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少しずつ明らかになる真実? (1)

「……閉じ込められる必要がない?」


 閉じ込められる覚醒者と閉じ込められない覚醒者の違いはなんだろう?


「施設に閉じ込められる理由は何だろうな……それが分かれば……」


 叔父さんの言う通りだね。

 そういえば……


「ねぇ、叔父さん。ずっと不思議だったんだけど……」

 

「何だ?」


「ママはワイヤレスイヤホンみたいな物を耳に入れていたって聞いたの」


「ああ。近所の保護対象者に聞いたのか。そうだ。今もしている」


「スーパーのレジのおばさんがね『父親が覚醒した時に耳にワイヤレスイヤホンみたいな物を入れられた』って教えてくれたの。でも、叔父さんもおじさんも真理ちゃんを見守るおじさんも入れていないよね?」


「そうだな……葵はあれを耳に入れると嫌な声が聞こえないと言っていたが……他人の声も心も聞けるようだから駿河の『殺せ』の声だけが聞こえなくなるのかもしれないな」


「……『殺せ』っていう声が聞こえる人だけを保護している……とか?」


「どうだろうな。所属してる施設の覚醒者にしか会えないからな……」


「……そうだよね」


「それなら……分かるよ」


 真理ちゃんを見守るおじさんが言葉を選ぶように話し始めた?

 私達には話したらいけない事があるけど、イヤホンの事は話してくれる……みたいな感じがする。


「教えてくれるの?」


「……そうだね。うーん。イヤホンの事なら問題ないかな。ごめんね。話せない事ばかりで」  


「私に話したせいで罰を与えられるなら話さないで欲しいよ」


「……真葵様。優し過ぎて心配になるよ……本当は知っている事を全て話したいけど……ごめんね」

 

「ううん。ありがとう……」

 

「……あの耳栓は……ほら、ノイズキャンセリング機能みたいなものかな。『雑音だけが聞こえなくなる』みたいな物だよ」


「駿河の声だけが聞こえなくなるイヤホンっていう事?」


「上からはそう聞いているよ。でも、上からの話を全て信じていいのかは分からないけどね。俺は繋ぐ者では中間くらいの立場でね。知らされていない事も多いんだよ。全てを知るのは上位層でも一握りじゃないかな?」


「そうなんだね」


「でも……勇真さんは真葵様を施設に入れようとしていない……それは何か意味があるのかもしれないね。あ、これは俺の考えであって真実かは分からないよ。……これは知っているかな? 施設に保護されている覚醒者はそれぞれの施設の長が『覚醒認定』しているんだ。繋ぐ者に報告する必要はあるけど他の施設に報告する義務はないんだ……うーん……」


「……? おじさん?」


「あぁ……これは俺の想像でしかないけど……」


「……うん?」


「初めからある五つの施設の長は駿河の里の忍びなんだ。後からできた『繋ぐ者に認められている施設長』は忍び以外の人達もいる。中には覚醒者ではない身内に良い暮らしをさせたくて覚醒者だと嘘をついて保護してしまう人達もいるんだ。もちろん繋ぐ者に知られたら施設ごと消されるんだけどね」


「どうしてそんな事を? 絶対にバレるよね?」


 繋ぐ者が怖くないのかな?

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