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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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797:変な相手と争おう。

「まぁ潰されなかっただけ良いんじゃねーの?」


「そりゃそうだけどねー」


 それは確かにというか、そのパネルの素性を考えたら、潰すどころか目から頭に潜り込んで来たとしても不思議では無いよね。

 そこまでじゃなかったとしても、普通に引きずりこまれててもおかしくないんだし。



「でもなんか悔しいから、いじくり回してやるー」


「へし折られても知らんぞ」


 やめるんだ。

 こねくり回されるとちょっとくすぐったいんだよ。


 ん?

 なんか今、パネルの表面に黒い物が見えた様な?



「おぶっ」


 ……パネルから真っ黒な触手が伸びてきて、エリちゃんがビンタされた。

 今更だけど、何なんだあのパネルは。


「くそー、やったなー!」


「意味の解らん戦いを始めてんじゃねぇよ……」


 おお、今度はビンタされる前に捕まえた。

 ……うん、まぁ別に一本とは限らないよね。



 あ、一旦パネルを地面に置いて離れた。


「ぬー、中々の強敵……」


「いや、ほんと何やってんの」


「あの触手、ちょっとヌルッとしてて捕まえづらいんだよー」


「そういう事は聞いてないんだけど」


 なに遊んでんだって言ってるんだよ。

 流石にアレと仲良くしなさいとは言わないけどさ。


 ていうかアレがエリちゃんをぺちぺち叩くたびに、甘い味が来るのがなんかやだよ。

 私の舌はあんなのじゃないよ。



「んー、まぁいつまでも遊んでるわけにもいかないよね。この後の予定も一応有るんだし」


「ん? あー、それはまぁそうだね」


 研究所に行こうって言ってたけど、別にいつ頃行くとは決まってないから、実はそうでも無いんだけどね。

 あんまり遅くなると良くないって言っても、元々まっすぐ行っても十分遅かったし。


 ……っていうかジェイさんって寝るんだろうか?

 あの人たち、二十四時間ずっと起きてても、あんまり不思議じゃないからなぁ。



 そういえば誰も行きますよって話を通しに行ってないけど大丈夫なんだろうか。

 レティさんはそういうのは忘れそうにない感じの人だし、前に一人残った時に、別に要らないよって話でもしたのかな?


 ……まぁこの街の事だし、こっそり隠密さんが伝えてるって事も有り得るけど。




「というわけで」


「ん?」


「行ってきまーす」


「いやいやいや、行かなくて良いっていうか入り口狭くない?」


「心配するのはそこじゃないだろ」


 嫌な予感がすると思って相槌を打ったら案の定だよ。



「お邪魔しまーす」


「良いのか?」


「どうせ止めても無駄ですし……」


 うう、顔を突っ込まれた時点でもう口の中が甘い。

 ていうかカトリーヌさん、そんな「ずるいですわ」みたいな顔しないでよ。

 こっちだって好きで独り占めするわけじゃないんだ。


 ……いや、あれはどっち目線の羨ましさなんだ?

 うん、どうでも良いや。

 気にしてもしょうがないし。



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