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世界の中心が君になった日
雨が静かに降る春、私は朝から怪我をして保健室にいた。
保険の先生から処置を受けたあと教室に入ると、ひとりの生徒が読書していた。黙って席に着き、宿題を確認していると、声をかけられた。顔を上げると、よかったら、とタオルを差し出された。
……あ、私、ぬれたままだ。
お礼を言うと「傘、忘れた?」と、きかれた。
「ううん、転けちゃって」
「入学したばかりでローファーは慣れないよね。タオルはもうひとつあるから気にしないで」
「ありがと……。えっと……」
「黒岩東真だよ。飯沼星奈さんだよね? これからよろしく」
「こちらこそよろしく」
転けたときに笑われた恥じらいを消し去るほどの、優しい笑み。
これが映画の撮影だと言われても信じられるほどの、きらめく窓外の桜。
静かな雨が春を包んでいた。
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Day8お題 アミュレット




