1712:現地での立場を知ろう。
「ところで」
「はい?」
先頭に立ってずんずんと南東へ向かうアリア様が、何かを思い出した口ぶりで振り向いた。
後ろ向きに歩くのは危ないと思いますよ。
「行先は港という事で良いのだったな?」
「……なんで今になって確認するんですか。合ってるんで問題は有りませんけど」
七割がた進んでから訊く事じゃないというか、なんでその状態で先導してたんだ。
まぁ迷いなくまっすぐ来てたし冗談なんじゃないかとは思うけど。
隠密さんから一通り聞いてそうだし。
「大人しく待っててとは言っておきましたけど、能天気な子なんで周りに迷惑かけてなきゃ良いんですけどね……」
「ふむ、心配か?」
「本人は別に良いんですけど、他の人の邪魔してないかは心配ですね」
……別に良いのか。
自分の身は守れるだろうって信頼の表れなのかな?
「まぁその点は問題無かろう」
「と言うと?」
人魚さんの方が強いからとかそういう事じゃないよね。
「海に生きる者達にとって【人魚】という存在は、【妖精】に並ぶ崇拝の対象だからな」
「あー……」
まぁ仕事というか生活の場にふらっと出てきたりする高位種族なんて、話が通じるなら仲良くしておくに越した事はないもんなぁ……
そういう打算的な話は抜きで、純粋に信仰されてるって可能性も有るけどね。




