それぞれの場合
「それじゃあ、ここで一旦解散ー。
二次会行く人は俺に着いて来てー」
委員長の声でかつてのクラスメイトたちが一斉に移動し始めた。
「俺はそろそろホテルに行くけど、お前らどうする?」
「疲れたし私は帰るわ」
「私も帰ろうかな」
「僕も。
悠哉、七海さんを家まで送ってあげてよ。
僕は藍那を連れて帰るから」
藍空の言葉に、悠哉がんー、と唸る。
「俺の泊まるホテルって藍空たちの家と同じ方向なんだよな。
こんな夜遅くに女の子1人でってのもあれだし、藍空が遥香の事送ってやってくれねぇか?
藍那は道案内してもらう序に俺が送るからさ」
「えっ!?僕が!?」
「悠哉、私1人でも…」
「駄目よ。
最近何かと物騒なんだから。
黙って大人しく送られときなさい。
藍空、頼んだわよ」
「わ、分かった…。
七海さん、行こうか」
「うん。
またね藍那、悠哉」
「おー気を付けてなー」
「また連絡するわ」
どこかぎこちなく初々しい2人を見ていたい気持ちもあったけど着いていく訳にもいかず、仕方なく2人で歩き出した。
「今日で何か変わるからなあの2人」
「変わるわよ。
何たって藍空は私の兄妹なんだから。
やる時はやるわよ」
「だなー。
…話は変わるんだけどさ、明日って暇か?」
「ええ、一応用事は入れてないけど?」
悠哉が視線をさ迷わせる。
「俺明日の夜帰る予定だから良かったら明日どっか行かねぇ?
あんま遠いとこは勘弁だけど」
「何のそんな事?
言いにくそうにしてたから何かと思ったじゃない。
良いわよ?
藍空と遥香には伝えとくわ」
「あ、いや、そうじゃなくて」
もう、何が言いたいのよ悠哉は?
「俺と2人でって事なんだけど」
「…はい?」
「…俺とじゃご不満デスカ」
「そんな事はないけど…。
珍しいわね、アンタが私を誘うなんて」
「まあ、たまにはね」
私が了承すると悠哉はどこか嬉しそうに「よしっ」と笑った。
「行きたいとこ考えとけよ」
「ええ」
ねえ悠哉、アンタのその少し赤い顔、期待しても良いのかしら?




