1686:おうちで働こう。
北通りから路地に入って、大通りよりは少ないながらもそれなりに歩いてる人達に愛想を振りまきながらの帰り道。
正直これ以上好感度を上げる必要が有るのかって言うと無さそうなんだけど、別にやってて何か損をするわけでもないし。
未だにちょっと恥ずかしいって事以外はだけど。
あんまりやり過ぎてたらそれはそれで、アイドル気取りかって感じで反感を買う可能性だって有りそうだけどね。
こないだの勇者様じゃないけど、元々傍から見てたらズルい位な好感度の高さだし。
とはいえ全員に好かれようだなんて端から不可能に近いんだから、あんまり気にしててもしょうがないだろう。
非の打ち所の無い聖人みたいな人が居たとしても、逆にそういうのが気に入らないって人だって居る訳だし。
まぁ要は、人気になったからって調子に乗らない事だよね。
……その点には自信が有るかもしれないな。
なんせ本来の体というか顔がアレだから、あくまでもこっちでの補正や物珍しさのおかげがあってこその人気だって事は身に染みて理解出来てるし。
こっちでならボールを転がし返しただけで退避……は多分されるな。うん。
そもそも投げ返せないし最初に転がって来た時点で死んでるとかは置いといて、【妖精】が投げて来る様な物が危険じゃない筈が無いからね。
「ん? あぁ、ロシェさんか」
庭園の手前でやけに強い魔力を感知して、姿を見てすぐに納得する。
まぁカトリーヌさんが後ろに居る以上、あんな魔力の持ち主はあと一人しか残ってないんだけど。
「お、おはよー。お先に始めてるよー」
「おはようございまーす。それじゃ私達も……って瓶を取って来なきゃだね」
「行ってくる……必要は無さそうだねぇ」
「あ、有るんだ」
エリちゃんがひとっ走りしてくれようとしたけど、どうやらモニカさんは私達の瓶もちゃんと持ってきてくれてた様子。
一緒に作業するチャンスを逃さない為なのか知らないけど、流石に抜かりないな。
「ちぇー。そんじゃ私は教わった通りにいろいろ雑用してくるかなー」
「頑張ってねー。……ん? ポチも行くの?」
「おっ、お手伝いしてくれるのかな?」
家に戻ってお仕事を始めようとしたエリちゃんに、ポチがぽてぽてついて行ってる。
お手伝いって言ってもわんこに出来る事が何か有るんだろうか。
近くに居るだけで癒されはするだろうけど。
「よーし、行くぞー…… の前にポチちゃん、ちょーっとあっちに行ってきてもらって良いかな……?」
……仲良くお家に帰ろうとしたエリちゃん、無言でじーっと見てくるモニカさんのプレッシャーに敗北してる。
こっちはこっちで他の皆が居るんだし、どうせ後で合流するんだろうからその時に可愛がれば良いのにね。




