5話
商店街の春祭り。
ズラリと並ぶ縁日は、思っていたよりずっと賑わっていた。
熱気と人混みに完全に酔った僕は、屋台の合間のベンチに避難していた。片手に持ったラムネの瓶が、微かに震える手を冷やしてくれる。二人はまだまだ元気なようで、今度は射的と輪投げに挑戦するようだ。
射的の屋台で、ファニーが次々と的を落としていく。
「いよっし!また当たった!」
店主が、少し引きつった顔で景品を渡している。
隣の輪投げでは、シエルが妙に理詰めで輪の軌道を計算していた。
「初速と角度を最適化すれば、輪は的の直径ぎりぎりで着地します」
「それ、縁日のノリと違うでしょ!?」
二人とも、周りの子どもや大人から声をかけられている。
「お姉ちゃん上手いね!」
「兄さん、コツ教えてよ」
自然に人の輪ができていた。
それを少し離れた場所から眺めながら、僕はなんとなく落ち着かない気分になっていた。理由は分からない。
飲み干したラムネ瓶を傾ける。
かちん。
ビー玉が瓶の口で止まった。
胸の奥にも、何かが引っかかっている気がした。
肩に乗っていたシロが、ふと二人から視線を外して僕を見る。
「……ほう」
それだけだった。なのに、見透かされた気がして、僕は慌ててラムネ瓶を握り直した。
そのとき、人混みの向こうから僕を呼ぶ声が響いた。
「マスター、見て!」
「俺の計算は合っていました」
ようやく二人がこちらに戻ってきた。僕の方へ駆けてくる様子を見て、肩の力が抜けるのが分かった。ずり落ちそうになったシロが、ベンチに降りる。……いま、なんで力が抜けたんだ?
僕は何に安心したんだ――と思った所で、ファニーが抱えているものに気付き、途端に体が硬直する。
黒い脚が、八本。安っぽい光沢を放つ、蜘蛛のぬいぐるみだった。
「大当たり!」
「……」
「マスター?」
「ひっ」
声が、勝手に出た。
「……大丈夫。これは、ただのぬいぐるみだ」
自分に言い聞かせるように、繰り返す。
「苦手なの?」
ファニーが、興味深そうに景品を僕の方へ近づけてくる。
「近づけないで」
「え、めちゃくちゃ嫌がってる」
嫌だよ。怖いし。
僕の異能が始まったあの日、蜘蛛の怪異に襲われた。
その直前には、姉に部屋中へ蜘蛛のおもちゃをばら撒かれていた。あれだけでも十分なトラウマだったのに、その直後に本物の怪異まで現れたのだから、そりゃあ身体も覚えている。
異能の始まり方について説明しようと思えば、できなくもない。
……いや、やめよう。
こんなところで、いい大人が蜘蛛を怖がる理由を延々と説明するのも格好がつかない。
「昔、姉にトラウマを植え付けられてねぇ」
これでいい。嘘ではない。
内心の動揺を隠すように、僕は何でもない顔で肩をすくめた。
「合理的な理由がありそうにない反応ですね」
シエルが景品のモバイルバッテリーを片手に、僕の顔をじっと見る。
「はは、まさか。僕にも苦手なものくらいあるってだけだよ」
できるだけ平静を装って答える。ファニーがなぜか嬉しそうにぬいぐるみを抱えた。
「持って帰る!私の部屋に飾る!」
「……好きにしなよ」
僕の視界に入らなければ、好きにすればいい。……いや、やっぱり嫌かも。共有スペースに置かれたりしたら本気で泣く。
大事そうに抱えたぬいぐるみが、プラスチックの目でじっとこちらを見ている気がした。気のせいだ。そうに決まっている。
これ以上動揺を悟られないよう、僕はあえてゆっくりとした動作で、いつの間にか肩に戻って来ていたシロを両手で抱え直した。
