816:変に持ち上げられよう。
「にしても本当、一度付けられたらどうしようも無いってのが酷いな」
「一度死ぬくらいしか外す手段が無いしね。まぁ信用出来ない相手を付ける事もそう無いだろうし、大丈夫でしょ」
「そりゃそうだけどな。ただ、もっと小さい状態の奴を知らんうちに付けられるって可能性も有るだろ」
それは確かに不可能では無いかも。
でも、実行するには色々と問題が有るよね。
「いやー、でも気付いてない相手に触れるくらいに近付くのって、私たちにはただの自殺行為ですよ」
「……あぁ、まぁそれはそうだけど」
人間が無意識にちょっと動くだけでも、こっちから見たら車に突っ込まれる様な威力になるし。
「何か当たったかな?」って手で触って確認なんてされたら、こっちは即死するし相手は嫌な感触を味わう羽目になるよ。
「それに多分、同意も無しにあんなのをくっつけようとしたら、PK行為みたいな判定を貰いそうですしね」
「あー、確かにどう考えても攻撃だもんな」
「あんなのとは何だー」
小さい時の口調で口を挟んでくる猫さんを、お兄さんと二人でスルーする。
どう考えても、そう言われて仕方ない存在だったでしょ。
「っつーか、今更だけどよく許されてるよな」
「ん?」
「いや、色々と町から追い出されても仕方ない仕様を抱えまくってるよなって」
「あー、まぁそこは全面的に同意します」
うん、否定を出来る要素がほぼ無いしね。
プラスが有るからってマイナスは無くなっていないのだ。
むしろマイナスの方がどう考えても大きいし。
「白雪さんの日頃の行いは、大変素晴らしいものでありますから」
「あー」
「いや、それこそ追放されない様に気を付けてるだけで、そんな言われるほど良い事してないでしょ……」
元々異常なくらいに好感度が高いのを、出来るだけ維持しようとしてるだけだよ。
というか、なんでいきなり人を持ち上げ始めるんだ、カトリーヌさん。
お兄さんも羊さんも、納得した様な顔をしないでくれ。
なんか恥ずかしいから。
「っていうか、それ以上の理由が多分有りますよ」
「ん、何?」
「衛兵さんとは別の警備の人たちが、多分町のそこら中に潜んでるんですけど」
「ああ、なんか聞いたことは有るな」
「その人達が強すぎて、いつでも殺せるからって理由で放っとかれてる可能性が高いですね」
「……あぁ」
隠密の人たちに気付けた事って無いし。
というかサフィさんみたいな接近しなくても殺せる人も、多分何人も居るもんなぁ。
殺して良いならいくらでも対応できるだろうし。




