別視点 {お館様}と笑顔
真希氏が寝たあとに体を冷やさないように薄がけをかけたり、食べていないようだったら食べ物を出して食べるように促したり、できる範囲で私は真希氏を助けていた。
{私}が何かするたびに、真希氏はお礼を言ってくれる。掛川氏と暮らしていたときは、あり得なかったことだ。最初の持ち主にも、掛川の前の持ち主にも、そう言えばお礼を言われたことはない。お礼を言われるのは、いいものだと思う。
真希氏は、パソコンや薄い板で、水色の髪の少女のしゃべりを見てよく笑っている。
{私}は、人間の顔の美醜はピンとこないが、真希氏の笑顔はかわいらしいなと感じる。真希氏にはできるだけ笑って暮らしていてほしい、この館でずっと……。
真希氏の笑顔を増やすために、私は何ができるだろうかと考えて、特に何もできないということに気づいて、がっかりした。真希氏は私と交流を持ちたいようだが、こんな透明な粘液みたいなのが出ていったところでびっくりされるだけだし……びっくりされるだけならまだ良くて、恐れられ嫌われてしまうかもしれないし……。
まあ、真希氏が怪我したり病気したりしたら、笑うどころではない。だからこれからも、真希氏を大事に見守って大事に世話するしかないのか。




