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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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833/3917

833:意味を確認しよう。

「せっかくだから『きれーな指だなー』ってさわさわしてたら呆れられちゃったよ」


「そりゃ呆れもするだろ」


 何がせっかくなんだろうか。

 まぁエリちゃんの言う事だし、深く考えるだけ無駄か。

 多分この場合は、意味なんて無いパターンだろうし。



「で、とりあえずどういう意味の二本だったのか色々聞いてみたんだけど」


「何だったの?」


「とりあえず最初に聞いた『二通りの死に方から選べ』では無かったよ」


「……なんで最初にそれが出てくるかな」


「無さそうだけど有り得なくもないところを選んでみた」


 ……うん、まぁ確かに有っても不思議では無い……のか?

 死んでも良いからって事で聞いた流れなんだし、何より【妖精】の関わってる事だし。



「で、結局解ったのか?」


「うん。出るためには二つの条件が必要なんだって」


「条件?」


 ただ死ぬだけじゃダメなのか。


 ……え、死んでも助からないの?

 いつも以上に性質が悪いな……



「そ。一つ目が管理人さんが持ってる端末から対象のページを開いて、出て良いよーって管理人さんが判子を押す事で」


「……端末なのに判子なんだ」


 サインとか指紋とかじゃダメなんだろうか。


「まぁインクとか付けるわけじゃなかったし、判子型の操作デバイスみたいなもんだねー」


「ああ、認証用って感じかな?」


「かなー。あ、ちなみにおねーさん、判子無くしてて大慌てで探してたよ」


「……なんで?」


 そんな大事な物を無くすんじゃないよ。

 そういうごめんなさいで済まなそうな物は、ちゃんと管理しときなさい。

 いや、それほどじゃなくてもちゃんと片付けておけとは思うけど。



「帰って来てるって事は見つかったのか」


「うん。なんかチェスの駒の中に紛れ込んでた」


「なんでだよ……」


 いや、それは本当になんでだ。

 見た目とは裏腹に、色々とダメな人なのか?



「ってか、チェスの駒に紛れるって判子にしちゃ小さくないか?」


「あ、それ逆」


「逆?」


「判子が小さいんじゃなくて、チェスの方がでっかかったんだよ。遠くから見ただけだけど、たぶん大きい駒だと私と同じくらい有ったと思う」


「……そりゃデカいな。向こうから見て、妖精さんくらいの大きさは有ったんだろ?」


「うん。まぁ現実にもそれ以上の大きさの物は売ってるし、普通のでもちゃんとしたやつは十センチ近いからそこまででも無いんじゃないかな」


「ほー。……よくそんなの知ってたな」


 うん、確かに。

 言ったのがレティさんだったら何となく納得できるけど、エリちゃんが言うとちょっと意外な気もするな。

 何を知っててもある程度は納得できそうなレティさんの方が不思議ではあるけど。



「ふっふー。ただのアホの子だと思ってた?」


「いや、別にそこまでは思ってないけど」


「ほんとにー?」


 うん、まぁ今みたいになる前は普通に兎さん達とパーティー組んで戦ってたんだし、その頃からかなり顔は広かったっぽいしね。

 『普通にしてればまともな人』くらいの認識はされてるだろう。



「まぁそれは置いといて。とりあえずなんとか見つかったって事で、私の名前と写真が載ってる画面の下の方に、ポンって押すのを見せてくれたよ」


「それが一つ目で、もう一つは何だったの?」


「そのページに表示されてる私の名前の下に、『0』って数字が書いてあってね」


「ゼロ?」


「うん。どうもそれ、罪の重さとかなんかそういうポイントらしいんだよね」


「……それ、完全に収容所とか刑務所とかじゃない?」


「だねー」


 まぁアレで送られる場所なんだし、今更だけどさ。

 もうちょっと大人しい生き物になれないもんかな。

 無理か。



「とりあえず、それが0点だっていうのが二つ目の条件らしい」


「それ、どうやってポイントの意味を知ったんだ?」


「ん? あー。これ何の数値かなーって思って、なんとなく当たりを付けておねーさんに『これ、ユッキーに対する何かですか?』みたいに聞いてみたんだよ」


 いや、なんで…… あぁいや、そうおかしくは無いか。

 私の体の中に居る時に付けられてるポイントだもんね。



「でもその人、喋れないんだろ?」


「いやー、喋らなくても凄い解りやすかったよ」


「ん、どういう反応だったんだ?」


「ユッキーって聞こえた瞬間にむすっとした顔になって頷きながら、数字の横の方をポポポンって連射して三点に増やされたからね」


「……さっき言っただろうがこの無礼者がって事か」


「うっかりだよねー。間違えたごめんなさいって謝って雪さんって言い直したら、ちゃんと元に戻してくれたからセーフだったよ」


 それ、一点でどのくらいの罪なんだろうか。

 というかそんな、おねーさんの気分でぽこぽこ加減出来て良いんだろうか。



 あとその点数、本来はどうやって減らしていく物なんだろう。

 何か中でのお仕事が有るとか、時間経過で少しずつ減っていくとかかな?


 まぁ別に使いたい能力でも無いし、解らない事は解らないままで良いか。



 ……でもなぁ。

 私が使いたがらない能力でも、何故か使う羽目になる事が多いからなぁ……


 いや、私が強く拒否しないからだし、仕方ないなら使うけどさ。

 ……仕方ないならとか言ってるから使わされるのは解ってるんだけどね。

 仕方ないよね。



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