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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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857/3919

857:突進に対処しよう。

「んーと、まぁなんでああなったかって言うと話は単純なんだけど」


「なんでなの?」


「ラキちゃんががおーって突進していったのを、スライディングで下を抜けようとして失敗したっぽい」


「失敗したというより、読まれていたといった感じでしたね。アヤメさんが滑り込もうとした時には、既にブレーキをかけ始めていた様です」


「あー、なるほど……」


 誘いに乗って、まんまと自分から踏まれに行っちゃったってわけか。

 一応手加減はしてるはずだし、本来の反応速度で見てから潰したって事は無いだろう。


 あ、下からぺちぺち叩いてる。

 ギブアップって事かな?



「っていうか、なんでわざわざ下を?」


「これの前にも何回か突進されてるんだけど、他の方法でも大抵は轢かれちゃってるんだよね」


「あ、やってはいたんだ」


「うん。その場や前は当然だけどあの体格差と単純なパワーの差で、受け止めるのはほぼ不可能。で、後ろに逃げてもラキちゃんの方が圧倒的に速いからやっぱり無理」


 うん、まぁそれはそうだろうね。

 ただでさえとんでもなく速いのに、今はラキの方が倍くらい大きいんだし。



「上は飛び越えるには高さも有りますし、ラキさんが両手を広げて待ち構えているのでやはりダメですね」


 あぁ、いらっしゃーいって抱き着かれるか叩き落されるかで、どっちにしろおしまいか。


「てことで普通に横に逃げるのが一番っぽいんだけど、ギリギリまで引き付けてから全力で横に跳んで、それでやっと避けられるって感じかな?」


「跳び出すタイミングが早いと見てからコースを変えられてしまいますし、タイミングやジャンプの速度が遅ければ間に合いませんしね」


 ……ラキにしてみればただの突進なんだろうけど、それだけで酷い難易度の攻撃になるんだなぁ。

 いや、まぁラキの本来の動きに比べれば、のんびり歩いてるのと変わらないんだろうけどさ。


 本気の突進なんてされたら、また認識さえ出来ずに消し飛んじゃうんだろうし。




 あ、アヤメさんがラキの下からもぞもぞ這い出てきた。

 ちゃんと潰さない様に加減はしてたんだな。

 ……さっきまできっちりぺちゃんこになってて、今やっと膨らんだのかもしれないけど。


「やっぱダメかー。でもちゃんと切ってはいたから、完全な無駄死にじゃなかったんじゃないかな」


 ん?


 あー、通り抜けようとしながら、同時に下からナイフでの攻撃もしてたのか。

 まぁ確かに上を高速で通り抜けていくんだから、突き出して固定出来ればそれだけで広範囲への斬撃になりそうだな。


 ある程度の力や切れ味が無いと、固定できずに武器が飛ばされるか、刺さったまま抜けずに引きずり回されて酷い事になるって事故が起きそうだけど。


 今回は切れ味は関係無いし、木剣でお腹をなぞったって感じか。


 お、ラキが頷いてアヤメさんの頭を撫でてる。

 頑張ったねーって感じかな?



「自分で言っといてなんだけど、潰されといて褒められるのはなんか違う気がするな」


「まぁ何か出来ただけマシって事なんじゃない?」


「そりゃそうかもしれないけどね。さっきなんて横に飛んだのは良いけど、出遅れたせいでクモ脚に巻き込まれてぐっちゃぐちゃにされたし」


 ……「踏まれる」ならまだしも、「巻き込まれる」なのか。

 ぐっちゃぐちゃって事は、かなりかき混ぜられたのかな。



「それ、体が柔らかくて良かったね……」


「もし普通の状態でやられてたら、とんでもない事になってただろうな……」


 巻き込まれ方にもよるだろうけど、とりあえず人の形は保てなさそうだよ。


 いや、まぁそれは普通に踏まれてもそうなるだろうけど。

 サイズの差と下半身の形状の違いで、十倍以上の体重差が有りそうだしね。



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