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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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929/3918

929:大問題を聞かされよう。

「かさばるのはともかく、この体ですと背中に積むと荷崩れを引き起こす可能性が高くて……」


「あー、歩くだけですっごい揺れるなら、荷物もガッチガチに固定しないと大変かぁ」


 そうか、ボックス内みたいに固定されてないから、下手するとそこら中にバラ撒いちゃうのか。


 ……ボックス(あれ)は固定されてるって言うのかな?

 まぁ崩れたりしないんだし、言い方は何でも良いか。



「そうですね」


 おや、口を開いてた手を離して、「少し離れてください」ってジェスチャーだ。


「慣れていないとはいえ、軽く足踏みをするだけで……」


 おー、本当だ。

 手を腰の横について少し構えたと思ったら、左右に五十センチ近い幅で揺れ始めた。


 あぁうんなるほど、構えてないと揺さぶりで、腰とか首とかがえらい事になるんだな。



「この様になりますので」


 ピタッと止まって軽く頭を振り、言葉を続けるシャルロットさん。

 今の揺れに慣れるって、かなり辛そうだな……


 しかも今のは軽く動いただけだから、走るとなるともっと酷いんだろうし。

 まぁそこは慣れとあまり揺れない動作の慣れで何とかするのかな。


 なんともならないから気合で耐えるって可能性も有るけど。



「確かに今の揺れじゃ、大きい物や壊れ物は危ないねぇ」


「うむ。ところで、今そこに積んでいる物は無事なのか?」


 あ、そういえば後ろに箱乗っけてたな。


「あ、それは大丈夫です。あまり重い物は入っていませんし、固定もしてありますから」


「ふむ」


 大丈夫だった。

 っていうかアリア様は、なんで草を捏ねてリンゴみたいな形を作ってるんだ。

 さっきのお姉ちゃんに対抗してるのか。




「あ、そうだ」


 お姉ちゃんが何やら閃いたらしい。


「鞄がダメになったんだったら、【アイテムボックス】を取れば良いんじゃない?」


 あ、割と普通な解決法だった。

 いや、別に普通で何も悪くないんだけどね。



「それも手なのですが……」


「ですが?」


 おや、何か問題が有るのか。


「先程の『権利』の話に戻るのですが、更に大きな問題が有りまして」


「え、今度は何?」


 鞄も結構酷いけど、更になのか。

 まぁこのゲームの開発だし、どんな仕様が有ってもあんまり不思議じゃないもんなぁ。



「えーと、ですね」


 おや、可視状態のパネルを開いてこっちに…… ってなんだこれ。

 ステータスとかスキルとかの文字が灰色になってるじゃないか。


「見ての通り、殆どの機能がロックされているんです」


「えぇ…… これって、もしかして出来るのはログアウトだけって事?」


「一応、一部の設定なども触る事は出来ますが、基本的にはその認識で間違い無いかと」


 シャルロットさんが頷きながらスキルの文字を触ると、パネルに「権限が有りません」って文字が浮かんですぐに消えていった。

 持ち主なのに、付け替えどころか確認さえさせてもらえないのか……



「飼い主次第って事だろうな」


「恐らくは」


 あぁ、主に全部を委ねちゃうのか……

 っていうか飼い主って言い方はどうかと思うよジョージさん。


「もうちょっとこう、主君とか契約者とかの方が良いんじゃ……」


 あ、お姉ちゃんがツッコんだ。

 同じ所に引っかかったんだな。


「似た様なもんだろ」


「ですね」


「えー……」


 シャルロットさんが普通に同意してて、それ以上何も言えなくなってる。

 「カッコ良さ」を重視してた割に、夢が無いぞ、夢が。



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