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伝説の勇者にはなりたくねぇ!  作者: のな
トリップ編
14/61

LV.14 病みパーティー

 ステータス画面が現れた!


って、動くモンスターってどういうことだよっ。しかもかなりでかいんだけどっっ


 100インチぐらいのテレビ画面かってくらいの大画面だ。その大画面になぜか手足が付いていて、よたよたと動いている。

 しかし、動きはそんなに早くないようだ。しかも、障害物があれば正面はどこかでつっかえるのが目に見えているので、彼等(?)は横歩きしている。

 

 簡潔に言えば、テレビに手足が生えて移動しているという想像をしてもらえばいい…。


 そのステータス画面に映し出されているのは、現在モンスター自身のステータスのようだが、人間が彼等にロックオンされるとその人物のステータスが映るらしい。


「ちなみにあれは中級のモンスターじゃな」


「あれで強いのかっ?」


「「「ある意味」」」


 ロマ以外の三人の声が重なった。

 

 な、なんだ、ある意味って。その意味深な言葉は何だっ?

 かなりドキドキしながらも、ゴメスに行けと言われて俺は剣を構えてステータス画面の前に躍り出た。


 ぴこーんっ


 変な音がしたかと思うと、ステータス画面の下に文字が浮かぶ。


『ロック・オンしました』


 狙い通りロックオンされたらしい。

 見れば、ステータス画面の数値が目まぐるしく変わっていく。


 シャカシャカアケート: 26歳 男


 職業:伝説の勇者 ニート

 


 ・・・・なんだその職業はっ!

 確かに現在無職のニートだがっ、伝説の勇者とニートって組み合わせは痛すぎるだろう!

 

 え? 名前?名前は既に諦めてるからいいんだよ・・・


 遠い目をしながら次の項目へ移る。


 HP:205/560

 MP:2065/∞


 HP低い…。

 MPが無限大…。なのに現在2065って、どういう意味なんだ・・・?

 無限なのに減るのか?


 ほかにも色々と気になる項目は山盛りだ。

 体力知力等は普通の項目としてさらっと読み取り、スキルを見れば、伝説の勇者特有だという『創造魔法』が書かれていた。


 想像じゃなかったのか・・・


 他には既に感じ取れている身体能力強化が並び、なぜか最後に幼女好き・・・


 まてぃ!

 幼女好きって人物特性とかじゃなくスキルなのかっ!? そのスキルに一体どんな能力があるんだ!


 突っ込みどころ満載過ぎて、ステータス画面がのたのたと動き出す頃には俺はぐったりと疲れていた。

 そして、ステータス画面が目の前に迫り、そのまま倒れてくる!


「うぉうっ!」


 いろいろ精神が削られているところへの攻撃を俺は慌てて回避したが、回避した場所に別のステータス画面が倒れてくる!


 重いかどうかはわからないが、ただではすまなさそうな攻撃が確実に俺を捉えた瞬間、思わず画面に書かれていることを確認するのは人間の悲しい性なのか。

 ステータス画面に書かれていたのは


 接触恐怖症


 そして、そのステータス画面は俺を潰すより前に見事に一刀両断された。


 半分に割られたステータス画面の向こうから現れたのは、残念な王子様、グウェンだ。


「だから、ある意味強いといっただろうに」


 ゴメスがやれやれと肩を竦め、他の一体を倒す。

 俺もようやく体勢を立て直すと、俺をロックオンして最初に倒れたステータス画面に剣を突き刺した。

 

 生き物の手応えはない。ただ、テレビのような物を貫いた感触だけである。


 剣を引き抜くとステータス画面はサラサラと崩れていき、後には小さな石のようなものが残った。


「これは?」


 拾い上げてまじまじ見れば、カットされていない水晶の原石のようなものだとわかる。色は黒だから黒水晶だろうか?


「それをギルドに持っていけば魔物を倒した証になる。よほどの大物でなければ数がいるが、換金もできる」


 答えたグウェンを俺はじと目で見つめた。


「なんだ?」


 重そうな鎧に頑丈そうな冑。それを脱げば明らかにもてるのに、それをしなかったのは接触恐怖症だからか・・・。

 あのステータス画面はグウェンをロックオンしていたのだ。


「苦労するな…」


 潔癖症の俺としては同情を禁じえないが、それよりもこれで分かったことがある。

 ちらりとメルニア婆さんとロマを見遣り、俺は深い溜息を吐いた。




 絶対このパーティーまともな奴がいねぇ(俺を含む)…



 先行き真っ暗になるのだった。

  


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