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隣の席の銀髪美少女ギャルは毎日俺の家に遊びに来ていることをクラスの皆には知られたくないらしい  作者: 二十四
一章

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10/15

これってコピペですか?

 

 球技大会まで一週間を切ったある日の放課後。


 この前言っていたように、莉々愛さんと放課後バドミントンの練習に励んでいるせいか、ここ最近は家に遊びに来なかった星羅さんが久々に小宅家のインターホンの前に立っていた。


 俺がエントランスの扉を開けて暫し待つと、星羅さんは玄関を開けるなりいつもは立てることのない足音をバタバタと立てながら俺の部屋へと向かってくるのが分かる。


 そうして、星羅さんが俺の部屋にたどり着いた途端、ボスンとベットに倒れ込んだ。


「オタクくん!マジでもう無理!助けて!」


 星羅さんのそんな様子に、俺がどうしたどうしたと驚いていると、星羅さんはそんな叫び声をあげた。


 一応ベッドの上に置かれている枕を口元に当てて、できるだけ叫び声を小さくしようと努力はしてくれて居ることに器用だなぁ……と、少し見当違いの感想が思い浮かぶ。


「……どうしたのさ?」


「莉々愛だよ!莉々愛!……あの子マジヤバイの!」


 相変わらずのくぐもった悲痛な叫びとともに、星羅さんは自分の携帯に表示された動画の再生ボタンを押す。


 再生された動画には、何処かの公園の芝生の上で、高校のジャージに着替えた星羅さんと莉々愛さんの二人がバドミントンのラケットを手に、なにやら声を掛け合っている様子が映し出されていた。


 二人を映す画角が少し下からであることを考えると、この動画は何かに立てかけて撮られたものなのだろう。


 普段の体育の授業で女子のジャージ姿は見慣れているかと思ったが、いざこうして外の公園でジャージ姿で練習に励む二人の姿は普段の2割増ぐらい魅力的に映る。


 閑話休題(それはさておき)


 動画を見ていると、星羅さんがいくよ~と莉々愛さんに声を掛けてから打ち出されたシャトルは綺麗な放物線を描いて、へっぴり腰で妙な構えの莉々愛さんの胸元に吸い込まれていく。


 おぉ、すげえ……


 俺のバドミントン知識といえば、精々がバドミントン部を舞台にした漫画から仕入れたものなので、詳しく何処がすごいかは説明出来ないが、それでも素人目にも星羅さんがバドミントンが上手いというのはその数秒だけでも伝わってきた。


 まあ星羅さんが運動が得意なのは知っていたし、想定通りと言えなくもない。


 問題は星羅さんが言っていたように、莉々愛さんの方だ。


 きれいに胸元めがけて飛んできたシャトルを莉々愛さんの振ったラケットが掠りもせずに通り過ぎる。


 少しタイミングがあっていないとかそういうレベルを通り越しているのは、ラケットを振り切った莉々愛さんの頭にコツンとシャトルが当たるのを見れば直ぐに分かる。


 タイミングは勿論、ラケットを降る場所すら見当違いの場所を振っている。


 動画の中の星羅さんはそんな莉々愛さんの様子を見てケタケタと笑っているが、それも最初のうちだけで、星羅さんが打っては空振り、打っては空振り、空振っては頭に当たり……


 最初は俺も、運動が得意じゃない人もいるよねーなんて軽い気持で動画を眺めていたが、いくら動画のシークバーを動かそうとも変わらない光景に流石に言葉を失ってしまった。


「ほ、ほら初日だろ?この動画。今は流石に、少しは上手くなってるでしょ?」


 一縷の望みにかけて俺がそう言うと、星羅さんは俺の手から携帯をひったくって、しっかりと撮影日が昨日の動画の再生ボタンを押して俺に手渡してくる。


 恐る恐る動画を確認すると、全く進歩のない莉々愛さん。勿論シークバーを動かしてもそれは変わらない。


「何度も何度も何度も何度も全く同じ光景見せられて、莉々愛も一生懸命やってるのは分かるから責めるわけにもいかないし……私このままだとノイローゼになる」


 改めて星羅さんを見てみると一週間前より少し痩せた気がする。……いや、やつれたのか。


 星羅さんはじくじくと非情に暗いネガティブなオーラを纏ってベッドに埋もれる。


「……つっても、俺もバドミントンやってた訳じゃないしなあ」


「なんとか出来ないかな……?オタクくんしか頼めないの」


 よっぽどのトラウマを植え付けられたのか、星羅さんはうるうると目の端に涙を貯めながら捨てられた子犬のように俺の顔を覗き込んでくる。


 確かに男子のドッジボールの面子以外はちゃんと放課後その種目のメンバーで集まって練習をしているのを最近はよく見かけるし、頼めるのが俺しか居ないのは分からなくもない。


 分からなくもない……のだが……


 美少女にこんな目をして頼み込まれたら、なんとかしてあげたくなってしまうが、たかが一オタクの俺がなんとかできるかどうかはまた別の話だ。


「無理……かな?」


 星羅さんは不安そうに瞳を揺らし、俺の様子を伺うようにじっと俺の瞳を見つめてくる。


「……手伝うのは全然良いよ?でも、精々漫画知識しか無いけど、大丈夫か?」


 流石にこの前ドッジボールも頑張ると星羅さんに言ってしまった手前、少しぐらいは体を動かして置きたかったし、知り合いがここまで困って居るのに手を貸さないという選択肢は無い。


 莉々愛さんのあそこまでの運動音痴ぶりに、素人の俺が口を出してよくなるのか、と言われると少し困ってしまうが……


 のろのろと体を起こした星羅さんは心の底から感謝を浮かべて俺の手を取ってブンブンと上下させる。


「ありがとね、ほんと。一緒に手伝ってくれる人いるだけでもありがたいよ……私はね、もう、今日は何もしないことにした、メンタル回復の日にする」


 言って、星羅さんは言葉通りうつ伏せでベッドに倒れ、冷凍マグロのようにピタリとも動かなくなった。


 俺はというと、手伝う以上ちゃんと勉強をする必要があるし、とりあえず本棚に並んでいるバドミントンの漫画の一巻を手に取った。


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