOVELOVE・BUSTER“なんてどうでしょう?』


「お前の願望だろそれ……いちいちそれ叫ぶの?」


『一回だけ……』


「……一回だけだぞ?」


『ドキドキ。』


「サクラ!ラブラブバスター!!」


 と同時に手から大量のエネルギー波が放射状になって放たれる。

 まるで桜の枝の様だ。


「おー綺麗だな。」


『まさにハル様の私に対する愛のように……』


「よし、次。」


『もう、照れちゃって。』


「ハルちゃん……ブラスト!!」


 今度は掌底突きをしながら出してみる。

 放たれたエネルギー波はまるで波○砲の様だ。

 そのまま遠くの山を破壊した。


「うん、イイね。」


『SAKURA・LOVELOVE・BUSTERは……』


「それ敵の前で言うんだろ?どうなの?凄いシュールだと思うんだけど。」


『是非最終局面で使用して頂ければ……』


「帰るぞ。」


 ……


 ……


 せっかくの3連休なので、街に繰り出す事にした。


「二人で外出ってのも久々だな。」


『ちゃんと私をカウントして下さるとは(´;ω;`)ウッ……』


 この世界にも大分慣れてきた。

 環境にも友達にも恵まれているから寂しいという感覚もない。


「この辺に大きい公園あったよな、そこでパンでも食べるか。」


 仕事をする必要はない。

 何かに追われているという感覚もない。


 勿論やらなければいけない事は多いが……


 パンを買い公園のベンチで一息つく。


「俺の役目が終わったら俺は何をすればいいのかな……」


『私との熱い生活が待ってますよ。』


「ははっ、だといいんだけど。」


 何もせずにただひたすらと時間が過ぎていく。


「……平和だな。」


 子供達のはしゃぐ声、鳥のさえずり。


「平和。」


 小枝が揺られる音、マクシルの声。


 ん?


「うぉっ!?マクシル?いつのまに……」


「さっきからずっといた。ハル何してる?」


「この世界を肌で感じてた……かな?」


 全然気が付かなかったな。

 今アンドロイドに襲われていたらやられていたかもしれない。


「マクシルはどうしてここに?」


「散歩、あとハル探してた。」


「そっか、見つかって良かったな。」 


 昨日の事を思い出し少し顔が熱くなる。


「……ハル照れてる。」


「ちょっとね……よし、どっかデートするか?」


「する。」     


 しかしこの世界、どこで何をすればいいのやら……

 マクシルは目が見えないし……

 あれがあるか。


 ……


 ……


 以前怒られたヴァンのレンタル会社。何だかんだあってあれ以来仲良くなった。


「おっ、ハルちゃん!今日も乗ってく?」


「うん、いつものヤツある?」


 ヒロに頼んで偽造免許を作った。

 これで好きに乗れる。


「ん?今日はいつもの子じゃないんだね。」


「今日は違う友達、マクシルっていうんだ。」


 ルイとこっそり乗っていたのが分かったのか、マクシルは不機嫌だ。


「ハルちゃんカッコ可愛いからねー、よっモテ女。」


 煽るなよおっちゃん……


「ハル好き。私が一番。」


「いいねハルちゃん、青春だね、はい鍵。」


「ははは……ありがとう、じゃ行ってくるよ。」


 力で空を飛ぶことは出来るがヴァンに乗る方が断然気持ちいい。


「どうだマクシル、気持ちいいだろ?」


「空を飛んでる……」


 どうにも緊張している様子だ。


「風を感じるだろ?見えないかもしれないけどこの風は俺達が共有してる、俺とマクシルの繫がりだ。そう思うと嬉しくない?」


「……嬉しい。」


 そう言って俺にしがみついてきた。


「ここから見る景色が凄い綺麗なんだよ、日が暮れ始める頃が最高でさ──」


「ハル……」


「遠くに高い建物あるんだけどアレ───」


「……」


「この前第4地域の夜景見たんだけどそれが──」


「ハル、私見えない。」


「ん?何が?」


「私目が見えない。言っても無駄……」


「……一緒に共有したいじゃん。見えなくたって言わなきゃ伝わらないし……俺が見て感じた事を伝えたかったんだ、マクシルに。」


「……不思議。私にそんな事言う人いない。だって見えないから。でもハルは違う。見えない私を見てくれる。」


「そんな大層な事じゃないけどな。」


「……ハル、こっち向いて。」


「ん?どうし──」


 マクシルと唇で繋がる。


 時が一瞬止まった。


「ハルの一番、貰った。」


 頭が追いつかない。


「ふふ、ハル好き。」


『キィーーーー!!黙って見てればこの娘!!ハル様、早く画面にキスして下さい!!』


「勝った。」


『悔しーー!!ハル様、私に処女を!!アンドロイドに私をぶち込んでハル様の処女を!!』


「なっ……なんの話してるんだよ……」


『うぇーーーん悔しいよーーー。』


「泣くなって……ほら、目の前に来い。」


『ぐすん……』


 泣き顔が表情されてる部分に口づけをした。


「な、俺からしたのは初めてだ。これでいい?」


『……良き。』


「ハル、私にも。」


「いやもう勘弁してくれ……」


『ハル様、今度は舌を!!』


「あーー、もう帰るぞ!!」


 何だかんだあったが濃い一日だった。

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