Lv.13 ステータス画面が現れたっ
二日目、俺の剣の腕は村の皆が驚く程に上達していた。
といってもゴメスの剣を受け止められるようになったってだけなんだけどな。
まぁ、生まれてこの方竹刀ぐらいしか持ったことのない俺がゴメスの超絶速くて重い剣を受け止められてるんだ、かなりの進歩だと思うぞ。
「アキ、カッコイイ~!」
ありがとうロマよ…。その言葉、村の美女達からも聞きたいものだ…。
心でがっくりと項垂れながらも目はゴメスの剣を捕える。
うん、昨日の感覚がまだ残っている。たぶんこういうのは目が慣れた、というべきなんだろうな。
時折変則的に振られる剣は目で追えても体がついてこずに打たれるが、なんとなく明日には何とかなりそうな予感がするから勇者補正(認めたくないが)は怖い。
ある程度成長させる努力は必要だが、基本チートだよな、この身体能力。
「よし、ここまで」
ゴメスの言葉に俺はぜぇはぁと息を荒げてその場に座り込んだ。
身体能力は格段に上がっているがまだまだスタミナが低い気がするな。これからの課題だ。
「アキ、お水」
ロマが甲斐甲斐しく俺の世話をしてくれる。
「ロマはいいお嫁さんになるよ」
「そうでしょう? 成人したらアキがもらってね」
にっこりほほ笑むロリ精霊は、その筋には鼻血もんの可愛さなのだが…残念だ。俺は腰がきゅっとしまった大人の女が好みだ…。
「考えとくよ」
冗談交じりにそう答えて水を受け取ると、ロマは少し照れたようにはにかむ。うん、可愛い。
そして、そんなロマの後ろには、ニヤ~リと笑む老婆が一人…。こっちは確実に可愛くないぞ。たぶん中身も。
「メルニア婆さん、何ニタついてんだ」
「婆さんは付けるでない。アキよ、そなたなかなかに罪作りじゃ。精霊のお願いを考えとく…などと」
にやにやと婆さんが笑う。
子供の対応をさらっと受け流す大人の対応だろうに何をそんな…。それともこれは、婆さんが喜ぶようなことだったのか?
ざっと今まで読んできた小説の内容を思い出し、水筒に口をつけて一口ごくりと飲んだところで、まさか…と固まった。
「婆さんっ! 精霊は約束を守らないとどうとか、お願いはどうとか、制約があるとか、そういう面倒なことがあったりしないよなっ!?」
「さぁ~のぅ~」
くっ…婆さんめっっ。人が何も知らないのをいいことに、俺で遊んでやがる…。
後悔は先に立たず。照れながら花を飛ばすように機嫌のいいロマに、水を差すようなことができず、俺はロマに訂正するのを諦めた。
いつか、機会があったときにしよう。
のんびり休憩していると、見学する村人の向こう側からグウェンががしゃがしゃと鎧の音を立てながら歩いてくるのが見えた。
「寝坊助じゃの、緑の騎士よ」
メルニア婆さんが呆れたように声をかければ、グウェンは俺達の前に立ち止まって答える。
「寝坊ではない。鎧を磨いておったのだっ」
・・・・
何とも言えない沈黙が降りた。
朝から鎧磨きだなんて…大変だな、鎧も。
「あ~、なんだ。その、グウェンもようやく来たし、アキも成長が早い。今日はこれから村の周辺のモンスター退治にでも行くか」
ゴメスの提案に俺は驚いて目を丸くする。
「モンスターって、もう実践ってことか!?」
そういうのは修行の終わる一週間後ぐらいにテストとしてやるもんだと思っていた俺はゴメスを見やる。
「確かに慣れが肝心じゃのぅ」
「そうだなぁ、モンスター退治は慣れないと効率も悪いからなぁ」
婆さんに続き、グウェンまで同意したところを見ると、必要な事らしい。
・・・・まぁ、そういうことなら仕方ないか。
俺は立ち上がると、先を行くゴメスに続いて歩き出した。
「せめて今の成長が見えるステータス画面があればなぁ」
ぽつりとぼやけば、グウェンが首を傾げる。
「ステータス画面?」
やはり現実の世界じゃステータス画面なんてものは出るはずないからピンと来ないよな。
俺は手を差し出すロマに気が付いて手を繋ぎ、何とはなしに答える。
「今現在の体力や力なんかが数値化されて目で見える…画面…紙…とか? とにかくそういう物が見えるモノだよ」
テレビの概念がないのだから画面という言葉は通じないだろう、なので説明が曖昧になったが、ゴメスと婆さん、それにグウェン…はちょっと表情はわからないが、皆思い当ったものがあったらしい。
「あるぞ、それ」
「あるのぅ」
「ありますね」
三者三様に応え、俺はわずかに期待して顔を上げた。
俺の現在のステータスがわかるってことか!
期待に胸をふくらませ、わくわくした。
だが…キワモノキャラの婆さんとグウェンが同意したところで気が付くべきだったんだよ俺…。
そんなもの、怪しいに決まってるって…。
ステータス画面が現れた!
ただし、ステータス画面は、確かにステータス画面で、ゲームで見るようなものそのままで間違いはないのだが・・・
生きてるモンスターだった…。
あ、ありえねー!!




