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お館様の代理人 呪いの館を相続したはずが館にめちゃくちゃ世話焼かれてるんですけど!  作者: zingibercolor
4章

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VTuberも大変なんですけど

 矢車ちゃんと薄荷ちゃんにやってもらう家事は、大体午前中で済んじゃうので、午後は勉強してもらってることが多い。その間私が何してるかと言うと、自分の部屋で柴胡ロジーの配信アーカイブだの企画動画だの、他のVTuberの面白そうな配信アーカイブだのを見て遊んでるわけですが。無職にもほどがあるな……。

 VTuberは夜の配信が多いから、19時に寝る私はなかなかリアルタイム視聴ができないんだよねえ、悲しい。

 で、その日は、柴胡ロジーが同じ箱のおじさんVTuberとリスナーの恋愛相談に応える配信を見ていた。


「フルカラー……疑似三次は男女コラボたくさんやるのがありがたいわ、ユニコーンいないわけじゃないけど」


 そうつぶやくと、ポテチを触手で吸収していたヤカが不思議そうに首を傾げた。


{フルカラー? ぎじさんじ? ユニコーン?}


 あ、そうか、VTuberならではの単語が3つも含まれてたな今の。私は説明した。


「疑似三次は疑似的な3次元って意味で、柴胡ロジーが所属してる事務所の名前で、疑似三次をやってるのがフルカラーっていう会社。ユニコーンっていうのは……そうねえ、神話のユニコーンってどういうのか知ってる?」


 ヤカは考え込んだ。


{確か……処女しか受け入れなくて、それ以外は角で突き殺してしまう馬ではなかったか?}

「そうそう。VTuberってかわいい女の子が多くて、VTuberと言えば美少女って時期も長かったんだけど。美少女VTuberが、少しでも男の影……彼氏がいるとか、彼氏がいたとか、極端なのだと男VTuberと何かするだけで憤死しそうになるファンのことを転じてユニコーンっていうようになって」

{ふむ……アイドルの結婚報道に落胆するファンのようなものか?}

「まあ、それの究極系よねえ。ユニコーンって自分もVTuberもあんまり幸せにならないっていうか、悪くするとVTuberを誹謗中傷し始めることもあるから、他所と比較すると疑似三次に比較的ユニコーン少なめなのはありがたいなって」

{そうか……しかし、疑似三次はなぜユニコーンが少ないのだ?}

「んー、男女混合VTuber事務所っていうのが大きな要因かなって。同じ箱……おなじ疑似三次の男女VTuberとか、他の箱とのコラボレーション配信を普通にやるのよね。他の大手は、初期はともかく今はそこまででは……女の子のみだったり、男でやるとしても女の子と活動を分けてやらせることが多くて」

{なるほど}


 ヤカは頷いた。


「学校で言えば疑似三次は共学、他の女の子のみのところは女子校って感じ。男がいたとしても男子校。それぞれいいところはあるけど、男女の交友に寛容なのは共学の方よねって感じ」

{ふむ……由来的に、ユニコーンは男性のみなのか?}

「うーん、同等の存在は女にもいるかな。あんまりユニコーンとは呼ばれないけど」

{大変な仕事なのだな、VTuberというのは}

「矢車ちゃんには、VTuberの楽しい面だけ味わってほしいけどねー」


 そんなことを話しつつ配信を見ていて、17時になり、矢車ちゃんと薄荷ちゃんが仕事終わりの挨拶にきた。


「「お疲れさまです!」」

「お疲れ、勉強進んだ?」


 薄荷ちゃんが言った。


「Excel、IF関数少しできるようになりました」


 矢車ちゃんも言った。


「私はExcelの教科書の大体のことはやったので、どうしようかなってなってます」


 なるほど。私は少し考えた。


「んー、じゃ、薄荷ちゃんは引き続き手を動かしてお勉強。矢車ちゃんは、MOS用の問題集探して、それを解いて答え合わせして解説も読んで、もっと理解を深めよう。ある程度できるようになったら、Wordにも手を付けようね」

「「はい!」」


 それから、矢車ちゃんが私を伺うように見た。


「あの、あと、牧之原様に見てほしいものが……」

「なーに?」

「あの、金銀妖狐の次の動画が編集できたので、見ていただけないかと……」

「あー、そうね、動画か、メール添付にするにはデータ大きすぎるから……いったんYouTubeで限定公開であげて、私にURL送ってくれる?」

「はい! ありがとうございます!」


 YouTubeの限定公開は、URLを知ってる人にしか見れない。それをちゃんと分かってて使いこなせるところは◎です。さて、矢車ちゃんの動画、どんな感じだろう?

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