1552:過去の行いを訊ねてみよう。
「いや、暇っちゃ暇だけどさ。【細工】の訓練にもなりそうじゃん」
「まぁそりゃそうだがな」
そうなんだろうけど、あの小さい飛行機をどうやって六人がかりでいじるつもりなんだ。
あ、完成形を決めたらパーツごとに分業すれば良いだけか。
「なんつーか、作品を人にいじらせるってのは抵抗が有るんだが」
「それは俺も解るけどさ。今はそんな事言ってる場合じゃないだろ?」
「いや別に今すぐやらなきゃいけねぇ訳じゃねぇだろ」
あ、言いくるめに失敗してる。
実際、「それじゃまた今度やろうねー」で済む話だよね。
「よし解った。それじゃこうしよう」
む?
断られたお兄さん、なんか鞄をごそごそし始めた。
「どうしようってんだよ」
「今から新しく作るぞ」
「おう、解散だ解散…… ってマジか……」
どすんと工具箱を取り出したお兄さんを見て他の四人へ追い払う様に手を振るテツさんだったけど、一番大人しそうな羊さんでさえ「やりますかー」って感じで準備を始めてる。
いくらなんでも、今からやるのは無理が有るんじゃないかなぁ……
「ほら、ささっと図面引くぞ」
「俺もやんのかよ」
「細かい事は気にしないの」
「細かくねぇよ…… あと降りろ」
テツさん、またしてもお姉さんにのしかかられて、無理矢理参加させられてる。
まぁ小さく「仕方ねぇな……」とか言ってるし、本気で嫌って訳ではないんだろう。
「それじゃ妖精さん、ぱぱーっと試作しちゃうからさ」
「あ、はい」
また後でねーって感じでひらひら手を振られたので、とりあえず一旦他を回って来るとしよう。
……本当に私達が帰る前に完成するんだろうか。
「ね? ごちゃついたでしょ?」
「まぁ…… そうですね」
「アレが来てから」というロシェさんの言葉に、間違いでは無いのでとりあえず頷いておく。
「まぁ今回は悪い方に行かなかったから良いけどねぇ」
「悪い時はどうなったんですか?」
「川に落ちたり崖から落ちたり、火事になったり猪に撥ねられたり……」
「それもう放っといて良いんじゃないですかね」
というか、なんでそこまでやらかしてる人の話を聞いちゃうんだ。
「そうなんだけどねぇ…… なんか無駄に自信に満ちてる上に、変な説得力のある物言いでグイグイ迫って来たりするから、流される人が多いんだよね……」
「あぁ……」
さっきもだったけど、かなり押しが強いもんなぁ。
というか雰囲気や勢いで流されるって事には、私には何も言えないな。
多分私、このゲームの中で一番流され続けてるプレイヤーだし。
「あと大抵アヴィも一緒に酷い目に遭ってるから、完全には嫌われないんだよね」
「あー……」
嫌がらせでやってる訳じゃないからって事か。
……それはそれで頭から拒絶出来ない分、ある意味では逆に性質が悪い気もするけど。




