1465:一応確認されよう。
「どうぞ」
「うおぅ…… あぁ、ありがとー」
またしても静かに現れたカトリーヌさんが、ロシェさんに魔力製のコップを渡してる。
食堂とかに有りそうなピッチャーも【魔力武具】で作って、お水の補給係をする構えだな。
しかしカトリーヌさん、ぴーちゃんに捕まってた筈だけど。
お手伝いするからって説得して解放してもらったのかな?
あぁ、やらかそうとしたら即座に逮捕されるやつだな、これは。
遠くから目隠し越しにめっちゃ見てるし。
「一応訊くんだけど、もう片方は?」
「はい? あぁ……」
たぱぱーっとコップにお水を注いでもらってるロシェさんから質問が。
微妙に間が空いたから一瞬何かと思った。
「あっちは麻酔薬ですね」
「あぁ、それで昏睡…… ってそんなの口に入れて大丈夫なの?」
「口に入れるというか、口から出せる様になっちゃったんですよね……」
「おぉ……」
うにっと舌を摘まんで少しだけ針を出し、ぴゅっと地面に向けて麻酔液を吹いて見せる。
「っていうか何それ」
「何なんでしょうね…… まぁうん、多分ロシェさんにもそのうち生えてきますよ」
「えー」
うにょんうにょんと垂らした管を動かしながら言ってみたら、嫌そうな顔をされた。
うん、そりゃそうだわな。
「それは置いといて、出した本人じゃないと同じ【妖精】でも普通に効いちゃうんで、訓練するのは無理ですね」
「あ、そうなんだ」
「というか効くかどうか以前に、人が吐いた物を口に含みたいかっていう問題がですね」
「あー…… うん、そうだね……」
いくらゲームの中の話で、仕様上は唾液だって普通の水でしかない筈だとはいえ、大抵の人は抵抗が有るよね。
……こっちが【妖精】なせいで、NPCの人達はちょっとアレだけど。
「え?」
「訊いてないから」
はいはい、例外の人は黙ってようね。
「何の問題が有るのでしょう?」みたいな顔をするんじゃないよ。




