1596:暴言は罰していこう。
「それではアヤメさん、まずは一つ目との事なので、こちらへどうぞ」
「はいはい」
そっと台の上に置かれたカトリーヌさんの人差し指の上に登って、揺れても大丈夫な様に膝と手をつくアヤメさん。
……今でも本当にギリギリなのに、これ以上小さくなられると声が聞き取れないんじゃないかな?
調整が難しそうなのも有るからか本当にちょっとずつ縮めていって、ちょうど半分くらいになった所でラキのストップが入る。
「はい。アヤメさん、異常は有りませんか?」
終わりの合図で立ち上がって、カトリーヌさんの指の上で体を動かすアヤメさん。
もう身長が指の太さの半分も無いから、横向きでも軽い運動くらいなら出来ちゃうな……
「……ん?」
なんか呼ばれてるっぽいけど、殆ど聞き取れないな。
あ、そうだ。
「これでどうかな?」
「聞こえるかー?」
「あ、これならなんとか」
円錐状というかメガホン型の魔力を生成して、集音器代わりにしてみたら上手くいったらしい。
正直これでも割とギリギリだけど、全く聞こえないよりはマシだろう。
「わー…… もう殆ど見えないねぇ」
「これは一度見失ってしまうと、もう見つけられそうにありませんね」
お姉ちゃん達が、息をかけない様に気を付けながらちょっと離れて観察してる。
普通のサイズからだと身長でも一ミリも無い様な、私たちの指に乗っちゃう大きさだもんなぁ。
今のアヤメさんの背の高さ、食塩の粒と同じくらいってところかな?
「人の頭に乗ったりしたら、髪の毛の中で遭難しちゃいそうだねー」
「アヤメさんから見ると、一本一本が柱の様な太さでしょうね」
「当のアヤメさんは好き勝手言ってやがるなあいつらって顔してるよ」
勝手にアヤメさんの心境を代弁しておく。
私からでさえ小さすぎて殆ど見えないから、なんとなくそんな感じだろうなってだけだけど。
お、合ってたらしい。
こっちに見える様に大きく頷いてる。
「……多分怒られるだろうけど言ってみて良いかな」
「どうせ指示が来るだろうから代わりに冷やす準備しとくね」
「せめてやれって言われてからにしてほしいなぁ……」
何を言う気かは知らないけど、まぁろくな事じゃないってのは確かだろうし。
というか自分から言ってるし。
「髪って言えば、見た事ないけどシラミの幼虫ってたしかその位の大きさだったよね」
「はいアウトー」
「ひやぁっ」
言い終わると同時に宣告して、弱めた【凍結吐息】をお姉ちゃんの頭にぶおーっと。
これは多分、やっちゃって良いやつでしょ。
うん、近くに居るカトリーヌさんからやっちゃえって感じの合図が来てる。
やられるのを解ってて言ってるんだから、むーって顔してもダメだぞお姉ちゃん。




