1704:中でも待たれよう。
「だ、大丈夫?」
お姉さんに心配されつつも、シルクがうんしょうんしょと家の門を開ける。
頑張ればなんとかなるにしても任せておけば良いだろうに、珍しく普通のお客様だからって張り切ってるな。
「おじゃましまーす…… あ、はい」
通って門を閉めようとしたお姉さん、シルクに「わたしのしごとです」って感じで遮られて手を引っ込めた。
まぁ大抵誰かが一緒に居たり近くの人が開けてくれたりで、ここの開け閉めをやる事ってあんまりないからなぁ。
……でもまぁ流石に重いみたいだし、人が居る時は任せた方が良いと思うよ?
家の中なら何とでもなるんだろうけど、お庭じゃ普通の人ほどの力は出せないんだしね。
「おっかえりー、あーんどいらっしゃーい」
「……うん、ただいま」
「あ、どうも。……テンション高いなぁ」
「まぁそういう人なんで」
奥に進むと何故かエリちゃんが待ち構えてた。
いや、居ても別に不思議では無いんだけどさ。
「あ、準備してくれてたんだ」
テーブルを見てみると、一人分のお茶の用意が済ませてあった。
見た感じ飲んだ後とかでは無さそうだし、招待されたお姉さんの分だろう。
「そうそう。モニカさんに言われて先回りしたのさー」
「あー、なるほどね」
一応園外とはいえ、あの位置ならモニカさんの感知範囲内か。
きっちり聞いててお手伝いを派遣してくれたんだな。
「こっちにどうぞー。良いお茶ですよー」
「ありがとうございます。それじゃ失礼して」
「淹れる私の腕には不安が有るけどねっ!」
「なんでそういう要らない事を力強く言うかな。というかエリちゃん、少なくとも人並には淹れられるでしょ」
「教えてもらったしねー」
うーむ、相変わらず全部ツッコんでたら疲れそうな人だよ、エリちゃんは。
まぁ気にしてても仕方ないし、私達もテーブルに移動するとしよう。
……あ、太郎が芝生の上にずべっと滑り落ちた。
うん、おつかれさま。




