森のざわめき。
そこには様々な魔物が居た。
近くの魔物を全て集めたかのような膨大な数と種類の魔物が居たのだ。
共通する者は殆ど無い魔物達だった。
移動の仕方が違う。
地表を進む者、空を飛ぶ者、樹々を伝って行く者、地下を潜る者。
姿が違う。
人型、獣、亡者、植物、鉱石、粘液。
本来なら別々の場所に居る筈の魔物達がある方向へと進み続ける。
その様はまさに魔物の混合軍が進軍していると言えるだろう。
魔物達は人に知られずに進み続けた。
何かを目指して。
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「こちらが貴方の部屋で御座います」
エプロンドレスを着た女が一つの扉の前に立ち止まって言った。
「ありがとう!
えっと〜」
その後を異形を引き摺りながら付いてきた少年はお礼を言ったが相手の名前が分からず顔を曇らせた。
「私はメアリー・ジェペルと言います」
女は少年の聞きたい事を察知したのか直ぐ様応えた。
「ありがとう!
メアリーさん!」
少年はまるで快晴の如く晴れやかな表情で元気にお礼を言った。
クゥ
すると可愛らしい音が聞こえた。
少年はお腹を撫でながら下を向いた。
少年は森で果物しか口にしていない。
そして森から町まで途中まで全力で走って来たのだ。
空腹になってもおかしくないのだ。
女はそれが目の前の少年から聞こえた音に気付いて提案を出した。
「軽食をお持ちいたしましょうか?」
「いいの?
おねがいします!」
少年は女の提案に飛び付いた。
素直な少年であった。
しかし、少年の背後に居る異形が行動を起こした。
森で採取した果物だろうか。
その果物を何処からともなく取り出し皮を剥き、種を取り出した。
そして異形が何かしたのだろう。
みるみる内に萎んでいったではないか。
それはドライフルーツとしか言えない代物となった。
それを少年の目の前に持っていった。
「うわぁい!
フルーツだ!」
少年は食べ易く加工された果物を手に取り食べた。
熟成でもされたのか最初の時よりも濃厚な甘い香りが周囲に漂う。
「メアリーさん、おいしい!」
どうやら少年は目の前の女が出してくれたと思っているらしい。
その一連の流れを見て女は少年が異形を見えてない事を悟ったのだろう。
異形の方を少し見て言った。
「左様で御座いますか。
では私はこれで失礼致します。」
女は来た道を戻って行った。
この事を主人に伝える為であろう。
異形が何をしたのか。
少年は異形を見えて居ない様子である事を伝えに行った。
異形は少年の頭を愛しく撫で、少年はドライフルーツとなった物を噛みながら部屋に入っていった。




