寒空の下、決心する
冬休みが終わり、成人の日。私たちは学校帰りに神社に寄った。本殿を前に、かばんからグラスを三つ取り出す。
「見てください、神様。こっちが私と東真の、こちらが神様のぶんです。私たちが作ったグラスをお納めください~」
私は明るく弾んだ声で言ってみた。
冬休み中、年末は短期バイトをし、年が明けたあとはグラス作りのワークショップに行った。君と遠出のデートがしたかったし、お揃いの持ち物がほしかった。だけど、いちばんは寂しがりの神様へのプレゼントだった。
「星奈は手先、器用だよね」
君はそう言いながら、私が作ったグラスを手に持つ。
「押し花の栞を作ってたみたいだし、作るのが苦じゃないタイプなのかも」
「小中はどうだった?」
「そこまで作るの興味なかったかなぁ。君にだから作る気になるわけで……」
発言したあと、とてつもなく恥ずかしいことを言った気がしてきて、私は口を固く引き結んだ。君にはそっぽを向かれ、首の後ろ辺りが汗をかき始める。
「ま、まぁ指導してくれたスタッフさんのおかげだよ、うん!」
ごまかすように大きな声で言う。
君は大きくうなだれ、あからさまに落ちこんだ顔をしている。
「東真?」
「指導された上でコップの原型をとどめられなかったぼくの立場……」
「あ、そうそう聞いてくださいよ、神様。東真は最初失敗して――」
「恥ずかしいからやめろ」
冷たい風が吹いた。君は立ち位置をずらして風が当たらないようにしてくれた。大丈夫だよと言っても、我慢しているように受け取ったのか、頑なに動かない。でも本当に、ちっとも寒くなかった。
君が声をかけてくれて、神様が君を気にかけてくださって、黒猫が助けてくれたから、私は今、ここにいる。寒さに心地よく感じられる。本当、十分すぎるほど守られている。私も君を守れるようにならなくちゃ。
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Day30お題 びいどろ




