1524:並んで撃たれよう。
「……まぁこれはこれで良いか」
「良いの?」
「訓練になる事には違いないしな。というか、あっちで『早くやろうよー』って顔してる奴がな……」
「あぁ……」
アヤメさんの指す先を見てみると、すっごい楽しそうにがおーって威嚇してるラキの姿が。
……別に良いんだけど、威嚇って怯ませたり戦いを避けたりするためにやるものじゃないかな?
「雪ちゃーん、みなさんお待ちかねだよー」
「あ、はーい」
おっと、済んだら早く行かないとだったな。
早速撥ねられてるアヤメさんにがんばってねーと手を振って、的の配置に三人で移動だ。
「えーと…… 私はこの辺で良いのかな?」
「そうですね、そのくらい離れてれば良いと思います」
カトリーヌさんの反対側に同じ位の距離を取るロシェさん。
なんで私を中心にって思ったけど、私が最初にど真ん中に来たんだからそうなって当然だな。
「あ、そうだ。受けた後の魔法は食べちゃって良いんですけど」
「けど?」
「【石弾】とかの魔法は魔力が抜けるとただの石が残っちゃうんで、潰されない様な配置で吸ってくださいね」
「あー、うん、気を付けよう」
魔法攻撃って扱いのままならどんな大岩でも片手で持てるんだけど、普通の石になっちゃうとどうしてもね。
そこらへんは一応、忘れずに忠告しておいた方が良いだろう。
忘れかけてたけど。
「それじゃお姉ちゃん、こっちの準備はオッケーだよー」
「はーい。それじゃみなさん、ガンガンぶっ放しちゃってくださいねー」
……みんなで勢いよく「おー!」って声を上げてるけど、こっちに気遣って音量は低めだった。
なんていうか、傍から見るとやる気が有るのか無いのかよく判らない光景だな。
「おうぁっ」
「ん?」
一発目のでっかい火球を食らったロシェさんから、なんか変な声が聞こえた。
「いや、これ結構怖いね……」
「あー、まぁすぐに慣れますよ」
こう言っちゃ凄く失礼なんだけど、どうせ何を撃たれてもダメージは受けないからね。
慣れてくると、逆にどんどん強力なのを撃ってくれないかなーって思い始めるんだよなぁ。
経験値も効率よく溜まりそうだし、なにより美味しいし。
まぁ流石にNPCのヤバい人達の魔法は勘弁だけどね。
流石に死にはしないと思うんだけど、普通に痛そうだし。




