1603:微妙な褒め方をしよう。
あ、お兄さんの体が消えていった。
……のはともかく、なんでモニカさんは返り血を全然浴びてないんだろうか。
上向きに突いてるんだから、腕には流れてきてそうなものだけど。
まぁその辺も、「モニカさんだから」とか「隠密さんだから」で終わる話か。
なんかこう、そういう技術が有るんだろうって事でね。
隠密の方は(元)って付くけど。
とりあえず一応見届けたし、中に行くとするか。
アヤメさんもさっさと戻してあげた方が良いだろうしね。
「……あれ?」
モニカさん、門の所で待機したままで付いて来ないな。
「姫様がこちらからお帰りになられるまで、進入禁止を申し渡されましたので……」
「あー……」
一体何をやらかしたんだよ、この人は。
クマ耳もへにょりと倒れてしょんぼりしてるけど、モニカさんの事だから同情出来ない措置だって事はなんとなく想像が付くぞ。
まぁそういう事なら仕方ないので、気にせずに奥に行かせてもらうとしよう。
そもそも別に、付いて来てもらわないと困るって訳ではないしね。
「雪ちゃん雪ちゃん」
「ん?」
進み始めて数秒しか経ってない位置で、なにやらお姉ちゃんが声をかけてきた。
「後ろ見てみて」
「何か…… なにあれ」
なんかその場に残って門番をやってるモニカさんが、作り物のクマ耳を付けたお姉さん達に包囲されてるんだけど。
あ、握手求められてる。
「モニカ様のファンクラブの様なものでしょうか?」
「あー、見た目は可愛らしいもんねぇ」
カトリーヌさんの推察にロシェさんが納得し…… たのを聞きつけて、モニカさんが対応そっちのけでこっちに頭を下げてきた。
ちょっと失礼なのではって思ったけど、なんか周りの人たちは満足そうだから問題無いのかな。
それでこそモニカさんだよねって感じなのか?
でも今ロシェさん、見た目「は」って言ったよね。
いや、まぁ私も大体同じ意見だけど。
うん、仕方ないよね。
だってモニカさんだし。




