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双子でヤンデレな悪霊と共に  作者: 善良なる悪魔
第1章・バタンダ大森林
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少年よ、騎士団を救出せよ!

少年が騎士団長の言う何かを探して上や左右に顔を動かしていると異形の魅惑的な身体が目に毒なのか騎士団長が声を掛けた。


「オソレガミ・ミタマ君。

聞きたい事があるのだが良いかい?」


「うん、いいよ!!」


少年も見つからない物を探すよりも騎士団長と話す方が良いと考えたのか二つ返事で応答した。


(背後の化け物を刺激しないように注意せねばな。

怒らせれば捕えるだけでなく殺されるだろう。

今は部下も全て捕獲されている。

せめてこの目の前の情報だけでも閣下に届けねばならない)


「そうだね。

まずは何処から来たんだい?」


騎士団長は少年を恐がらせないよう、化け物を刺激しないように優しく慎重に質問した。


「えっとね。

ぼくは、かみさまのところからね。

きたの!」


(何!?

か、神様、だと!?

ならば、この少年は使徒、なのか?)


少年は森に来る前の場所を伝えた。

騎士団長は思わず声をあげてしまいそうだったが鋼鉄の意思でなんとか抑え込んだのだ。

それ程の衝撃がある事を伝えておこう。


使徒とは神の使いの者である。

その神に選ばれた者が神の意志によって行動する。

そして使徒は神から特別な能力を授かる事が特徴である。


もし、目の前の少年が本当の事を言っているのならば少年は神の使徒という事になる。

それがどの神で有っても世界への影響は大きい。

特に宗教関連の者達は崇め奉る者も出るだろう。


少年の授かった能力も気になる。

それが災いを呼ぶか幸福を呼ぶかは神のみぞ知る、という所だ。


ましてや相手は幼い少年である。

感情でその力を使うかもしれない。

言うなれば、いつ爆発するか分からない爆弾にも等しい存在である。


ならば少年の背後に居る化け物はその使徒を守る聖獣という存在なのか。

その魔力の高さから否定が出来ない所が少年の証言の信憑性を高める要因ともなった。


さて、少年が言う神とはあの自称、運命を司る神、ウガラカンの事である。

彼は決して少年を使徒としてこの世界に送り込んではいないようだったが。


「そうなのか。

それでどの神様か名前を教えてくれないかい?」


それは賭けにも等しい行為だ。

神の中には探る者に天罰を与える者も居るのだから。

それでも天罰の与え方は神によって違う訳でどの神か特定し易くなるだろう。


背後の部下も何名か起き出してきた。

この少年との会話を黙って聞いている者も居る。

騎士団長は自分が死んでも情報を得られるような状態だからこそ決死の覚悟で質問しているのだ。


「うんとね。

かみさまのなまえは、ウガラカンっていってた!

うんめいのかみさまだって!

ぎんいろのかみにきものをきてたよ!」


(ウガラカン、聞いた事の無い神名だ。

銀髪の神と伝えられている神は………冥府神しかおられないが?

冥府神の関係のある神の使徒か!?

しかし、運命の神の特徴は金髪であった筈なのだが)


騎士団長は兜の中で怪訝な顔をした。

目の前の少年が嘘を吐いているのか?

いや、その様子は無い。

ならば神を偽る者が居るのか?

疑問に疑問が重なり騎士団長は口を閉ざしてしまった。


「こんどはぼくがしつもんするね!」


「あ、あぁ、いいとも」


どうやら少年は質問は交代ですると思っているらしい。


「かおがみたいです!」


その言葉に異形が反応したのだろう。

髪を何重にも束にした物を上げ始めた。

騎士団長にはまるで処刑人が首を切り落とすような気迫を感じた。


「あぁ、すぐに取ろう!」


騎士団長は身の危険を感じ素早く兜を脱いだ。

異形は髪を下げ解いた。


もし、兜を被ったままであれば………

騎士団長は血の気が引く思いがした。

騎士団長はブロンドの短髪をした端整で柔和な顔付きの若い男性だった。


少年は騎士団長の素顔を見て想像と違ったのか首を傾げた。


「………ルドルフじゃない」


少年はそう悲しそうにこぼした。

すると、またもや異形が言葉に反応したのか恐ろしい顔をさらに険しくしながら騎士団長を睨んだ。

どうやら少年はタコの騎士、ルドルフを期待していたようだ。

もし本物のタコの騎士が出てきたら恐怖を煽る存在に違いない。


「そう言えば先ほどもルドルフと言っていたが何者なんだい?」


騎士団長は少年の呟きの正体が気になり聞いてみた。

決して身の危険を感じて咄嗟に口に出した訳ではない。


「でんせつのよろいをきた、すごいひとだよ!」


「そうなのか。

伝説の鎧とは、また、凄い物だ、ね」


人では無くタコではあるが。

確かにドラゴンに踏み潰されても膨らむ鎧は伝説と言えよう。

流石は軟体動物の伝説の鎧。


そして騎士団長はそこで力尽きた。

異形に囚われた事が原因かはたまは異形に睨まれた事が原因か分からない。

そのまま気絶して倒れてしまった。

目覚めていた騎士も異形の睨みに当てられたのだろう。

騎士団長よりも先に気絶していた。


「うわ!?

どうしたの?

ねぇ、どうしたの?」


倒れた騎士団長に驚いた少年は騎士団長に近付いていく。


「あれ、ねむっちゃってる。

どうしよう。

ここでねむったら、みんな、かぜをひいちゃうよ。」


気絶した騎士団長を眠っていると判断した少年はどうしようか、悩み始めた。


「えっと、ルドルフじゃない、きしのひとたちは、あっちにいってたよね?

あっちに、いえがあるの、かな?

そうだ!

たすけをよべば、いいんだ!」


そう叫んで少年は騎士団が逃げた方に走って行った。

そして異形は少年の言葉に反応したのだろう。

少年の前に道を作りながら髪の毛で騎士達を包んで運び始めた。


そして少年は異形に整えてもらった道を異形を引き摺りながら走って行った。


その後ろからは幾つもの毛玉が地面に引き摺られて行く。


少年はその異常な事に気が付いていないようだ。

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