モフモフの体で蜘蛛を視界からシャットアウトする。そう、これは断じて怯えているのではなく、ただ愛猫を可愛がっているだけだ。
「顔を寄せるでないわ。必死さが透けておるぞ」
不機嫌そうに、しかも核心を突くような低い声で囁かれたが、境界堂に着くまではこの防壁を手放すわけにはいかない。聞こえないフリをして我慢してもらった。
……着いたら顔を容赦なく引っ掻かれた。痛い。
夕食を終えてからも、僕は縁日のことを考えていた。
ファニーは射的で取った景品を、嬉しそうにテーブルへ並べている。シエルはモバイルバッテリーを充電しながら、説明書を読んでいた。シロは窓際で丸くなっている。
いつも通りの夜だ。
なのに、僕の中には、まだ何かが引っかかっていた。頬の真新しい引っ掻き傷がじくじくと痛む。
何だっただろう。
縁日の途中で感じた、あの妙な感覚。
ファニーとシエルが、こちらへ駆けてきたとき、僕は安心した。それは分かる。でも、何に安心したのかが分からない。
「……」
二人が無事だったから?それなら、いつものことだ。
二人が僕のところへ戻ってきたから?……それも、少し違う気がする。
「おぬし」
シロの声がした。
「まだ分からぬか。まったく、ふがいないの」
「何が?」
「そなたじゃ」
「僕?」
シロが、ふいに欠伸をした。そして、金色の瞳を細める。
「ファニー。食器棚の左から二番目に入っている日本酒を持って来るのじゃ」
「え?飲ませるの?」
「飲めば分かる」
「何が分かるんですか?」
シエルが訊ねる。
「それはこれから分かることじゃ」
嫌な予感しかしない。
「僕は別に、お酒がなくても答えを出せるよ」
「そう言っておるから、いつまで経っても分からぬのじゃ」
「……」
反論できない。
ファニーが酒瓶と杯を持ってくる。
「はい、マスター」
とぽとぽと注がれた酒を眺める。透明な液体。匂いは分かるし、味もたぶん分かる。なら、飲んでも問題ないか。僕は杯を受け取った。
「じゃあ、少しだけ」
お猪口一杯くらいなら、お祭りの賑やかしにちょうどいい。自分の酒の弱さは知っているけれど、たったこれだけなら大丈夫なはずだ。そんな油断とともに、差し出されたそれを口に含む。
だが、喉を通る灼熱感は、思ったよりずっと強かった。
「……けほっ」
咳き込んだ。熱はすぐに胸へ、そして全身へじわじわと染みていく。頬が熱い。耳も、指先までぽかぽかする。
「……あれ」
頭が少し軽い。さっきまで聞こえていた空調の音が、やけに遠い。視界がほんの少し揺れて、目の前のファニーが一瞬二人に見えた。
「……ふふ」
一人しかいないのに。おかしい。まばたきをすると、ちゃんと一人に戻った。それがまた、おかしい。
「……あれ、なんでだろうねぇ」
「マスター?なんで笑ってるの??変だよ??」
「顔が真っ赤ですが、もしや下戸なのでは」
下戸。そうなのかな。いや、そもそも下戸って何だっけ。考えようとした瞬間、考えること自体が可笑しくなった。
なんか、すごく楽しい。
「ほれ。くるぞ」
シロの声が、遠くから聞こえた。
何が?まあ、いいか。
ファニーとシエルを見る。二人とも、きょとんとした顔で僕を見ている。ただそれだけなのに、どうしてこんなに可笑しいんだろう。瞬きひとつ、首の傾げ方ひとつ、シエルが何か言おうと口を開くその仕草まで、何もかもが可笑しくてたまらない。
「ふふっ」
息が苦しい。涙まで出てくる。それでも笑いが止まらない。
何を見ても、何を考えても可笑しい。世界中がギャグで満たされているみたいだ。
「あはっ、あははははっ!」
ああ。僕の大事な子たち。どうしてそんな顔をしてるの?
