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狩人と農夫と獲物  作者: あまやま 想
第8章 傷心の遥
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8 傷心の遥③

 その日の夜、園村、矢島、遥、私の四人は園村の家にそれぞれ一品料理を持ち寄って集まった。園村はギョウザと焼売、さらに唐揚げに、天ぷらを揚げて待っていた。


 他にも枝豆やチーズ、卵焼き、スナック菓子・飲み物などが既に用意してあったので、私達は園村のことを見直してしまった。もともと、彼が料理得意だと言い出したので、それならぜひ食べさせて欲しいと話したことが、今回のお疲れ様会のきっかけである。


 矢島は実家暮らしをいいことに親にポテトサラダと金平ごぼうを作ってもらったとのこと。ずるいとも思ったが、実家暮らしなら私も同じことをしただろうから、あえて何も言わなかった。それに下手に作って、まずいモノを食べさせられるよりはよっぽどいい。矢島母曰く、


「一人暮らしだと、野菜を食べないから、たくさん食べてもらいなさい!」


とのことだった。優しいお母様である。遥は居酒屋でバイトしていた時にマスターした韓国風チヂミを作って来た。これはとてもうまくて、すぐに無くなってしまう人気ぶり。


 私は野菜キムチ炒めを作った。ただ、野菜炒めを作っても不評だろうと、キムチの素でごまかしたのだが、意外と好評でよかった。しかし、園村からは


「部屋がキムチ臭くなるから勘弁してくれ!」


と、言われた。まあ、料理が園村みたいに得意な訳ではないから仕方ない…。


 前期お疲れ様会は思いの外、好評であった。一人暮らしをしていると、普段あまり食べることのできない野菜や手料理をたくさん食べることができた。また、みんなでいろいろと話しながら食べるとそれだけで楽しい。


 最初こそ未成年だからいけないと思い、飲まないように気をつけていた。しかし、盛り上がってくると、遥がおいしいと言って飲み出し、それにつられて矢島と私もつい飲んでしまった。きっと、前期が終わった開放感と夏の夜の雰囲気のせいだろう。


 いつもなら、矢島や私は飲まなかっただろうけど、二人があまりにもおいしそうに飲むので、思わず飲みたくなってしまった。未成年なのに…。まあ、来年は二十歳になるからいいだろう。


 酒に酔ったのか、遥はポロポロと涙をこぼしながら、大泉のことを未練たらたらと愚痴り出している。どうやら、遥は泣き上戸のようだ。


 もう、吹っ切れたように見えて、実はまだまだ大泉に対して未練があるらしい。全く、あんな男のどこがいいんだか…。私は遥の感性を思わず疑ってしまったほどだ。


 泣いていると、いつもよりもはかなく見えるのか、園村と矢島が遥を優しく慰めている。私は三人を見ながら、途方に暮れてしまう。


 しばらく、手持ち無沙汰に眺めていたが、酒のせいで体がほてって来たので、園村に断ってベランダに出た。

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