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人生をやり直しますか? 〜YES or NO〜 【みんなの心の中が読み取れる少女は、やり直し高校生活でやりたい放題です】  作者: 相賜 奏合


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[55]


鬼とは、日本の伝承に登場する存在である。


角を生やし、牙を持ち、人を脅かす怪物として描かれることが多い。


しかし鬼は、ただの怪物ではない。


怒り、憎しみ、欲望、悲しみ。


人の中にある負の感情が形となった存在とも言われている。


昔の人々は、疫病や災害、不幸といった理由の分からない出来事を「鬼の仕業」と考えた。


だから人は鬼を追い払う。


豆を投げ、声を上げる。


「鬼は外」と。


それは鬼を追い払う儀式であると同時に、


自分の中にある弱さや厄を外へ追い出す行為でもある。


そして、その儀式が行われる日。


それが――節分である。


ーーー

節分とは、季節の変わり目を意味する言葉だ。


本来は立春・立夏・立秋・立冬の前日すべてを指していた。


しかし現在では、春の始まりである立春の前日を節分と呼ぶことが多い。


季節の変わり目には邪気が入りやすい。


昔の人々はそう考えた。


だから豆をまく。


邪気を払い、福を呼び込むために。


「鬼は外、福は内」


新しい季節を迎えるための、小さな祈りの行事。


それが節分である。


――そして。


その節分が、今年もやってきた。



ガタンッ!!


突然、机が大きな音を立てた。


クラス全員の視線が集まる。


そこに立っていたのは――


石本真子。


真子は両手を広げ、空気を切り裂くような声で叫んだ。


「せぇぇつぅぶんだぁぁーーーーーー!!」


教室が静まり返る。


莉英奈がポツリと言う。


「・・・・うるさっ」


香織も続く。


「節分なのは知ってる」


しかし真子は腕を組み、真剣な顔になった。


「みんなに知らせないといけないことがある」


教室が少しざわつく。


真子はゆっくりと窓の外を見る。


そして言った。


「今年の節分は」


一拍。


「危険だっ」


クラスがざわめく。


「は?」


「危険?」


「なにそれ?」


真子は静かに言った。


「鬼が来る」


沈黙。


玲子が手を挙げる。

「しつもーーん」

「鬼って何?」


真子は即答した。

「鬼だよ」


玲子

「説明になってねぇー」


その時。


真子は窓の外を指差した。


「もう来てる」


クラス全員が窓を見る。


――誰もいない。


香織がため息をついた。

「また始まった」


莉英奈も腕を組む。

「どこに鬼いんのさー」


真子は少し首を傾げた。

「あ、そっか」


そして――


パチーーン。


指を鳴らした。


その瞬間。


空気が揺れた。


窓の外の景色に、

影が浮かび始める。


校門の前。


荒野のような風が吹いている。


そこに立っていた。


角の生えた大男。


鬼人さん 推定300歳


その後ろには


トメさん 故91歳

げんじさん 故89歳

あやめちゃん 故5歳

ひとしさん 故35歳

けいこさん 故32歳


鬼の軍勢?である。


教室が一瞬、静まり返る。


そして


教室中から悲鳴が上がった。


「「「「ぎゃあああああああああ!!!!」」」」


そんな中、冷静な女子生徒が声を上げる。

「ちょっと待って!!」


全員が振り向く。


女子生徒が軍勢に指差す。


「・・・・あの人たち!!」

「どこかで見たことある・・・・」


凝視、思い出す。


「学園祭のお化け屋敷にいた人ぉぉぉ!!」


教室

「「「えぇぇぇぇ!?」」」


理絵は窓の外を見て、ため息をつく。

「あー・・クリスマス以来だねー」


香織はやれやれと肩を竦める。

「また出たよ」


澪は興味津々。

「鬼人さんじゃん」


由美は冷静。

「今日は節分だから来たのかなー」


ケンケンはクイクイしている。

「季節イベント参加型ですな」


真子は腕を組んで言った。

「鬼だよ」


玲子は真顔になる。

「いや知ってる」

「それはもういいって・・・・」

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