おぉ神よ。
「これ可愛いー、どう?ハルちゃん。」
「あぁ、いいんじゃない?」
よくわからない生き物のキャラクターのぬいぐるみを見てルイが喜んでいる。
それは牛なのか?パンダなのか?
バスから降りた場所は巨大な公園だった。
そこで2時間程自由時間になったので街に繰り出し散策している。
第4地域。
ここは都市と自然が入り交じる神秘的な街だ。
ちなみに俺達が住んでるのは第2地域らしい。
「この街、なんか綺麗だよな。森の中に都市があるみたい。」
「ここはね、大和地区で森の都って呼ばれてるんだよ。」
森の都ね……森と杜って何が違うんだろう。
『杜絶、神社は門を閉ざし周りとの空間を断ち切ります。そういった事から神社の木立の事を杜と呼ぶそうです。諸説ありますが。』
「へー、サクラ何でも知ってるんだな。」
『ふふんっ♪』
ぐー……
腹がなる。
朝は食べてないし、お菓子は分けちゃったからあんまり食べれなかったし……
腹減ったなぁ。
「……ハルちゃん、どこかでお茶する?」
「えっ?するする!」
「ふふっ、昨日調べたの。こっちだよ。」
おぉ神よ……
……
……
「ここのねケーキが美味しいんだって。」
「へー、丸太小屋か。いい感じ。」
森の中のお菓子屋さん、そんな雰囲気だ。
ショーケースに並ぶ数々。
「迷っちゃうなー……サクラだったらどれがいい?」
『えっ?私ですか?食べた事無いですし……うーん……あの赤い木の実が乗ったのとか……ですかね。』
「ふんふん、ルイは?」
「こっちの2つで迷ってる……」
「じゃあこの2つとこっちの赤いの下さい。」
せっかくなので、店内ではなく外のデッキに出て食べる事にした。
「わー美味そう、腹減ったー。」
『ハル様、席もケーキも用意して下さったのはありがたいのですが私は……』
「いいじゃん、雰囲気だけても味わってよ。ね?」
『なんだか恥ずかしいですね……』
「ま、最終的には俺が食べるけどな。」
『あーズルいー。』
「ふふっ、いいな仲良くて。」
平和だな。
ずっとこんな感じでみんなといれれば幸せだ。
しばしアンドロイド休憩!
「ケーキ美味しいね。」
「こっちのも美味いよ、ほらあーん。」
「あ、あーん……」
「ね?」
「うん……美味しい……」
そこへ2人組の男がやってきた。
この国は毎日イベントがなきゃいけないのか?
「お姉さん達、俺達も一緒にお茶していい?」
ナンパかい。
その行動力は凄いよな。
「ごめんねお兄さん、男に興味ないんだ。」
「へー通りで二人共仲良さそうに見えた訳だ。いいじゃん、コーヒー1杯だけ、ね?」
コイツも引かないな。
「だってさ、ルイどうする?」
「えっ?うーん……ハルちゃんがいいならいいけど。」
という訳で2人組とお茶をする事になった。
「お姉さん達どこ出身?」
「2人共第2地域だよ。お兄さんは?」
「俺らは第4地域、良いところでしょ。」
「うん、めっちゃ良い。自然が多くて綺麗だし。」
ルイは終始俯いている。
「ピンクのお姉さんは何文字なの?」
ピンクのお姉さん……嫌な響きだ。
「2文字だよ、俺がハルでこっちがルイ。」
「2文字かー、俺達4文字。いいでしょ?」
ホント、文字数気にする国民性だな。
年収以上にステータスなのかな。
「はい、コーヒー飲み終わったでしょ?じゃ、バイバイって事で。」
すると男は俺達の手を掴んで離そうとしなかった。
「なに?お茶だけでしょ?」
「いいじゃんもうちょっと。ね?」
今日は可愛いJCハルちゃんでいたいのだ。
頼むから邪魔しないでくれ……
「やめてください、私は……ハルちゃんと2人でいたいんです。迷惑です。帰ります、では。」
そういうとルイは俺の手を引っ張ってその場を離れた。
「あー、怖かった……ごめんねハルちゃん。」
「いや、俺こそごめん。断れば良かったんだけど……今日は普通でいたくてつい……」
ルイは手を繋いだまま俺に微笑んで──
「はい、この話は終わり。デートの続きしよ?」
おぉ神よ……
幸せだ。