■シエル視点
「……あっはははは!」
真っ赤な顔をしたマスターが、突然机を叩いて笑った。見たことがないほどの満面の笑みを浮かべている。この人は、表情筋が殆ど死んでると思ってたのに。
「笑い上戸じゃ。溜め込んだ本音が漏れるぞ。ほれ、スマホを貸せ。録画をするのじゃ」
「あ、ああ……」
俺とファニーは、思わず顔を見合わせる。シロだけが満足げに目を細め、俺のスマホを構えて録画をしていた。
「ふふふ。いやぁ、面白くないねぇ」
「な、なにが?」
ファニーが恐る恐るマスターに聞く。
「君たちが楽しそうに他人と話しているのが!」
目だけが射抜くように鋭い。
「合理的ではないのに、胸がざわついた!」
「それはどういうことですか……?」
「僕が守るべき対象が、他の誰かに笑いかけるとだね、妙に落ち着かない!」
机をばしん。今度使う事前調査の書類が飛んでいった。後で拾わなくては。
「非効率! 非論理的!」
「つまり……その感情の正体は」
マスターはバッと手を広げ、俺たちを見る。
「独占欲というやつかな!」
笑顔全開で言い切った瞬間、部屋の空気がわずかに揺れた気がした。テーブルの上、飲みかけの杯が小さく震えている。
ファニーが戸惑った顔でマスターを見つめている。それはそうだろう。普段は感情の起伏を数値化するみたいに淡々と喋る人が、今は目尻まで赤くして、隠しようもなく浮かれている。
言動が普段とかけ離れているのに、いや、かけ離れているからこそ、これが偽りようのない本音だと分かってしまう。どう受け止めればいいのか、俺自身まだ答えが出せずにいた。
マスターの頬が、さらにふにゃり、と緩む。
「面白いなぁ、感情って。境界堂を開いてから捨てた筈だったのにねぇ〜。あははは!」
指先で空をなぞる。何もない場所を撫でるその仕草は、つかめない何かを、それでも楽しむみたいに見えた。普段のマスターなら絶対にしない、意味のない手の動き。
シロがうむ、と頷いた。長い尾がゆっくりと床を叩く。
「ようやく人間らしいの」
満足げな声だった。まるで、ずっと待っていたものがようやく出てきた、とでも言うように。
笑い続けているマスターに、俺は静かに問う。声が思ったより低く出た。
「……嫌だったのか」
彼は一瞬だけ真面目な顔をした。笑い皺の残った顔のまま、目だけが急に素面のときの色に戻る。そしてまた、すぐに笑う。取り繕うみたいに。
「嫌というより」
少し声が落ちる。酔いで緩んでいた輪郭が、その一言だけくっきりと固くなった気がした。
「置いていかれる気がした」
ぴたりと空気が止まる。ファニーが息を呑む気配がした。
「僕は人と深く繋がるのが下手だからね。君たちが他で完成すると、僕の役目が消える気がした」
言い終えて、マスターはまた曖昧に笑おうとした。けれど、口の端が少し引きつっただけで、うまく笑顔の形にならなかった。
ファニーが、ゆっくり近づく。迷いのない足取りだった。
「バカ」
ぽす、と額を小突く。乾いた音が、やけにはっきり響いた。
「役目とかじゃない」
俺も隣に立つ。何を言うべきか、実のところ言葉を選んでいる余裕はなかった。気づいたら口が動いていた。
「俺たちは選んでここにいる」
マスターは瞬き、笑いが少しだけ震える。今度の震えは、さっきまでの浮ついた笑いとは違う種類のものだった。
「……対等、だったね」
呟くように言ってから、両手でファニーと俺の手を握った。指が思ったより冷たい。酒で火照っているはずなのに。
「でもね、取られる心配をするほど、僕は信頼されていないわけじゃない」
目が柔らぐ。さっきまでの、どこか怯えたような光が薄れていく。
