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僕の1993 春  作者: まさひろ
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僕はハガキを裏返し文面に目を通した。

 『二十歳になる自分へ

  

  元気ですか?あしたが〇×小学校に行く最後の日です。

  ひっこしをするので、この手紙を家で書いています。

  学校では、いろんなことがたくさんあって、つらいこともあったけど、

  友達とわかれるのはさびしいです。

  ひっこした所で友達はたくさんできましたか?

  背はのびて、かっこよくなりましたか?

  かっこいい車に乗って、かわいい、彼女ができてたらいいな。

  車はスーパーカーに乗りたいな。


  タイムカプセルに宝物を入れておきます。大事にしてね』

  

 うーん、いかにも昔の自分が書きそうな内容だなと、少し笑いが出てしまった。

 僕は、この短い文章をなんどもなんども読み返し昔の記憶を辿ってみたが、記憶はよみがえらなかった。

 引っ越しした日は、たしか小学校6年生の9月終わり辺りだと、以前母から聞いた記憶があった。

 やはり、手紙だけで昔を思い出すのは無理だなと悟ったので、実際にタイムカプセルを手に取ってみたら、なにかしら自分に変化がでるかなと思った。

 電話番号があったので電話をしようと思ったが、時刻はすでに18時を過ぎていたので、明日にすることにした。

 寮の廊下の方で電話の鳴る音が響いた。

 寮には電話が一つしかなく、共同で使用していた。ただし、この寮の電話は緊急時以外、自分からかける事が禁止されていて、自分がかける時は、寮の目の前にある公衆電話を使用しなければならなかった。

 実際生活していてほとんど、電話を必要としなかったので、僕はあまり不自由ではなかった。

 しばらくすると、部屋の扉がノックされた。僕が「はーい」と返事をすると、扉の外から「電話です」と返答があった。

 僕は、すぐに部屋を出て電話へ急いだ。

 「はい、岩田です」と受話器を取った。

 「洋一くん?美奈子です」と、女性の声が聞こえた。

  美奈子は会社の飲み会で出会って、数か月前から付き合いだした二つ年上の彼女だ。

 「あ、久しぶり。2週間ぶりかな?元気だった?」

 「元気だったよ。突然だけど、前、私の手料理を食べる約束覚えてる?今日予定空いてたらどうかなと思って電話した」とのことだった。 

 ・・そんな会話をしたような気がする。話の流れで約束したんだったと今、思い出したが、忘れていたと言うと嫌われそうだから、ここは話を合わせとかないと思い、

 「覚えているよ。今日は予定が空いているから、1時間後くらいに家に行っていい?」と返答した。

 彼女からは、かろやかに了解の返事をもらって、電話を切った。

 ちょうど暇をしていたし、明日は土曜日で休みだから少しゆっくりできると思い、さっそく用意することにした。

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