ギルドの報告書。
「ではオソレガミ君と彼女を冒険者登録するのでカードを渡して下さい」
エドワードは額に浮かんだ脂汗を手持ちの布で拭き取りつつそう言った。
「これを、わたせば、いいの?
はい!」
少年は持っていたカードをエドワードの方に渡した。
その背後でリマロが悔しそうな表情を浮かべていた。
よほど少年達を冒険者にしたくなかったらしい。
少年達のカードを受け取ったエドワードは椅子から立ち上がった。
その時、顔が歪んだが、すぐにいつもの人を食ったような雰囲気に戻った。
壁際の棚から掌に乗るほどの大きさの半透明な立方体を取り出した。
そして、その立方体の一面に少年のカードを当てると不思議な事に立方体はカードを取り込んだのだ。
エドワードは続け様に黒いカードを立方体に当てそれも取り込まれた。
数秒経つと立方体からカードが飛び出しエドワードはその二枚のカードが落ちる前に片手で集めた。
その早業は思わず感嘆のため息が出そうなほどだ。
エドワードは立方体を棚に戻し少年の方を向いた。
「さて、これで冒険者登録は完了です。
はい、どうぞ」
エドワードは少し屈んで少年にカードを受け渡した。
「ありがとう、ございます!」
少年は二枚のカードをエドワードから受け取りぺこりと頭を下げ礼を言った。
その際に少年に抱き付いて居た異形とエドワードがぶつかりそうになったがエドワードはすんでの所で下がり避けた。
「では、クエストを受けたくなったらまたギルドに来て下さい。
お待ちして居ますよ。
クエストの説明については受付の方に聞いて下さい」
「はい!」
少年は嬉しそうに頷いた。
「それと、リマロさん、これを領主様に渡して貰えませんか?」
エドワードは少年の後ろに立っていたリマロを呼び手紙を渡した。
リマロは嫌悪感を露わにしつつ手紙を受け取った。
少年が冒険者になった事をまだ引き摺っているらしい。
「・・・これは?」
「森の異変についての報告書です。
重要な物ですのでお願いします」
「!?
はい、それならば私にお任せ下さい!
エドワードギルド長!」
何故かやる気と機嫌を取り戻したリマロであった。




