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僕の1993 春  作者: まさひろ
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10

 僕は交わった後そのまま裸で上向きになり寝室の天井をみた。

 寝室の明かりは点灯いてはいなかったが、カーテンの隙間から月の光が少しだけ流れ込んできていたため、ぼんやりと淡白く見えた。

 僕は、彼女に腕枕をし少し抱き寄せ、彼女のおでこに軽くキスをし目を閉じた。


 僕は、夢を見た。

 森の中に裸でたたずんでいた。大地にしっかり足を付けているが、その感覚はほとんどない。

 その感覚は前にも覚えがあり、すぐにこれが夢だと気づいた。

 森は、左右前後全て木や草で覆われていたが、先の方でほんの少し光ったような感じがしたので、歩いて行くことにした。

 それは、そう、あまり弾まないトランポリンの上を歩いている感覚だった。仕事では、いつも何千歩いや何万歩と歩くので、歩くとゆう行為は慣れていたが、どうもいつもと感覚が違うせいで素早く歩けなかった。

 歩いていくとそこには、池があった。池の大きさを表現するのが難しいが、学校の25メートルプール位だった。僕は、池に入ってみようと歩いたが池の中に入ることなく、その池の上を歩くのだった。

 池の中央辺りまで歩いてくると誰かに呼ばれたような声がした。名前とかではなく、鳴き声のような感覚だった。僕はそちら方を見回したけど誰もいなかったが、木の上の方から風を感じた。僕は、その木の上を見るとそこには、一匹のフクロウがとまっていた。僕の夢に何故フクロウがと思ったが、呼びかけてみる事にしたが、僕の口から声が出ることはなかった。


 『パチパチパチ』と何かが焼ける音と匂いで目が覚めた。

 隣を見たが彼女の姿はなかったので布団から起き上がり、リビングへと向かった。

 リビングに行くと彼女がキッチンでエプロンをして朝食の用意をしていた。

 「おはよう」と彼女に声をかけると、「おはよう、起こしちゃった?」と返事が返ってきたが、僕は「大丈夫」と返事をした。

 もうすぐ朝食ができるとのことなので、僕は洗面所で顔を洗った。

 鏡で顔をみたら、鼻の下と顎の所にうっすら髭が生えていた。いつもは風呂に入った時に髭を剃るのが日課だったが、昨日は剃らなかったので久しぶりにみる髭面ひげづらである。鏡を見て僕は、少し伸ばした方がかっこいいかなと思い、後で彼女に聞くことにした。

 洗面所から戻ると朝食が出来ていたので食べる事にした。朝食は、コーヒーにトーストと卵焼きとベーコンを焼いたもので、どれも僕の大好物である。

 「また僕の大好物だ」と笑顔で彼女に言うと、彼女は笑顔でピース(Vサイン)をしてきた。正直そのサインの意味はわからなかったが、朝食を食べる事にした。

 

 今日は彼女にどうゆう予定か聞いたら友達と遊びにいくとのことだった。

 僕も彼女から予定を聞かれたので、とりあえずハガキの所に電話してみると答えた。

 朝食を食べ終えて時計をみたら9時を少し過ぎていた。僕は、帰りの身支度をし彼女に挨拶しようとしたが、髭のことを思い出し彼女に聞いてみた。

 「髭を少し伸ばしたら、もう少しかっこよくなるかな」と彼女に聞いたら、彼女が自分の目の前まで来て、ジッと僕の顔を無言で見つめて「伸ばさなくても、かっこいいから問題ないよ」とちょっと照れ臭そうに答えてくれた。

 僕もその言葉を受け少しにやけてしまったが、我に返りご飯のお礼を言って彼女のアパートを出た。

 空は青く今日も快晴だなと確認し一度寮に帰ることにした。


 寮に戻った僕は、洗面所で少し伸びていた髭を剃り、新しい服に着替えインスタントコーヒーを作りタバコに火を点け一服した。そして、学校から送られてきたハガキを持って寮の前にある公衆電話から電話をした。

 タイムカプセルは小学校近くの公民館で預かっていて、朝9時から夕方17時まで受け取れるとのこと。受け渡す際は、送付したハガキが必要と説明を受けた。

 現在の実家は、車で15分位の所にある。しかし、昔僕が通っていた小学校はここから車で1時間ほど走った場所になる。僕は、引っ越ししてから昔の小学校付近には一度も行ったことがなかった。高校生の時に一度行こうかと思ったことはあったが、それを実行することはなかった。正直記憶の為だけに、そこまでしていく場所ではなかったからだ。しかし、今は違う。明確な手がかりがある以上足を運ぶべきである。


 そして、愛車トレノに乗り込みエンジンをかける。

 いつも通りご機嫌なエンジン音を聞きゆっくりとギアを入れ車を発進させる。


 『カチン』とゆう音とともに、人生の歯車がゆっくり回り始めた。

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