「僕の隣に、君たちは戻ってくる」
一瞬、声が低くなる。確かめるような、それでいてどこか懇願するような声色だった。
「だから、僕が嫉妬しても、離れないでね」
「は!? 離れるわけないでしょ!」
ファニーが声を裏返らせた。握られた手を、逆に強く握り返している。
「俺たちは選ぶ側です」
言いながら、自分でも少し驚いていた。こんな言葉、普段なら絶対に口にしない。でも、今は不思議と迷いなく出てきた。
「うん。知ってる」
マスターが小さく笑った。今度は、さっきまでの誰かに見せるための笑顔じゃない。ただ安心したような、力の抜けた笑い方だった。
その直後、マスターが俺たちの手を引いた。
「え?」
次の瞬間、二人まとめて抱き寄せられる。
長身で細身に見える身体からは想像できないほど、腕の力が強い。加減の利かない力でぎゅうっと抱きしめられ、そのまま身体ごとのしかかってくる。
「あわっ!マスター苦しいって!」
ファニーが腕の中でもがく。
「ちょっと、力が強すぎます。離してください」
俺も抱きしめられたまま、どうにか腕を押し返そうとする。
「うんうん、ごめんねぇ……」
謝っているわりに、腕の力はまったく緩まない。むしろ、ぎゅう、と抱きしめる力が強くなる。
「ちょ、マスター……!」
ファニーの声がくぐもった。俺も息苦しさに顔をしかめる。
そのまましばらく、何かを確かめるように俺たちを抱きしめていたマスターが、ふっと息を吐いた。
「僕の……大事な子たち……」
声が、ひどく優しかった。
「……だいすきだよ」
抱きしめていた力が、ふっと抜ける。
「え?」
その一言に、ファニーが声を上げた。
次の瞬間、マスターの全体重が俺たちに預けられた。
「うわっ!」
「重っ……!」
二人で慌てて身体を支える。
マスターは俺とファニーの肩に頭を預け、そのまま規則正しい寝息を立て始めた。
「……完全に寝たな」
「うう……苦しかったぁ……」
俺たちは顔を見合わせ、同時にため息を吐いた。このままでは二人とも潰される。
「仕方ない。ソファに運ぶぞ」
二人がかりでマスターの身体を支え、すぐ脇のソファへと移す。毛布を掛けてやると、マスターは何事もなかったように眠り続けていた。
「くくく……ほれ、スマホを返しておこう。こやつは酒が入ると記憶が飛ぶからの。起きたときに突きつけると良いぞ」
「うん!まかせといて!」
「……そうだな」
翌朝。
朝食を終えた俺とファニーは、食後の緑茶を飲んでいた。淹れたての熱いお茶を啜る。渋みと熱が心地いい。
「……やはり熱いお茶に限る」
「シエル、おじいちゃんみたい」
ファニーは湯呑みに氷を浮かべ、渋みに顔をしかめている。
「私は甘いほうが好き」
「渋みは当たり前だろう」
「だって口がぎゅーってなるもん」
そんな会話をしながら、俺たちはちらちらとソファを見る。
マスターは、まだ眠っている。
「……起きないね」
「ああ……」
そのとき、ソファから小さく身じろぎする音がした。
「ん……」
マスターが目を覚ます。ゆっくり身体を起こし、片手で頭を押さえた。髪はところどころ跳ねている。
「……なんで、ここで寝てた……?」
寝ぼけたように呟き、ふと顔を上げる。そこで初めて、俺とファニーが見ていることに気づいた。
「……」
固まった。
俺たちも何も言わずに見つめ返す。
マスターの目が、俺、ファニーへと順番に動く。
そして、もう一度俺たちを見る。
「……」
額に、じわりと冷や汗が浮かんでいく。昨夜の記憶を探しているのだろう。
やがて、絞り出すような声が漏れた。
「……昨日の記憶がない」
