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今までの話は何だったの?

「お前ら、その箱を開けてみろ」


 小犬丸さんがおじいさん達に話しているけど……


「でも般若の面の男は開けるなと……」

「俺達は騙されていたんだ。開けても問題ないだろう」


 おじいさん達は本当に箱を開けていなかったの?

 私だったらこっそり開けて中を見ちゃうよ。


「俺が思うに……その箱はすり替えられてるはずだっ!」


 小犬丸さんがテレビに出てくる探偵ばりに張り切っている……

 この状況を楽しんでいるね……


「え!? じゃあ本物は!?」

「まさか俺達に盗ませて本物は自分が!? でも駿河様の脳なんて存在しないんじゃ……俺達は何を盗まされたんだ?」


「真葵ちゃんの父親の家にある骨董品でも盗ませたんだろ。ほれ、あの家は立派だろ。高価な物がいっぱいあるんじゃねぇか?」


「確かに立派な建物だった。俺達は家から少し離れた所で待っていたんだ。近くで待たせたら勝手に中に入りそうだからそうしろと孫に言われて……」

「孫二人で家の中に入ったんだ。般若の面の男は外からその手引きをしていたらしい。盗んできた古そうな箱を男に渡すと『これで間違いない。早く群馬で儀式を始めろ』と言われたようだ。その時偽物とすり替えたのか!」


「なるほど。箱が置いてある場所を般若の面の男は知ってたんだなぁ。でもに群馬に来たんは今日なんじゃねぇか? それまではどうしてたんだ?」


「『絶対に群馬に行ったらダメだ』と孫にとめられていたんだ」

「神棚に大事に大事に祀っていたのにまさか騙されていたとは!」


「神棚に……大事にしてたんだなぁ……」


「あれだけ大きい家のどこに箱があるか知っていたんだ。前に家に入った事がある家主の知り合いがあの般若の面の男だったんだ! 俺達を利用する為に嘘をつき近づいてきたに違いない」

「俺達がそれに気づいても孫が盗んだから通報はできない……あの男……赦せない!」


「事件になってる事を知られねぇように電波が届かねぇここに来るように仕向けたんか。酷い話だなぁ」


 って言うよりは……

 窃盗の全ての罪をおじいさん達に被せて群馬で口封じをするつもりなんじゃ……

 

「俺達の忍びへの憧れを利用するなんて……」

「そんな高価な物を盗まれたならきっと今頃被害届が出されているはずだ」


「んん? 真葵ちゃんの父親は驚くほどの金持ちなんだ。言われなきゃ気づかねぇかもなぁ。それに今は留守だし、前もってかわいい娘の真葵ちゃんから知らされれば被害届は出さねぇんじゃねぇか?」


 うわ……

 小犬丸さんはとんでもない嘘をついているよ。

 私はそんな裕福な環境で育っていないのに……

 

「驚くほどの金持ち? 確かにお嬢さんの着物はかなり高価な物のようだ」

「品のある素敵な女性だし……育ちが良いんだな」


「ははは! そうだなぁ。滲み出る気品があるよなぁ」


 少し前までキノコが生えるようなオンボロアパートで暮らしていたなんて言えない……

 小犬丸さんはそれを知っているはずなのに『滲み出る気品』なんて……

 あれ?

 よく見たら笑いをこらえるような顔をしている……

 

「お嬢さん……お父さんに連絡してくれるか? 盗まれた骨董品を取り戻せればいいんだが……無理だろうから同額を払わせて欲しい……」

「どれくらいの価値の物なんだろうな。中身すら知らないから……」


「それなら問題ねぇ。さっきも話しただろ。俺らの里の奴は皆、忍びの末裔として暮らしてるんだ。もう般若の面の男の情報は入手済みだ」


 え!?

 そうなの!?

 おじいさん達は忍びに憧れているから小犬丸さんを羨望せんぼうの眼差しで見つめているけど……

 今までの会話は全部茶番だったんだね……


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