「奇遇ですね。俺は全部覚えています」
スマートフォンを取り出す。昨夜のうちに、ちゃんとバックアップまで取っておいた。この男が「なかったこと」にしようとするのは分かりきっていたから。
「悪いけど、忘れてほしい」
「無理です」
「……即答だねぇ」
乾いた笑いが返ってくる。まだこの時点では、余裕があった。
昨夜の映像を再生する。画面の中で、真っ赤な顔をしたマスターが笑っている。声量までしっかり録れていた。
『だから、僕が嫉妬しても、離れないでね』
「――っ」
マスターの顔が、一気に赤くなった。今度は酒のせいじゃない赤さだった。
「消そう」
「嫌です」
「シエル」
「嫌です」
食い下がってくる声を、二度とも即答で切り捨てる。隣でファニーが肩を震わせているのが分かった。笑いを堪えているらしい。
「マスター、すっごい顔」
「……酔っていたからね」
「でも、本音だったんでしょ?」
「……」
マスターが視線を逸らした。答えの代わりに、スマホの画面をじっと見る。何かを確かめるみたいに、映像の中の自分を見つめている。しばらくして、ようやくこちらを見た。何かを覚悟したような顔だった。
「……君たちはどうなんだい」
「何が?」
「僕が、他の誰かと楽しそうにしていたら」
「嫌」
ファニーが即答した。考える間もなく口から出た、という感じの速さだった。
「俺も嫌です」
自分でも、驚くくらい迷いがなかった。
「……そう」
マスターの口元が、ゆっくり緩んだ。安堵と気恥ずかしさが混ざったような、なんとも言えない表情だった。
「それを嫉妬という」
「……」
「……」
ファニーと顔を見合わせる。なぜか、二人とも顔が熱い。自分で言った言葉のはずなのに、改めて指摘されると急に恥ずかしくなるのはなぜなんだろう。
「なんで私たちまで恥ずかしくなるの!?」
「俺に聞かないでください」
マスターは楽しそうに笑っていた。さっきまでの狼狽ぶりが嘘みたいに、機嫌よさそうな顔でそのまま立ち上がる。
「……っと」
マスターが立ち上がった。けれど、足元がふらつく。
「マスター!」
ファニーが慌てて腕を掴んだ。
「うわ、重っ!くさっ!」
「自業自得です」
俺も反対側から支える。
二人で支えているうちに、マスターはどうにか姿勢を立て直した。
「……役目が消える気がした、か」
ぽつりと呟く。
「昨日の僕は、そんなことを言ったんだね」
「言いました」
「……そう」
しばらく黙っていたマスターが、俺たちを見る。
「でも、違ったな」
「何が?」
「役目じゃない」
マスターがファニーの手を握る。それから、俺の手も握った。
「君たちは、僕が守るからここにいるんじゃない」
「うん」
「自分で選んで、ここにいる」
「そうだよ」
マスターが少しだけ笑った。
「……選ばれているのは、悪くないね」
ふっと視線を逸らす。
「慣れていないだけだ」
ファニーが、マスターの胸にぽすっと額をぶつけた。
「やっぱ素面のほうが強いわ」
「同感です」
酔った勢いで吐き出した本音より、こうして自分で選び取った言葉のほうが、ずっと重い。
「そうかなぁ」
マスターは不思議そうに笑った。そして、ふと俺たちの湯呑みに目を向ける。
「……僕もお茶、飲みたいな」
「二日酔いが覚めるよう、熱くて渋いものを出します」
「……せめて、ぬるくしてくれる?」
思わずファニーと顔を見合わせた。
「自分で熱いお茶がいいって言ってたじゃん」
「今は言ってないよ」
マスターが弱々しく笑う。
俺は湯呑みを手に取った。
「では、少し冷ましてきます」
「助かるよ」
いつもの朝だった。




